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そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
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日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 07.31
クボタが進める農機の自動運転化

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

今日取り上げるのは、農業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)です。みなさん、ご存知のとおり、農業人口の減少がここ数年、大きな社会課題となっています。
そういった人手不足、高齢化の解決、省人化にむけて農機の自動運転に力を入れているのが、農機大手のクボタなんです。

先日、コメや麦を無人で収穫する世界初の自動運転コンバインを来年1月から国内で発売すると発表。今年2023年を自動運転の普及「元年」と位置付けています。
そこで今回は株式会社クボタ 農機国内営業部 製品企画課 課長の藤原一雄さんにお話を伺いました。

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まずは、農機の自動運転の現状について伺いました。

「自動運転の農業機械というのは、ロボット農機と言われたりするんですけれど、農水省の方でロボット農機のガイドライン、自動化レベルというものを定めていまして、レベル0からレベル3まで定義しています。
レベル0というのは一般的な農業機械で、通常の手動操作で作業する状態で普通の農業機械ですけれど、レベル1というのが、使用者が農業機械に乗った状態でハンドル操作など一部を自動化する状態で、これはもう15年ぐらい前から日本でも普及し始めました。
レベル2というのが、田んぼの近くから使用者が目視で監視しながら、無人の農業機械が自立走行、自動運転する状態のことで、現在はこのレベル2までが実用化、販売されているという状況です。
レベル3になるともう完全自動運転で、無人の農業機械の周りにも誰も人間がいないという状態で、使用者は目視ではなくて遠隔地、例えば自宅であったり事務所であったりから、モニターでこの無人の農業機械を監視しながら作業するということになっています。

現在実用化されているレベル2なんですけれど、トラクターや田植え機、草刈り機、お茶の管理作業車、小型の汎用台車で、そして今年3月に、コンバインも対象になりまして、計6種類の農業機械がこの無人ロボット農機のガイドラインの対象となっています。クボタでは、2017年にロボットトラクターを発売して、2020年にロボット田植え機を発売しまして、 来年1月から、このロボットコンバインを発売ということで予定しています」

さらに、来年1月に発売される世界初の自動運転コンバインについて伺いました。

「コンバインと聞いてもあまりイメージがわかないかもしれませんが、稲刈り機といった方がイメージしやすいかもしれません。田んぼの中でお米や麦を刈り取りしながら、脱穀といって、私たちが食べている稲穂の部分を籾というんですけれど、この稲の先についた籾と葉っぱや茎を分離して、その籾の部分だけをタンクの中に溜めて収穫する機械のことをコンバインといいます。クボタが6月に発表しました「アグリロボコンバイン」は、レベル2の無人コンバインで、GPSなどからの位置情報と、自動運転を制御する部品、そして人や障害物を検知すると自動で止まるセンサーなどを工場で組み付けることで、人が乗らなくても誰でも簡単に、楽に、上手に、安心して、自動で稲や麦を収穫してくれる機械になります。

トラクターや田植え機というのは、基本的には周りに何もない状態で動くのですが、コンバインというのは、目の前に稲や麦といった収穫物がある状態を前に進むということになりますので、トラクターや田植え機と同じような安全装置、レーザーやソナーというものを付けていると、稲を障害物と勘違いして前に進まないというようなこともありまして、コンバインが非常にハードルが高かったという背景はあります」

すでに、クボタでは既存の農機に後付けすることで自動運転を可能にする機器も販売しています。こちらは直進走行を維持するレベル1に対応していて、直進時のハンドル操作を自動化し、熟練者のように走行できるそうです。実際に使っている農家さんからは、こんな声があがっているそうです。

「一般的に農業というと非常に重労働とかきついとかいうイメージがあるかもしれませんが、こういったロボット農機のような最先端の機械を使うことで、農業のイメージが変わったという声をいただきます。 ある農業法人の代表の方は、こういった最先端のロボット農機を導入することで、従業員に夢を与えたいというようなことをおっしゃっておられました。
また、朝から晩まで田植え機を運転すると非常に疲れて、もう家に帰るとぐったりして何もする気が起きないというような話を聞くんですけれど、直進だけでも、このハンドル操作がいらないレベル1の田植え機を使うようになって、帰った後の疲れ方が全然違うので、家に帰って子供と遊ぶ時間が増えたというような声も聞いたことがあります。こういったロボット農機を使うことで、農業やってみたいと思ってもらえるような若い方が増えると、私としても非常に嬉しいですね」

最後に、今後の展開について藤原さんに伺ったところ「海外の畑は、日本よりもはるかに大きい面積なので、この日本で培った技術を海外で応用して、ぜひとも海外展開を今後進めていきたいと考えております」と、お話されていました。

藤原さん、貴重なお話、ありがとうございました。 

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