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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
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手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
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長崎 べっ甲づくりの音/薫堂さんが採取!神戸「淡路屋」の音

  • ON AIR
  • 2020/02/16

長崎・べっ甲彫刻細師 藤田誠さんの音

写真 前回の放送で、移動型郵便局「ポストカー」が長崎ランタンフェスティバルを訪れた様子をお届けしました。今回も、長崎の話題をお届けします。

宇賀「ここでお手紙を1通ご紹介しますね。FM長崎放送部の八尋さんからいただきました」

小山「同じラジオの仲間からですね」
八尋さんからのお手紙が、こちら。

〈薫堂さん、宇賀さんはじめまして。日曜の午後にいつも素敵な放送を有難うございます。そしてポストカーが長崎にやって来る!ということで、せっかくなのでなのでぜひ取材に行っていただきたいところがいくつかあります。「てがみ屋」「瑠璃庵」、長崎刺繍、長崎ハタ、中でもオススメは、べっ甲です。薫堂さんはべっ甲の眼鏡がきっと似合いますよね。長崎にも縁があるので、お持ちだったりしますか?これからも日本人の心がホッとする放送を届けて下さい!〉
写真 小山「なんというタイミング! 実は僕、べっ甲の眼鏡を買いまして」

宇賀「えー!」

小山「いま、レンズを入れるために眼鏡店に出していてちょうどないんですけど……。改めて、べっ甲っていいなと思ったんです。べっ甲の眼鏡はたとえば折れたりしても元どおりに再生できたりとか、汚れてもちょっと削ったりすれば新品のようにピカピカになって。自分がもし死んだあとも、この眼鏡をかけて自分は色々な物語や風景を見てきたわけじゃないですか。それをまた誰かに託せるな、と思い切って。結構高かったんですけどね……」

宇賀「今回は、長崎市のべっ甲彫刻細師の藤田誠さんの工房におじゃましてきました」
写真 中国で生まれたべっ甲の技術。16世紀にポルトガルに渡り、鎖国中の日本へ出島を通じて入ってきました。

「幕末から明治にかけて、特にヨーロッパ人、特にロシア人がべっ甲を好んで長崎に来ていて、外国人向けのべっ甲屋さんができました。日常生活で、べっ甲屋さんの奥さんは簡単なロシア語と英語が喋れたと。それから第一次世界大戦の影響で大正バブルがはじけて、そこから日本人相手の商売が始まっている」

そう話してくださったのは、べっ甲彫刻細師の藤田誠さん。 16歳の頃に、家業であるべっ甲の仕事を引き継ぎました。
写真 べっ甲とは、玳瑁(たいまい)というウミガメの甲羅の素材。べっ甲を使った工芸品は、かつて「たいまい」と呼ばれていました。なぜ、今のような「べっ甲」の名前になったのかというと……。

「江戸時代中期以降に、出島でべっ甲の輸入禁止令が出てきた。その時に、長崎奉行所に対して、『これはタイマイではない、これはスッポンという別の亀の甲羅だ』と。スッポンに甲羅はないんだけど。スッポンの当て字を使って別の甲羅だ、というのがべっ甲の語源」。
写真 写真 江戸時代に始まり、日本の伝統文化として定着していたべっ甲ですが、1992年のワシントン条約によりタイマイの輸入が禁止に。新たな甲羅が日本に入ってくることはなくなりました。しかし、日本ではバブル経済がはじけ、高価なべっ甲を買い求める人が減り、生産量も落ち込んだため、備蓄されていた材料を使いべっ甲は今でも作り続けられているのです。
写真 藤田さんはべっ甲のプレス、彫刻、デザインまで全てを1人でこなしています。

「べっ甲の魅力って言うたら、作り手のいうことを聞いて色々な形になってくれることかな。長持ちするし、修理が効くし。名人とか何とかかんとか褒めてくれるけど、自分の中では満足していないし。自分では愚作だと思っているし。この愚作でようお金払って買ってくれてるな、と。べっ甲は高額商品だから、お客様に損はさせないようなものづくりをするのが職人の仕事かな」
写真 小山「すごく心に残る言葉がたくさんありましたね。『損をさせないようなもの作りをするのが職人の仕事』とおっしゃっていましたね」

宇賀「もちろん高価なものですけど、それには意味があるんですものね。スタジオにもべっ甲のペンダントがありますが、本当に細かい模様が彫られていて。触っていると安心しますね。心地いいです」
写真 写真 小山「軽いんですよね、意外と。見た目は重そうな印象がありますけど。眼鏡も軽いんですよ、すごく使いやすくて」

宇賀「『作り手のいうことを聞いて色々なかたちになってくれる』とおっしゃっていて。自分が作っているというよりも、『作らせてもらっている』みたいな尊敬の気持ちを感じて。素敵だなあと思いました」

