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Aqua Timez太志が語る“ジャケ買い”時代の熱狂 インディーズブーム全盛期の青春「お小遣いで1枚だけ」

2025.10.17
アーティストの「こっちのけんと」がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間」=“MOMENT(モーメント)”を探ります。
10月10日(金)と10月17日(金)の放送では、5人組バンド・Aqua Timez(アクア タイムズ)のボーカル・太志(ふとし)さんがゲストに登場。ここでは17日の放送の模様をお届けします。1998年頃の「インディーズブーム」に熱中した学生時代から、大学時代に一転して孤独な曲作りを開始した2000年頃のエピソード、さらにヒット曲「決意の朝に」にまつわる驚きの秘話、そして期間限定再結成の最後を飾る新曲などを伺いました。

Aqua Timez・太志さん、こっちのけんと



2003年に結成されたバンド・Aqua Timezのボーカルを務める太志さん。「決意の朝に」「虹」など数々のヒット曲を世に送り出し、2018年にバンド解散。その後、2025年8月24日のデビュー20周年で再結成し、2025年末まで期間限定で精力的に活動しています。

◆インディーズブームと「AIR JAM」シーン

こっちのけんと:太志さんをお迎えしております。それでは、先週の続きです。太志さんの人生3つ目のモーメントは。

太志:「1998年頃、インディーズ」です。

こっちのけんと:インディーズ、これはインディーズ音楽でしょうか。

太志:そうですね。当時は、メジャーとかそういうことって10代が気にすることじゃない。でも、インディーズブームってのがあったんですよ。

こっちのけんと:あったらしいですね。そういうのもめっちゃ気になります。

太志:ええ。普通のポップスやメジャーのCD屋とは別に、インディーズのCD専門店とかがあって。

こっちのけんと:お店がですか? コーナーとかじゃなくて。

太志: 1店舗で。

こっちのけんと:うわあ、すごい! もうブームですね。

太志:ブームなんで、もうその店ばかり行くっていう時期にハマりましたね。試聴機も一部しかなかったので、はっきり言って、ジャケットで予想するしかないんですよ。「これ、スケボー乗っててかっこよさそうや、もう絶対買いだ!」みたいな。

こっちのけんと:そっか。もう本当にジャケ買いをするしかない。

太志:店長さんに聞くっていうのもあるけど、僕は1枚しか買えないんで。

こっちのけんと:お金ないですもんね、学生時代。

太志:そう。だから「どれにしよう」ってのを、それぞれみんな勝負でしたね。

こっちのけんと:なるほど。なんか聞いたことあります、そのアルバムを1つ買って、もうずっとそれを聴くしかないと。

太志:それしか買えないです。身銭を切るわけなんで、お小遣いとかバイト代でも。だから、ジャケットですごく選びました。

こっちのけんと:やっぱそこ大事だったんですね。

太志:大事です。その、どういう音楽かっていうのも雰囲気を、そこから感じ取るしかなかったという。

こっちのけんと:どういった曲を聴いてたんですか?

太志:いろいろなハードコアも聴きました。ヌンチャクっていうハードコアバンドがあったりだとか、GMFとか。で、だんだんインディーズがすごいブームになっていって、今ではもう知らない人はいないHi-STANDARDだったり、BRAHMAN、BACK DROP BOMB。その頃、「AIR JAM」っていう伝説的なフェスがあって。僕らはそのシーンのことを“AIR JAM周辺”って言っていましたね。

こっちのけんと:ああ、なるほど。

太志:だいたい僕らがCDをジャケ買い1枚すれば、あとは歌詞カードの一番後ろに「thanks to」って書いてある。それが対バンなんですよ。

こっちのけんと:ああ、なるほど。

太志:ってことは、「これに似てるバンドここにいるんだ!」と思って。

こっちのけんと:あ、もうそこからもう数珠繋ぎというか。

太志:そう、で、バンド名を見て、「あ、この辺なんだ」「この辺を聴けばいいんだ!」みたいなことをやってましたね。

こっちのけんと:面白い。特にインディーズだからこそ何の情報もないですもんね。

◆孤独だった大学時代、孤独な曲作りの原点

こっちのけんと:続いて太志さんの人生4つ目のモーメントは。

太志:「2000年頃、曲作り開始」です。

こっちのけんと:おお。これはもう20歳頃ですかね?

太志:そうですね。

こっちのけんと:ここでついに。

太志:大学生になっていて。で、大学生活が充実しなかったんですよ、僕。

こっちのけんと:そうなんですか。

太志:もし充実してたら、そのまま勉強して卒業してたかもなとは思いますね。

こっちのけんと:就職したりとか。

太志:あまり友達もできず、1人で家でいる時間が多かったゆえに鍵盤を買ってみたり。あの光る鍵盤。

こっちのけんと:指のとこが光る練習しやすいやつだ!

太志:とにかくできるだけ安いものを選んで。あとMTR(マルチトラック・レコーダー:多重録音機)って機械を買ったんですよ。8トラックぐらいしかない。しかもアナログで。箱みたいになっていて。フェーダー(※オーディオ機器・ミキサーなどの音量や出力レベルを調節・設定するためのつまみ)ってあるじゃないですか?

こっちのけんと:PA(音響)さんとかがやるような。

太志:あれが8つ。

こっちのけんと:8つだけ?

太志: 8つでも多いほう。しかも記録媒体っていうのかな、確かZIP(ジップ)とかいう、フロッピーとも違うやつで。それだけで2,000円ぐらいするんですよ。

こっちのけんと:え? 高っ!

太志:それで50~60分(ぐらいしか録音できない)。

こっちのけんと:すごい……。

太志:すごい考え方でしょ、なんか。今のDTM(デスクトップミュージックの略。パソコンやスマートフォンを使って行う音楽制作の総称)とはまた違う。

こっちのけんと:そういうので曲を作ってたんですね。今ではパソコンで全部できるじゃないですか。

太志:そう。だから、すごいなって。

◆解散から6年、期間限定再結成終幕前、ファンへの感謝と思い

こっちのけんと:Aqua Timezさんの新曲「if you come」。フジテレビ系ドラマ「新東京水上警察」の主題歌です。こちらは期間限定再結成後の最後の新曲ということで。もう最後なんですね。


太志:あっという間でしたけどね。

こっちのけんと:解散してから再結成するまでの心境の変化というか。

太志:その間6年ぐらいありましたけど、6年って結構長いものでした。ソロでやるにしても、やっぱりそのなかで考えることもあったし。あと、やはり「聴き続けてくれている人がいるんだ」っていう。6年も経ったのに。だから、この20周年という名前を借りてじゃないけど、今回やらせてもらって、ずっと待っていてくれていたっていうのを、ライブでやっぱり思うので。そこに対して新曲をいっぱい作りたいと思って。結局、5曲作りました。

こっちのけんと:すごいですね。

太志:リリースできましたね。MV(ミュージックビデオ)は4本撮った!

こっちのけんと:ありえない! 頑張りすぎです!!

太志:頑張りすぎましたよ、本当に。

こっちのけんと:また寂しさはありますけど、でも、こう復活してくれたおかげで、また希望がといいますか、新しいこの曲のおかげで、今後生きていけるっていうのもなんかあるなと思うので、本当に改めて、僕が言うのもあれですけど、本当ありがとうございます。

太志:こちらこそありがとうございます。

<番組概要>
番組名:G-SHOCK presents THE MOMENT
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
パーソナリティ:こっちのけんと
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/moment/
番組公式X:@TFM_THEMOMENT

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