三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2025.11.25

中小企業をその先へ

株式会社NYC代表取締役社長
中塚庸仁さん
中小企業の事業承継と経営支援


ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週のゲストは、NYC株式会社 代表取締役社長の中塚庸仁さんです。中塚庸仁さんは、1988年生まれで広島県のご出身。これまでIT企業や経営アドバイザリー会社などで経理やベンチャー投資、M&A戦略などに従事。そして、2022年にNYCを創業されています。
今週は主な事業内容をうかがいます。まずNYCのメイン事業を一言で言うと、どういったものでしょうか?

「全国の中小企業の事業承継問題の解決と成長支援を行う投資会社になります。」

日本は中小企業がすごくたくさんある中で、事業承継問題というのは、例えば会社の社長の年齢が高くなりすぎて後継ぎがいないといった問題ですよね。
こちらは全国の企業が対象なんでしょうか?

「そうですね。日本にはいろいろな業種があるかと思うんですが、北海道から沖縄まで全国各地の企業の全業種が対象になっています。」

中小企業の事業継承が課題だと感じた理由は何だったんでしょうか?

「日本はご存じのように昭和に高度経済成長期で経済的に伸び、加えて、ベビーブームで人口も増えました。しかし、今はその時にできた企業のオーナー・社長もで、もう70、80と高齢化していて、日本の問題として事業承継問題が挙がっています。」

具体的な数字について教えてください。

「日本は企業の数で言いますと約400万社ほどありまして、その99%が中小企業なんですよね。そんな中で、先ほどもあったように後継者がいないという理由で、黒字であるのにも関わらず廃業した企業が2024年でおよそ7万件もありました。具体的には60歳以上の中小企業の経営者に自分の後継者がいるかと聞いたら、半分以上がいないと答えたというデータにあります。」

黒字廃業がそんなにあるなんて。もったいないですね。
後継者不足、高齢化に悩む中小企業がたくさんあるということがよくわかったんですが、中小企業に対して、NYC さんは具体的にどんなことをしているんでしょうか。

「我々NYCは、売上1億円から50億円の中小企業さんを対象として、自分たちの自己資金で実際にM&Aをおこない、会社を譲り受けて経営支援をしています。 具体的な支援内容として、まず後継の社長探し。他社との違いで言いますと、後継社長を集めた勉強会であったり、AI の導入だったり、ブランディングまで本当に様々なことを行っております。」

現在の社長はそこで完全に手放すというわけではなく、接点は保てるんでしょうか?

「そこは顧問や、会長になっていただいて、ちょっとずつバトンタッチをしていくイメージになります。」

会社を引き継ぐ社長さんは、それこそその会社に適した人材を見つける必要があると思うんですが、どこで見つけてくるんでしょうか?

「プロフェッショナルのヘッドハンティングエージェントがおり、そこを通じて我々が選定させていただいています。」

日本にはこんなに会社があるのに、ヘッドハンティングの人たちはどうやってその会社の中でも「この人が優秀だ」というのを外部から見つけてくるんですか?

「ニッチな業界であればあるほど、界隈の有名人は業界でも有名なので情報は回っているんですね。」

後継者がいらっしゃらない社長さんは60代以上と高齢だと思うんですけれども、会社を引き継ぐ方は何歳ぐらいの方が多いんですか?

「大体は40代、50代の方が多いですね。」

新しい社長さんも、それ相応の見返りがないと、やっぱり自分の会社の中ですでに優秀なポジションにいるのに、「うちの会社に来てくれ」なんて言われてもなかなか行かないんじゃないかなと思うんですが、その辺はいかがですか。

「二つありまして、一つが、年収的、経済的なメリットとして、我々の一部株をお渡しさせていただいて、一緒にストックオプションの形で頑張っていただくというのが一つ。もう一つは、弊社の投資先は地方が多いということもあり、その方も実家が地方だったら地方に戻りたいという気持ちがあったりして、そこが合致して自分の地元に社長として戻れるという場合があって、親の面倒も見られる、地元にも貢献できるというメリットもあります。」

確かに!これはいいポイントをつきましたね。
他に懸念される問題として、これまで黒字で調子が良くて、問題は後継者がいないことだったけれども、昨今のAI の台頭で、もしかしたら将来会社の価値が下がってしまう、今までの価値を維持できない会社ってたくさん出てきてしまうのかなとも思うんですが、そんな時はどうされるんでしょうか?

「おっしゃる通り、最近ですとAIの登場で、最近も「Nano Banana」なんかがいろいろ話題になっていましたけれども、その点に関しましては、私も今37歳だったり、メンバーの平均年齢も32歳だったりと、世の中のトレンドは常に追っておりまして、そういった変化がありそうであれば、むしろいち早く AI を導入するような取り組みなどおこなって生き残りを図ろうとしています。」

すごいなと思うのが、ヘッドハンティングもそうですが、どうしてもいろいろな面でお金がかかるじゃないですか。 特に会社をどこかの会社が買収する場合って多くのお金が動くと思うんですけど、その辺りのお金に関しては先ほど自己資金でやっているとお聞きしました。そこのお金はどのように捻出するんですか?

「地方の金融機関さんなどから資金調達をさせていただいています。」

資金調達のスキルもあるんですね。資金調達がなかなかうまくいかなくて買収に至らないというケースも聞いたことあるので、逆に言うとNYCさんはもうプロ集団がいるわけですね。
実際のところ、調子がいい会社ばかりではないと思うんです。黒字ではあるけど、ギリギリ黒字という会社ももちろんあると思うんですよ。そういう時はどうされるんですか?

「うまくいっているところ、いってないところがありまして、いってないところにつきましては、さらに我々が経営のサポートを手厚くしますし、あとは場合によっては我々の方から追加でお金を出資させていただいて、資金的なサポートすることもあります。」

ただの「社長さんがいません、じゃあ社長紹介しますよ」というマッチングサービスではなくて、出資することもあるんですね。つまり、関わる会社をクライアントとすると、その会社がうまくいく方法をあらゆる角度から考えていくという会社なんですね。
今まで何社ぐらい成立されたんでしょうか?

「今創業して3年半ぐらいなんですけれども、16社になります。」

すごいですね。その16社の企業は、もしかしたらNYCさんと出会わなかったら、今存在していない可能性もあったということですよね。今言われている、人手不足、後継者不足問題を解決してくれる会社があるのはいいなと思いました。
最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えてください。

「先ほど、資金調達が得意とお伝えさせていただいたんですが、そうは言っても、最初の一社目のM&Aは、創業して3ヶ月、4ヶ月目ぐらいでM&Aをしようとして、その際の資金調達はとても苦労した記憶はあります。」

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