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キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
2023 01.30
旅先で装着する歩行支援ロボット「WALK―MATE」

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

昨今、深刻な人出不足の影響もあって、工場はもちろん、建設現場や飲食店、病院など、様々な現場でロボットの導入が進んでいます。そうしたなか、今回は健康に歩き続けられる新たな旅スタイルをめざして、ANAホールディングス東京工業大学が実用化に向けた取り組みを進めている、旅先で装着する歩行支援ロボットについてご紹介しました。

お話を伺ったのは、東京工業大学 情報理工学院の三宅美博教授と株式会社ANA総合研究所の主席研究員、森孝司さんです。

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まずは、三宅教授の研究室で開発された歩行支援ロボット「WALK―MATE」(ウォークメイト)とは、どんなロボットなのか三宅先生に伺いました。

「これまで普通の意味での歩行支援ロボットというのは、力を助けてあげるパワーアシスト型と呼ばれているものでした。それに対して、このウォークメイトというロボットは、リズムをアシストするという新しい考え方でできているロボットになります。リズムを扱うことによって、ロボットと人間の間に“間が合う”状態というものが実現できるようになります。それによって、歩行自体が安定化する、つまり歩きやすくなるんです。ロボットというとどうしても機械的に思いますが、間が合うと、あたかも人間であるかのように一体感を感じて、安心して歩けるという効果が生まれています」

このウォークメイト、装着することで歩行が楽になるだけなく、装着後の歩行動作を改善させる効果もあって、医療機関のリハビリなどでは、すでに実用化されているんだそうです。そんなロボットの研究開発をANAホールディングスがなぜ一緒に行っているのか、そこには、こんな思いがあるそうです。

ANAグループで地域創生を担当している森さんに伺いました。

「旅行需要については戻ってはきているんですけれども、長い将来を見た時に、日本はどんどん高齢化しているわけで、高齢者の方々が健康に歩いていただく期間が長くなれば、その分、旅行にも行っていただける方が増えるのではないかと。つまり、高齢者の旅行需要が今後向上していく余地があるのではないかと考えました。今回の三宅先生の研究は、まさに高齢者の方々、多くの方々はある年齢になると、歩行がおぼつかなくなるわけですけれども、このリズムを整えるロボットによって、自らの足でしっかりと歩くことができるというものでしたので、これは私どもが考えておりますこれからの長期的な需要を維持していくことに、少しでも役に立つのではないかと考えた次第です。
さらにそういった中で、高齢者も含めてですけれども、健康寿命を伸ばすということも、重要な要素だと考えておりまして、それによって旅行需要もそうですけれども、地域に多くの方々が交流していただくということがこれからどんどん進んでくると、私どもの本業でもあります地域創生にも寄与できるのではないか、と考えた次第でございます」

具体的な取り組みとしては、おととしには香川県のお遍路巡り、去年10月には和歌山県の高野山で装着して歩く実証実験を行っています。その実験に参加した方々の反応、今後の展開について森さんは、このようにお話しされています。

「今回のモニター実験を2回ほどやった中で、やはりシニアの方々が大変高揚感を感じて、外から見ていても、子どもさんのようにキャピキャピ楽しんでいただけていたと感じました。やはり、新しい技術に触れるということは、シニアの方にも新たな刺激になるのかなと思いました。そういった部分が、シニアの皆さんの幸福感にもつながっていくのかなと思います。ですので、単なるロボットではなくて、そこから色々なモチベーション、安心感、そういったものも含めて高齢になられた時に幸福感を感じるウェルビーイングな生活に繋がっていけばいいなと感じました」

三宅先生も、「僕らが提案している技術が、医療の現場ではそこそこ広まったのですが、それを超えて、もっと社会の中に広がる可能性みたいなものをとても感じました。今後はそれを超えた領域、健康なシニアの方々に対して、こういうサービスが展開していけるとしたら、ロボットの技術というものがもっともっと日常生活の中まで広がっていける、そういう大きな夢のようなものを感じています」と、話されていました。
 
三宅さん、森さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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