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『手紙から始まる物語。』
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19歳の落語家 桂枝之進さんが登場!

  • ON AIR
  • 2021/01/31

Z世代・19歳の落語家 桂枝之進さんをお迎えして

写真 今回は、「Z世代の落語家」と呼ばれている19歳の落語家 桂枝之進さんをリモートでお迎えします。
写真 小山「まず、Z世代って何ですか?」

宇賀「簡単に言うと、生まれたときにはすでにインターネットが普及していた、インターネットネイティブと呼ばれる人たちですね。社会問題に関心が高くて、ブランドではなく物事の本質に価値を見出す世代と言われているそうです。枝之進さんは2001年生まれの現在19歳です」

小山「アナログな落語に興味を持ったきっかけは何だったんですか?」

桂「僕も最初に持った携帯電話がスマホだったり、デジタルネイティブなところはあるんですけど……それよりもっと前に、5歳の頃に親に連れられて近所の落語会に行ったんですね。知らないおじさんが右を向いて左を向いて何か面白いことをやっていて、『何だこれは!?』と衝撃を受けて、それからずっと落語が好きです」

小山「正式に弟子入りをされたのは何歳ですか?」

桂「15歳、中学3年生です」
写真 宇賀「15歳で弟子入りすると決めたとき、ご家族とかお友達の反応はどうでしたか?」

桂「僕がずっと落語家になる、と言っていたので親は『まあなるだろうな』という感じでした。でも、進路相談ってあるじゃないですか。中学3年生の秋に先生に呼び出されたときに『僕は落語家になります』と言ったら、『落語家になるなら早く弟子入り先決めてこいよ』と言われて、急かされるように弟子入り志願に行きました」

小山「先生が背中を押してくださったんですね。その弟子入り先はどうやって決めたんですか?」

桂「小さい頃から落語会をたくさん見に行っていて、面識もあったので。僕がずっと通っていたのが今の師匠、三代目桂枝三郎で、落語会の終演後に声をかけて弟子入り志願をする、という感じでした」

小山「びっくりされたんじゃないですか、中学生で」

桂「師匠は師匠で、『こいつ弟子入り来るんじゃないか』と思っていたみたいなんです。弟子入りはその師匠に断られたから次の師匠に……というわけにはいかないですから、めちゃくちゃ緊張して終演後に声をかけられなかったんですね。でも、師匠が『お前、このあと飯行くか?』と言ってくれて。近くのイタリアンバルに連れて行かれて。そこでも緊張してなかなか言えないんですよ。それで一生が決まると思ったら。そうしたら師匠が『お前、弟子入りに来たんやろ? 桂枝之進って名前を考えているんだけど、どうや?』と言われたんです。それで弟子入りが決まったんです」

小山「すごいですね。もう舞台には上がったんですよね?」

桂「2017年の1月に正式に入門をして、その年の12月に初舞台を踏みました」

小山「演目は何をやったんですか?」

桂「『軽業』と言う上方落語の中で、三味線とか音楽が入る“はめもの”という難しい演目だったんです。大丈夫かな? と思っていたら、案の定、途中で絶句しまして。頭真っ白になったんです。ちょうどはめものが入って、登場人物が喋り始めないといけないところで絶句したんですけど、ごまかしながら、全然ないような振りとかも入れて、何とか最後までやって舞台から降りました。怒られるんじゃないかと思っていたら、師匠はすごく嬉しそうに笑っていたんです。何でだろう? と思っていたら、『あんな、落語家は百篇の稽古よりも一篇のごまかしやで』と言われて」

小山「いい言葉ですね」

桂「何とか初舞台はそれで終えました」
写真 小山「Z世代の落語家ということは、新しい演目や試みをされているんですか?」

桂「落語家は死ぬまで落語家ですから、この先僕が20年、30年とずっと舞台に上がるときに、同世代の人に落語に親しんでもらわないといけないと思って、同世代へのアプローチを意識するようになりました。去年の8月にZ世代の視点で落語を再定義する落語クリエイティブチーム『Z落語』を立ち上げました」

小山「何人いるんですか?」

桂「4人です。メンバーは、デザイナーとカメラマンとエンジニアと落語家で。これまでは5Gを使ったライブ配信型落語会の実証実験、落語の寄席を現代に再現したイベントや、アパレルを作ってみたり、インスタにARフィルターをリリースしたり、いろいろしています」

小山「舞台に上がるときは着物なんですか?」

桂「それはもう、ちゃんと着物です(笑)。普段通りに落語をします。落語に興味を持ってもらう、最初のきっかけになる部分を作っていけたらと思っていて。その先はいつも通りの落語を楽しんでもらえるといいなと思います」

