2020/4/12
新型コロナウイルスの問題で7都道府県に緊急事態宣言が出されましたね。
みなさんの暮らしも変化しているのではないでしょうか。
「突然ですが、あなたは食べることが好きですか?以前『おと語り』の中で種子法・種苗法のことについて話をしたところ、大反響をいただきました。みんな驚いてらっしゃったようで“そんなことが起きるんですか?”と、たくさんのメールをいただきました。今、私たちの食卓が危険に脅かされようとしています」という江原さん。
今日は弁護士で元農林水産大臣の山田正彦先生をゲストにお招きしました!
“食”を通して日本の未来を考えていきたいと思います。

今夜お届けしたナンバー
◇Power to the people / ジョン・レノン

山田正彦先生

江原さん―
山田先生の書籍を読ませていただき、驚きました。私もあまりにも無知・無関心だったなと思い、そのことを『おと語り』で放送しました。山田先生とは、その放送が先生のお耳に入ったというご縁だったんです。

山田先生―
知り合いに“江原さんがラジオで、山田さんの本のことを語っていたよ”と言われ、江原さんを知っている方がいらっしゃって“(江原さんに)お会いしたいな”と思ったんです。

江原さん―
そこで私が伝えるよりも(『おと語り』で)山田先生のお言葉で伝えていただきたい。また“食”に関する様々な考え方や誤解などもあるようで、それを今回、正していきたいなと思うんです。
山田先生は、弁護士で元農林水産大臣でもありますが、長崎で土地を開墾されたり、牧場もされていたんですよね?

山田先生―
若い頃、牧場をして牛を400頭飼育し、豚8000頭を出荷し、自分で肉屋も始め、県庁前で牛丼屋までやったのですが、散々失敗したんです(笑)。

江原さん―
山田先生は弁護士でもいらっしゃるのでロジカル。そこで私は山田先生のお話が信用できる、納得できると思ったんです。
今日は、色々とおたずねしたいと思います。まず“種子法・種苗法”、この2つについてぜひ教えてください。

山田先生―
“種子法”というのは、私たち日本人の主食である米・麦・大豆の種子を、これを国民に飢えさせることがないように国が管理する法律で、戦後、国が制定しました。国が責任を持って、食の安全を守るという法律。だからその前に“主要農作物”という言葉も付く。米、麦、大豆はそれぞれ2000年も昔からその作物はあって、伝統的な品種を各国が管理をしていた。米の品種は1000種類くらいあるんです。大嘗祭の時に使う天皇家の古代米だけでも17種類あると言われている。原原種を1年目に作って、その次の年にそれをもとに県が原種を作る。そして3年目に種子栽培農家が作る。原原種を作るところも私はみんな見てきました。大変なんです。異株と言って、コシヒカリの純粋な形・葉の色・開花時期、それに合わないものはみんな取り除く。実る時期には穂先の毛が2?なかったら“異株だ”と言うんです。専門家でなければできない。7〜8人並んでいってひとつずつ見ていく。そこまでやって赤いものが出てきたら、この田んぼは全部ダメ。それを11回繰り返して、それが原原種。それを元に県が原種を作る。そして3年目に県が選んだ種子栽培農家が花粉の交雑のない種合いの田んぼを選び、十分な審査・検査、発芽率90%以上のもの。各県が保証したコシヒカリならコシヒカリ、つや姫ならつや姫などの品種を農家が作る。そしてその品種を安価に提供し、私たちは美味しいふっくらとしたお米を今まで食べることができたんです。

江原さん―
有難いことですね。

山田先生―
それ(種子法)が廃止されるときに、F1(一代限り・企業米)の品種、ハイブリッドの品種を農家が毎年買わなければならなくなった。これはハイブリッドの米なので二代目は育たないんです。
このコロナ騒ぎで人の移動が禁止された。日本の自給率は今では30%しかない。農水省は現在、食料自給率を肉類などの輸入飼料を除外して、新たに『食料国産率』として発表しようとしています。これは改ざんです。しかし、天候異変やコロナなどでいずれ物がなくなったとき、私たちが今食べている米は籾が一代限りなので食べられなくなるんです。次の年に種が蒔けなくなる。