小山「長持ちして修理が効くというのも、なかなか今の時代は大切なところですよね」

手紙文化を盛り上げよう! ポスト会議#34

写真 今回は薫堂さんから提案があった、スマートフォンのボイスメモでそれぞれ音を録って聞かせ合う企画の第2弾をお届けします。

小山「ふと思ったんですけど、自分で音を録ってくるのって、ただディレクターを楽にするだけじゃないかな、って(笑)……前回、別府の温泉の音を録りましたが、今回は神戸に行ってきました。奇しくも今日は神戸空港の開港日らしいのです。1年半くらい前に、神戸の伊藤さんという方からお手紙をいただいたんです」

〈はじめてお手紙を送らせていただきます。淡路屋の伊藤と申します。神戸の下町で小さなクレープと駄菓子のお店を営業しております。最近、危機に感じることがあるのです。去年、2軒もご近所の駄菓子屋がなくなってしまいました。もう10年もしないうちに、町から駄菓子屋が消えてなくなってしまうと思うのです。駄菓子屋は10円のお菓子を消費税ももらわず何円売って、何円のもうけしかありません。それなのに、いくら子どもをかわいがっても隙あらば万引きされるのです。こんな商売、誰も継いでくれない。現役の方も高齢で頑張ってやっています。最後に皆さんにやっていて良かったと思ってもらえるようにしてあげたいのです。パソコンも使えない私ですが、今年は駄菓子屋マップを作り、知ってもらい、みんなに行ってもらいたいと考えています。本当に時間がないのです。駄菓子屋には横のつながりがありません。関西には組合もないと思います。みんなコツコツ頑張っています。私ひとりが思いついたことで、お仕事として依頼をしてもお支払いできる金額ではないとわかっています。今の駄菓子屋の現状を知っていただくだけでもありがたいと思っています〉

宇賀「確かに、私も子供のころに通っていた駄菓子屋、なくなっちゃったんですよね」

小山「それで僕、行ったんです。1年くらい前ですかね、神戸に行った時になんとなく訪ねたらすごく素敵なところで。本当に昔の駄菓子屋の佇まいで、クジがあったりとか。その横にクレープコーナーがあって、100円で買えるんですよ」

宇賀「その場で焼いてくれるんですか! 100円って安いですね」

小山「今日は、そのクレープを作っている音を録りました。ほとんど、音は聞こえません。クリームを絞ったりする音とか」

音はここではお届けできないので、薫堂さんが撮った写真を……。
写真 写真 写真 宇賀「かすかに生地が焼けるジューっていう音は聞こえました。お客さんとの話とか、テレビやラジオが流れている音もよかったです」

小山「中学生の子とか、みんなここに集っていて。クレープはオーダーをして焼いてくれるんですよ。僕が好きなのはバナナクレープなんですけど、バナナクレープをオーダーすると、ちゃんとバナナを束から1本もいで、バナナの皮をむいて、包丁で切って。それでクレープを1枚焼いて、バナナの横にみかんの缶詰を2粒くらい置いて、生クリームを上から入れて、包んで100円ですよ。20円でチョコがトッピングできます。食べているだけで、涙が出てくるような感じですよ」

宇賀「神戸のどの辺りなんですか?」

小山「和田岬という、三宮から車で15分くらいのところですよ」

宇賀「あ、店内には座れる場所もあるんですね」

小山「そうなんです、高校生が座って食べながらいろんな話をしているんです」
写真 宇賀「この前、音を聞いて、浮かんだ風景を絵に描いて、はがきか手紙で送ってもらおうという企画もあったじゃないですか。どうですか、今回?」

小山「想像していただいてね」

宇賀「ご応募、お待ちしています!」

▼そして、番組では新企画の参加者も募集しています!

〈音の絵画コンテスト〉…音だけを聞いて、その音を想像して描いた絵をリスナーの皆さんから募集! 今回の「淡路屋」さんの風景の絵、お待ちしています。

〈ラブレター渡し隊〉…ラブレターを渡す勇気がない……そんな人を応援する企画。小山薫堂があなたが書いたラブレターを、意中の相手に渡しに。想いを届けるお手伝いをします。お相手の情報やラブレターの概要を合わせて書いてください。

〈文通企画〉…番組スタッフと文通したい方を募集! 文通相手のスタッフはランダムです。薫堂さん、宇賀さんから返事が来ることもあるかも?

住所・氏名・電話番号を忘れずに明記の上、お手紙か番組サイトのメッセージでご応募ください。
お手紙の宛先は【郵便番号102-8080 TOKYO FM 「SUNDAY’S POST」】です。
写真
宇賀さんの似顔絵が届きました!

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは岩手県<広田郵便局>米谷一範さんでした!

「2011年東日本大震災大津波により、私の街は壊滅的被害を被りました。郵便局も全壊流出し、地域の皆さんと一緒に避難生活を送りました。それからしばらく経ってから赤いバイクが郵便配達を再開しまして、その時に高台から見ていた地域の皆さんが大変大きな歓声を上げて喜んで頂いたんです。そして、配達された郵便物を握りしめまして、涙を流されました。それを見て、手紙は心の支えになるという事と、時には生きる勇気を与えてくれる存在なんだという事を実感致しました。郵便局で働いている、その事に誇りを感じております。」
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