2017/7/2
最近『働き方改革』という言葉をよく耳にします。
そもそも働く・労働とは、私たちにとって何なのでしょうか。
「『働く』という事は、お金を得る事。生業の為。“生業”という意識があれば、どこからがブラック企業なのか線引きしやすい。けれど“義務も果たさず”ではいけない。“職場が楽しくない”などと、職場の不満を言う人もいるが、お金を貰っているのに何を言っているのだろうかと思う。サークル活動ではない。転職している人の方が実力で来ているからそういった事を理解している人が多いが、新卒で入ってそのまま続いている人は、どこか感覚が学生の人が多いように思う。『仕事=お金』。その割り切りができた方が楽しいと思います」という江原さん。
今日は『労働』をテーマに番組をお届けしました。

今夜お届けしたナンバー
◇A Hard Day's Night / ザ・ビートルズ
◇最もすばらしいものは / 江原啓之



「仕事の事で悩んでいます。今の職場では収入が少ないので転職をします。やっと決意し、次の職場も決まりました。会社の規定通りに一ヶ月前に申し出て、有給消化のお願いをしたら“従業員や利用者に迷惑をかけるのか!今までの退職者で有給消化した人はいない!”と、責められました。労働基準法では、労働側の権利としています。自分が周りの人たちを考えず、自分の権利だけを主張する酷いヤツなのか?でも、休まず働いてきたから、有給が残っているから最後に使いたい。私は酷いヤツですか?会社側は出来るだけ休みをくれると譲ってくれましたが“全てください”と言いたい…。が、私が引くべきなのでしょうか。法律より人情ですか?仕事がボランティアになってしまう。日本人の感覚がおかしいと思います。人を雇う側の江原さんは、どう思いますか?私の魂が欲だらけなのでしょうかね…」というメールをいただきました。

江原さん
「難しい。まず『秤にかける』という事を覚えるといい。言っている事は、あなたが正しい。何があってもそれは労働者の権利。有給消化をするべきだと思う。しかし会社側も“出来る限り与えます”と言っている。まずは“全部有給をください”と言えるかどうかの“秤”。自分自身もお給料を貰っている分だけやったか。“自分もちょっと足りなかったな”と思う時には、少しは譲歩する気持ちも必要かな。結局、自分自身にしかできない“秤”。もしそうでない場合は、自分自身の今後もあるし、主張していいと思う。生業だからボランティアになってしまうのはおかしい事だとは思う。けれど、一ヶ月前に申し出てOKな会社というのは良い方なのではないか。引き継ぎなどもあるので、先方も大変だろうなと思う。『立つ鳥、跡を濁さず』という事を多少は加味する事も大切。結論として申し上げられるのは“あなたにしか分からない”という事。表面だけで申し上げる事はできないなと思うのです」


「仕事について相談があります。私は今、介護施設で食事を作る給食調理のパートとして働いていますが、仕事とお金の対価、人としての優しさや道徳心で、どこまで対応したらいいのか迷う事があります。一人で出来る簡単な仕事という説明で始めましたが、実際は利用者の毎日の状態によって変更が多く(固形物からミキサーに変わったり)素人が時間に合わせて作るのは、とても大変です。施設の職員さんは、少しでも利用者に食べてもらいたいので、何度断っても無理な要求をしてきます。自分が断ると、利用者さんの食欲が落ちて寿命が縮むかと思うと、つい無理してやってしまうのですが、私はパートで働いているのであって、無料奉仕に来ている訳ではないと思うと、なんだかモヤモヤ感が残ります。私の職場に限らず、人の親切心を利用して時間外労働を当然とするとか、罪悪感から無理でも断れない仕事は多いと思うのですが、どう割り切れば良いのでしょうか。ブラックというほど待遇が酷ければ退職を考えるのですが、私の職場は気持ちの切り替えが出来れば、やりがいのある仕事だと思います。施設の介護職の職員さんは、必然に迫られて時間外労働が多いようです。“自分たちも無理しているから、当然あなたも…”という要求をやり過ごすのには、どうしたら良いでしょうか」というメールをいただきました。

江原さん
「難しいですね。特に人の良心に訴えかけられる仕事というのは難しい。“負のスパイラル”。一番いけないのは、その企業。人が足りないから増やすべき。しかし、なかなか人の入り手なく、ギリギリでやっていて賃金が安いという事もあるのでしょう。安く、負担が少なく、良い事を提供しようと思うと無理が出る。しかし割り切ってやってしまうと、恩恵に預かれない人がたくさん出てしまう。究極を言ってしまうと政府や国の問題。あとは“これ、大変なんです”“人を増やしてもらいたい”と職場に伝える事も必要。そうすれば、みんなで少しは理解し合えるという事もあるのではないかと思うのです」


「私は4年前に結婚するまで、バリバリのキャリアウーマンでした。大手企業で海外勤務も2回、男性社員の羨望のポジションであった責任のある立場に初の女性として運良くつく事ができ、仕事の内容にも大変満足しておりました。一方で、毎月100時間を超える残業には辟易しており、結婚生活2年を経て、仕事と結婚のバランスが取れなくなり、止む無く会社を退職しました。主人とはとても仲が良く、退職後2年程、平和な専業主婦をしていましたが、ぽっかりと心に穴が開いたまま時が過ぎてしまいました。海外でやりがいのある仕事をしたいという思いが心にずっと残っており、捨てきれません。結婚生活を維持しながら、以前のように海外でやりがいのある仕事を見つけたいという思いは贅沢でしょうか。幸い主人は優しく理解があり、海外勤務がしたければ行っておいて(なんなら後からついて行く)と言ってくれますが、できれば一緒に海外で暮らしたいと思っています。仮に海外で仕事が見つかったとしても、結婚しながら主人としばらく離れる期間、主人に申し訳ない気持ちがあり、なかなか進めない状態にあります。どう心の区切りをつけたら一歩前に踏み出せるのでしょうか。今は派遣でとりあえずの仕事をしていますが、なかなか充足感が得られません」というメールをいただきました。

江原さん
「最終的な答えは、あなたたち夫婦にしかない。私のカウンセリング経験の中でも、ご夫婦で海外に移住した方がいました。お二人共通の“海外でやっていきたいね”という目的があれば、人生は旅ですから、自分たちが満足できるように過ごして終わればいい。成果主義ではない。ただ、ご主人が“自分の為に付き合ってくれているんだな”という場合は、相当の覚悟が必要。パワーバランス。正負の法則。私たちは何かを得たら、何かを失うんです。二人で共通の目的があればいいが、そうでなければ“自分にとっての人生で大切な物は何なのか”という事をひとつひとつ数えて秤にかけてみる。ここでひとつ自分自身をよく分析して“自分の人生の充実とは何なのか”という事を考えたらいい。自分の中にしか答えはないのです。それが悔やまない生き方。もしそれで充実できなかったとしても自分が決断した事だから悔やまない。後で悔やまないくらい考える事が大切なのです」



●江原啓之 今夜の格言

「生業という認識が、理性に変えます」
「生きがいと生業のバランスが秤です」

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