三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ 鈴村健一 ハードキャッスル エリザベス20代〜30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2020.07.28

煩わしい人事労務作業から解放するソリューション

株式会社SmartHR代表取締役・CEO
宮田昇始
より人間がやったほうが価値が高い業務に集中してもらえたら


今週のゲストは、株式会社SmartHR代表取締役・CEOの宮田昇始さんです。
宮田さんはIT企業で働いていた時、
10万人に1人と言われる難病「ハント症候群」を発症。
完治する見込みは20パーセントと宣告を受けますがリハビリに専念し完治。
そして、2013年に前身のKUFU(クフ)という会社を創業。
2015年にクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を公開。利用企業は2万社以上です。

まずはSmartHRの主な事業を教えて下さい。

「「SmartHR」という名前の人事向けのクラウドサービスを開発しております。
 例えば会社が新入社員を採用する時に
 入社手続きのようなことをやるのですが、
 社会保障の手続きを従業員の代わりに会社がやって
 健康保険証を発行してもらって従業員さんに届けるとか
 大事な手続きがたくさん必要なのですが 
 いまだに大量の書類を手書きで書いて判子を押して
 役所に行って行列に並んで手続きをするような状態です。
 「SmartHR」を使っていただくとスマホやPCから簡単に手続きができる
 というサービスを提供しております。」

事務作業は長い間人力でやらなければいけなかったですよね、
書類を書きながら何枚書くの?手続きに行ってどれくらい待つの?と。
それが簡単にできるようになるということですね。

「申し上げた入社手続き以外にも、雇用契約をオンラインで結べたり
給料明細の発行が出来たり、もうすぐ始まる年末調整も
みなさんのスマホから簡単にアンケートに答えていくだけで簡単にできちゃうとか
そういう色んな機能を備えています。」

こうすることで紙も減らせますよね?

「そうですね。大企業さんになると年間何万枚と削減ができたりします。
コロナウイルスの影響でなかなか出社したくないとか
ハンコのために出社せざるを得ないという状況があったりするんですよね。
そんな時にもSmartHRを使っていただくと、出社することなく
自宅から色んな手続きができるということで
非常にいい反響をいただいています。」

このSmartHRのアイデアが生まれるきっかけは何だったんですか?

「会社を作ってから2年間くらいは実はSmartHRはやっていなくて
その時は10個くらい色んな事業アイデアを試しては潰してを
繰り返していたんですね。その中で事業のアイデアと言いますか
世の中の課題を血眼になって探していた時に
たまたま当時妊娠9か月だった妻が、自宅で自分の産休手続きをやっている
ところを目にしまして、こういう事務作業って昔からあるけれども
それを便利にするようなソリューションは見たことがないと思い
調べてみたというのがきっかけですね。」

実体験に基づいているからこそ我々の生活に近い所での業務になっていて
ものすごく分かりやすいんですよね。
実際にソフトを作るうえでニーズはどうやって調べたんですか?

「当時2名でやっていたんですが、僕たちはこの分野にあまり詳しくなかったんですよ。
こういうサービスを作ったらウケるんじゃないかというWebページをまず作って
事前登録者募集という形で少しだけ広告をかけたんですね。
そうしたら一週間で100件を超える応募がありまして
その人たちに"すみません実はまだ何も決まっていないんですけど
何に困っているか教えてもらえませんか?"と連絡をしたら
半分くらいの方が連絡をくださって、その人たちに色々ヒアリングをしながら
製品を作っていったというのが最初の頃ですね。 」

実際に運営してみてこれが足りない、これを削りたいというのが出てくる。
やらないと分からない。それに応えて作られたというのが素晴らしい。
ヒアリングしていくうちにやるべきことは固まっていったんですか?

「最初はもう少し広い範囲で色々やろうと思っていたんですよね。
近い所だと給与計算とか勤怠とか
聞いてみるとそういったものはすでにソフトウェアが存在したり
アウトソーシングを展開している会社があったりするんですけど
この分野だけは本当に何もなくていまだに
紙、判子、役所に並ぶだったので
ここを掘り下げていったらより強いニーズに刺さるだろうなと
いうところでやっていきました。」

会社の規模が大きいところはこのサービスで劇的に変わるはずですが
中小企業も活用できるものですか?

「そもそも小さい会社さんのほうが多いので、中小企業さんのほうが数としては多いです。
ちなみに30名未満の会社さんはサポートがなければ
無料で使えるようにしていまして、この手の作業を煩わしいなと
感じている会社さんはまずお試しいただけたらなと思っています。
もともと社会保険手続きの煩わしさを感じてやり始めたのですが
とはいえ中小企業だとこういう作業はめんどくさがられて後回しに
されてしまったり、不備があったりがあると思うんですよね。
なかなかコストに関してはシビアなので、であればコストをケチって
ないがしろにされるよりは、無料でも使っていただいて
大きくなった時に利用料を頂ければと思い
昨年30名まで無料にしたという経緯があります。」

ご病気されたことも影響されているとか?

「「ハント症候群」という聴いたこともない病気だと思うのですが
三半規管に水ぼうそうができてしまう病気で
三半規管を通る神経が傷つけられてしまい、耳は聞こえない、味覚もなくなる、
顔面も麻痺する、最終的に歩くことも出来なくなり車いすになってしまった
時期がありまして、当然そんな状況だと働けないんですよね。
数か月間働けなかったんですが、社会保険制度のおかげで
働けない期間の所得を補填してもらえたんですよね。
個人的にはいい制度だと思っていたのですが、
会社の立場になってみるとすごく面倒くさいんですよね。
いい制度だけども手続きが煩雑でよくないなと思ったので
これを変える事ができたらというのがこの事業を始めた
モチベーションの一つでもあります。」

助けてもらったからこそ恩返しのような部分もあるのですね。

「世の中的には給与から天引きされていて何だこれ?というのもあると思うんですけど
そのおかげでいざ自分が危ない身になった時には
本当に助かったなというのがあるので、せめて手続きだけでも便利にできたらな
というのがあります。」

どうやって事務作業を無くすかというのは働く人の課題ですから
デジタルのソリューションが広がってほしいですね。

「言い方は悪いかもしれないですが、手書きの作業はどなたがやっても変わらない作業。
そういうところは機械やソフトウェアに任せてしまって
より人間がやったほうが価値が高い業務に
集中してもらえるようにできたらなと思います。」

自分にしかできないことを探す時間を作れることで社会がよくなる。
影響は計り知れないですね。
最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えて下さい。

「SmartHRを出してからは比較的順調に伸びている会社ではあるんですが
その前はかなり苦しくて2年間には10個くらい
色んな事業アイデアを試してはやめてを続けていました。
その間のお金というのはほかの会社さんから仕事をもらって
Webサイトを作ったりスマホアプリを作ったりして
ギリギリ食い繋ぐみたいな生活だったんですが
会社の口座の残高が10万円を切り、個人の残高が10万円を切り
来月娘が生まれるという時もあったりしたんです。
その中で2年間諦めたい瞬間も何度かあったりしたんですけど
何とかあきらめずに来れたおかげで今があるなと思っています。
諦めないことの重要性を学ぶことができたなと思っています。」

宮田さんありがとうございました。来週もよろしくお願いします。
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