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REPORT

第153回 9月20日「車いす」前編
2026.09.20
歩くことが困難な人が、移動するために使う補助用具「車いす」。
そのルーツは、古くからあったようで、
紀元前500年代のものと推定される古代ギリシャの壺には、
車輪つきの台に横たわった人が描かれています。
ベッドに車輪がついたもののようですが、詳しいことはわかっていません。

それから1,000年。525年頃の中国の石棺には、
徳の高そうな老人が、車輪つきの椅子に座った様子が描かれています。
これが、現存する最古の車いすの記録とされています。

世ヨーロッパでは、自力で移動できない人は、手押し車に乗り、押してもらっていました。
手押し車は13世紀にヨーロッパに導入され、建築や農業の資材運搬に使われていたものが、
人を運ぶためにも転用されたようです。

車いすの初期の事例として、詳しい記録が残っているのは、
1595年にスペイン王 フェリペ2世のために製作されたもの。
晩年、重度の痛風を患って歩けない王のために作られたのが、装飾や上質なクッション、
肘掛け、脚置き、リクライニング機能を備え、4つの小さな車輪がついた豪華な車いす。
移動の時は従者に押してもらいましたが、この頃の車いすは誰かに押してもらうものでした。

世界初の自走式車いすを発明したのは、
ドイツの時計職人 シュテファン・ファルフラーさん。
子どもの頃に脊髄を損傷して、下半身が不随だったファルフラーさんは1655年、
22歳の時に時計職人の知識を活かし、自力で移動できる車輪つきの椅子を開発したのです。

その車体は、後輪に大型の車輪が2つ、前輪はギア付の車輪が1つある三輪構造。
自転車のペダルのように、前輪の上にあるボックスに装着されたハンドルをまわすと
動く仕組みでした。ここからしばらくは操作しやすい3輪の車いすが普及していきます
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