2012/8/5
明日、8月6日は絶対に忘れてはいけない日。広島に原爆が投下された日です。
今日は、『平和への祈り』を込めて、反戦歌をお届けしました。
「音楽の力ってすごいですね。直接的に言葉で言うと角が立ったり、様々な思惑が入ってしまったりしますが、音楽はみんなに考える時間を与えてくれます。今夜は考える時間にしたいなと思います。今日お届けする曲は、若い人にはあまり馴染みがなく、ある程度の年代の方たちは懐かしいと思われたりするかもしれませんが、その双方で共有できたらうれしいです」と江原さんは語ってくれました。



今夜お届けしたナンバー
◇平和を我等に / ジョン・レノン
◇フランシーヌの場合 / 新谷のり子
◇イムジン河 / ザ・フォーク・クルセダーズ
◇Where Have All the flowers Gone?(花はどこへ行った)/ ピーター・ポール&マリー
◇さとうきび畑 / 森山良子


『フランシーヌの場合』
この曲は、あまりにフランシーヌの場合は、あまりにおばかさんという歌詞で有名になりました。しかし実は反戦歌で、実際にあったフランシーヌの話。1969年3月30日(日)、パリの朝に燃えた命。ベトナム戦争に抗議してパリで焼身自殺をしたフランシーヌ・ルコントを歌った反戦歌です。

江原さん
「いつの戦争も、結局は誰かの利得のために行われていることが多いなと思う。戦争金持ちや武器商人などと色んなことをいうが、一般の市民はみんな利用されているような気がしないでもありません」

『イムジン河』
発売当時放送禁止となった南北朝鮮戦争を歌った反戦歌で、誰が祖国を分断したのかを鳥に問いかけている歌です。

江原さん
「民族を分かつという戦争って悲惨ですよね。実は、この日本でもそういう危機が歴史の中であったという話も聞く。同じ民族でありながら引き裂かれる。南北で身内がいたりする。これってどういう感覚なんだろう。戦争って何一ついいものは生みませんよね。マイナスしかないことをわかりながら、なぜ私たちは繰り返すのでしょうか」

『Where Have All the flowers Gone?(花はどこへ行った)』
反戦歌を代表される曲だといわれていて、この曲は各国で様々な言語になって歌われています。

江原さん
「不思議なのは反戦歌ってなぜ明るいんでしょう。暗い反戦歌もあると思うけれど、どちらかというと、この曲って反戦歌だったの?というような、心地よく爽やかに聴いてしまったりすることが多く、この曲はその代表でもあるような曲。しかし、心地よく爽やかだから歌われ続け、語り継がれたというところもあるのではないかと思う」

『さとうきび畑』
少女は沖縄で死んだ父の顔を知らない、父はなぜ戦争で死ななければならなかったのか、さとうきび畑を通り抜ける風の音を聞きながら静かに悲しみを訴えているという歌。

江原さん
「私もリサイタルなどで歌ったことがあったり、森山良子さんと一緒に歌ったこともある歌。この歌は大上段から反戦を訴える歌ではない。間接的に少女の悲しみの中で反戦を訴えている歌です」

今日は反戦歌特集をお送りしました。
「重たい気持ちになった人もいるかもしれませんが、日本は被爆国であり、原爆では非常に辛い思いをした。しかし、私はこれから先戦争よりも、戦争になる前に、私たちが自滅する方も怖いと思う。『予言』という書籍の中でもどこが“陸だか河だかわからなくなる”という言葉もあるが、まさに夏までの間に報道でどこが陸だか河だかわからない映像をたくさん見ました。何が善なのか悪なのか。原発の問題も含め、エネルギー問題。推進するのが善なのか悪なのか。経済の発展をのぞむのが善なのか悪なのか。何が正しいのかわからない。しっかりと考えていかなければならない。ただひとつ言えるのは、自滅の道だけは避けたい。原発は原爆よりも放射能量も多いわけです。原爆と原発は同じでもなく、まったく異なるもの。しかし、ある意味ではたくさんの方が亡くなったのは原爆であるけれど、それ以上の威力があるのが原発です。本当に私たちは、これからは“知性”が大切なのではないでしょうか」

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●江原啓之 今夜の格言

「平和は自身の周りから始まります」
  
「毎日を微笑みで暮らすこと。そこから愛が始まります」


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