宇賀「せっかくなので、枝之進さんの落語を聞かせていただけないかなと思うのですが」

桂「Z落語で最近仕込んでいる企画がありまして。これが、AIを使って新しい落語を作るプロジェクトなんですけど。AIにたくさん落語の台本を食べさせて、自動生成で新しい落語を作ってしまおうという企画です。チームにエンジニアから届いた、最初の試作の時に出来たものがあるんですけど……でも、意味不明なんですよ! ちょっと聞いていただけると……」

宇賀「ぜひ!」

桂「『ちょ、お前、ちょ、お前、ちょ、お前、ほんまか?』……っていう(笑)」

小山・宇賀「(笑)」

放送では、さらに会話らしくなったAIの落語も披露いただきました。
写真 写真 桂「これでもまだ意味は分からないんですけど……でも落語家も最初は落語できないですから、AIもいまはランダムに言葉を選ぶだけですけど、落語の言葉の並びや構成を因数分解して、プログラムを組んでいけば、徐々に落語家のように成長していくんじゃないかなと思いまして。試作段階から出しています」

宇賀「枝之進さんにとって落語の魅力はどういうところですか?」

桂「300年、400年、変わらない笑いがあるところが魅力かなと思っていまして。いま、300年前の落語を聞いて面白いと感じることは、300年前の人と繋がっていることだと思うんですね。落語を聞くとタイムスリップできるのが魅力かなと思います」

宇賀「確かにそうですね。今年、20歳になるということですけど、どんな落語家になりたいですか?」

桂「持続可能な落語家になりたいですね」

小山「Z世代っぽいですね(笑)」

桂「落語家は引退という言葉がないですから、僕が100歳まで生きるとしたら80年間キャリアがあるわけですよ。それを考えると、同世代に落語の魅力を知ってもらって、一緒に落語の文化を継いでいけたらいいなと思いますね」
写真 宇賀「ちなみに、この番組は手紙がテーマなのですが、普段、書きますか?」

桂「あまり書かないですね」

小山「今回、ある方に向けて手紙を書いてきてくれたそうですね?」

桂「すごく悩んだんですけど、ここは師匠の桂枝三郎に書いてきました」

放送では、師匠に宛てた手紙の朗読をしていただきました。内容はぜひ、radikoでお聞きください。

宇賀「初めて師匠へ手紙を書いてみて、いかがでしたか?」

桂「一からどういう風に書こうかなと構成を考えて、一言ひとことを自分で書いて、それを封筒に入れてポストに入れて……一つひとつの所作に想いを込められるから、僕にとって新しい、新鮮な体験でした。一周回って新しいんじゃないかと思いましたね」

宇賀「ぜひ、同世代にも広めていただきたいですね」
写真 今日の放送を聞いて、桂枝之進さんにお手紙を書きたい、と思った方はぜひ番組にお寄せください。枝之進さんにお渡しさせていただきます。
宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST桂枝之進さん宛】です。

小山「枝之進さんがこれから落語の世界で挑戦したいのはどんなことですか?」

桂「挑戦したいことはたくさんあるんですけど、僕は“温故創新”という言葉を大切にしています。古きをたずね新しきをつくる、で“温故創新”。大阪で桂枝之進として一門の噺を大切にしたり、大きいネタにチャレンジしたり、そういうところを温故だとしたら、Z落語として新しい活動をしていくのが創新の部分だと思っています。そのバランスを偏ることなく、これからも進んでいきたいと思います」

小山「こういう弟子がいたら師匠も頼もしいでしょうね」

落語家の桂枝之進さんをお迎えしました。ありがとうございました!
写真

#手紙にしよう

外出や遠出が難しい今年の冬。こんな時だからこそ、手紙で元気を伝えるのはいかがでしょうか。ぜひ、「&Post」の中の「#手紙にしよう」をご活用ください。
この寒い時期にも凛々しく花を咲かせるふきのとうと福寿草を描いたポストカードや、先日番組にもご出演いただいた絵馬師永崎ひまるさんの絵馬も更新しています。
番組やSNSでもご紹介していくので、お楽しみに。

#手紙にしよう

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、北海道〈札幌平岸三条郵便局〉駒井恵理沙さんでした!

「少しでもお客さまのお役に立ちたいと思い、日頃からニュースをたくさん見るようにしています。以前、高齢のお客さまが、例えばスーパーのレジなど会計の際に、頭の中でパッと計算をして小銭を出すのがなかなか大変で、小銭入れがいっぱいになってしまうというニュースを見た後は、当郵便局では、窓口でお客さまがお金を出される際に、なるべく小銭を出しやすくしてもらえるようにお手伝いしています。 些細なことですが、お客さまのお役に立てるように行動して、最後に『ありがとう』と言っていただけると、良い1日だったなと思います。」
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