江原さん―
恐ろしい話ですね。

山田先生―
この種子法が廃止されたのは2年前。
F1の種子、そしてこれからはゲノム編集の種子というものも用意されている。遺伝子組み換えの小麦・大豆も用意されている。
遺伝子組み換えをすると簡単に作れる。それを作って農家に買わせる。そうすると価格も上がってくる。例えば、ハイブリッドライスのある品種を農水省は推薦して参りましたが、これは今のコシヒカリの種籾の10倍くらの価格がする。野菜の種子で考えてもらえるとわかりやすい。私の子どもの頃はみんな伝統的な個体種の種取りをしていた。インゲン豆や人参も。今はF1の種子になって種取りができないんです。種取りしないんです。だから毎年購入しなければいけない。かつて国産100%だったものが、野菜の市場は海外で90%の生産。しかもどこが生産をしているかというと、種子で有名な多国籍化学企業なんです。

江原さん―
そこは譲ってはいけないところですよね。

山田先生―
TPP協定の中で“多国籍企業・投資家の要望を聞いて各省庁に検討させ、必要なものを規制改革会議に提言をし、それに従う”という交換文書があるんです。それに基づいて次々にやっている。郵政民営化のようなことですよね。
漁業法の改訂などもあり、次には教育の民営化がくる。共通一次試験も民間にやらせようという動きがある。米国では(すべてではありませんが)小学校・中学校の公立学校を閉鎖し、株式会社にしたんです。民間の多国籍企業に学校経営まで売ってしまう。

江原さん―
怖いことですよね。

山田先生―
種子法は廃止されて、大変だったんです。
けれど2年の間にみなさん段々とわかってきて、市民たちが動きました。
各都道府県で種子法に代わる種子条例をこの2年間で今、15の都道府県で作り上げました。(収録当時。現在は3県増え18)
各都道府県、パブリックコメントで“やります”と言っているところを合わせると24です。(2020年3月現在)

江原さん―
各県が条例を出せば種を守れるということですか?

山田先生―
今まで通り原原種から試験場で作るということを、各都道府県の条例で決めました。だからその県は大丈夫です。条例は、その自治体での法律です。

江原さん―
絶望のところから、そういう策・救いがあったんですね。

山田先生―
2年の間にそういう動きがありました。来年になったら30の都道府県で従来通り伝統的な私たちの美味しいお米を食べることができます。

江原さん―
危ないところだったんですね。けれど多くのリスナーさんたちがみんな思うのは、なぜ国が私たちを守らずそうするのかということが疑問なんです。どうしてそんなことになるんですか?というメールをたくさんいただくんですよね。

山田先生―
水道の民営化もそうですが、内閣の参与に多国籍企業の方が入っているという話があった。内閣府に入ってきて、官邸主導でどんどんこういったことを推し進めている。私たちの暮らしが多国籍企業に支配されようとしていることが今、行われようとしているんです。

江原さん―
本当に今さえ良ければいいという感じですよね。
先生の本を読んで、私が一番心配するのは、自給率が30%ほどしかないということ。この事態が進んでいったら誰もが農業をやらなくなる。種は高くなるし、どんどん農家は苦しくなる。実際に売るときにもお米を高く売らなければならなくなる。そうするとみんな飢える。この国は食べていけなくなると思うんです。

山田先生―
ヨーロッパなどは、日本よりもしっかりとしていて、農家収入の8割は所得補償している。国からの助成金なんです。私は代議士になってからアメリカも調べたんですが、アメリカでも農家収入の4割は税金。所得補償。私は所得補償を大臣になって初めてしたんですが、そのときでも29%だった。それから一年経ったら農家収入が17%上がったんです。収入が上がれば、あの時は若い人も農業に参入しましたからね。
食糧安全保障というのは、日本でもあきらめて海外から食料を輸入するのではなく、自給できるんです。私が牧場を始めるときには自給率は65%ありました。

江原さん―
世の中、物騒な話も多くて有事のことなども考えますが、今、戦争なんてしなくても兵糧攻めをすれば簡単にこの国は滅びる。爆弾なんて恐れなくてもいい。兵糧攻めが一番怖い。

リスナーのみなさん、驚きだと思うんです。今までちょっと関心がなかったという方は『売り渡される食の安全』(角川新書)という山田正彦先生の書籍があるので、ぜひ読んでみてください。山田先生はBlogもされています。大変勉強になりますのでぜひお読みになってみてください。
一週では話が足りません!私達ひとりひとりがどうすればいいのかという話をぜひ来週もお伺いしたいと思います。今日はありがとうございました!


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