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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2024 01.01
日本初の月面着陸で活躍が期待される小型ロボット「LEV-1」

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

去年9月に打ち上げられていた小型月面探査機「SLIM(スリム)」が、いよいよ今月20日未明に日本初となる月面着陸に挑戦します。日本が成功すれば5カ国目に。
さらに先日、アメリカが進める有人の月面探査「アルテミス計画」で、日本人の宇宙飛行士が月面での活動に参加する方向で調整が進められているというニュースも話題になっていました。

人類の新たな生活圏や経済圏や宇宙基地、さらには将来的な火星移住を見据えた拠点として、各国の月での覇権争いが始まっていますが、今回の日本の探査機「SLIM」プロジェクトで注目されているのが月面を跳ねて移動する小型ロボット「LEV-1」です。
そこで今回は、月面での活躍が期待される「LEV-1」について、JAXA宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授・大槻真嗣さんにお話を伺いました。

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まずは、LEV-1に課せられたミッションについてお聞きください。

「LEV-1の主要ミッションは主に、工学実証とSLIMの着陸ミッションのデータの補強を役割として持っています。工学実証では、地球と月との直接通信の機能を持たせています。また、小型ロボに適した跳躍移動、ぴょんぴょん跳ねながら移動するという機能を持っています。また、このロボットは基本的には全自律となっていまして、地上からのコマンドを必要とせず、自動で月面の探査をするという機能を持っています。この辺りの工学実証を今回行うことを1つの目的としています。
もう1つが、降りた周辺というのがSLIMの本体と同じ地域ですので、例えば、写真だったり、降りた時の加速度データだったりですね、そういったものを記録して、SLIMのミッションというのはどういう所で行われたかということをLEVがデータとして補強するという役割を持っています。この2つが主にミッションとなります」

さらに、LEV-1の特長、月面を跳ねて移動する理由について伺いました。

「ロボットが小さくなるにつれて、徐々に月というものが相対的に大きくなってしまいますので、移動の際に障害物になる石だったり、砂地だったり、そういったものがだんだん大きな障害になってくるんですね、小型ロボットになるにつれ。結果として、小型ロボットが移動するには非常に厳しい環境になるので、そういったところで従来の車輪型のロボット、地上の自動車などをイメージしてもらえれば分かるかと思いますが、ああいった車輪型ロボットですと、やはり目の前に障害物があると、そこで終わりとなってしまうのですが、LEVは跳躍機能を持ちます。重力が地球より、月ですと6分の1になりますので、単純に地球で50cm跳べれば、月では3m跳べるという形で、重力が低いことがある意味、小型ロボットに対してメリットになりますので、跳躍という新しい移動方式を採用することによって、今後より広い範囲を小型ロボットでも探査できるようになると考えていて今回、跳躍機能というのを搭載しています」

最後に、大槻さんに月面着陸成功の可能性とLEV-1にかける期待について伺いました。

「現在、軌道上に上がっている状況ですが、打ち上げに対して耐えて、軌道上で今の所正常に動いているということが確認できています。今の段階では、月面でもこのまま正常に活動できるだろうと思っています。また、その他、環境試験という形で、真空試験や月面での活動の試験、そういったことをずっとやってきていますので、我々としてはよほど想定外ではない限りは正常に月面で活動できるというふうに考えております。
今回このLEV-1は、約2キロの非常に軽量なロボットになるのですが、電源、ヒーター、温度計がついているだけの非常にシンプルなインターフェースで搭載することができていますので、今後、他の研究者方もこういった形で探査機にロボットを載せられるということがわかると、探査への参加というのが、より敷居が下がって、いろんな方が参加してくれるかなという期待が1つあります。
あと、アマチュア無線化向けにUHF帯の電波を出していますので、そういった形で、普段宇宙と関わりのない方、地上でアマチュア無線の交信している方なども、月から電波吹くとなったら、受信してもらってどういった電波が来たということをぜひ見て楽しんでいただければと思っています。
また、このLEV-1、要素技術としては多くの中小企業さんにも参加いただいています。ですので、そういった方達に対しても、このロボットが活躍することによって、頻度高く探索ができるようになっていくということを期待しています」  
   
大槻さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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