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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

19.04.09

「netgeekへの裁判」について

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!


今日、お話を伺うのは『BuzzFeed Japan』創刊編集長の古田大輔さんです。
古田さんが注目したネットの話題はこちら!


「ネットリンチで広告費を稼いでいるnetgeekへの裁判がついに始まる」

このニュースのあらましは…


事実を曲げて人を罵倒する記事で名誉を毀損されたなどとして、ブロガーや大学教授、会社員ら5人が昨日、インターネットメディア「netgeek」の運営者を東京地裁に提訴しました。

鈴村:提訴されたネットメディア「netgeek」については、BuzzFeedもこれまでずっと追いかけていたそうですね?僕は名前を知っている程度なんですよ。


古田さん:netgeekはFacebookやTwitterなどでよくシェアされていて、テレビ局や新聞社の記事よりも拡散しているんです。


鈴村:それだけ拡散するということは発信力があるわけですけど、何が問題なんですか?


古田さん:発信力が強いことが悪いわけではなく、問題はその拡散されている記事の内容なんです。
人の発言の言葉尻をとらえて、この人は、“頭がおかしい”とか、“モンスタークレーマーだ!”とか一方的に批判する言葉を並べ立てて、ネットの人たちを焚き付け、いわゆる炎上状態を起こして、ビューを稼いでいるというメディアなんです。
世の中に対して怒っている人は多いので、人の怒りを掻き立てる記事はシェアされやすいんですよ。それでビューを稼ぐことによってネット広告で収入を稼ぐというビジネスモデルが問題視されています。


鈴村:炎上させ、そのうえで広告費を稼いでいるということが問題になっているわけですね。
netgeekは運営者や記事の執筆者に関しては公開されていないということなんですが。


古田さん:そうです。普通、メディアであれば運営している会社の名前書きますよね、記事に名前が出てくる、そして、問い合わせ窓口があるというのが一般的なメディアだと思うんですけど、netgeekというメディアの名前は出ているけども、実は、他は何も書いていないんですよ。だから、書かれた人が、ここはおかしいとか、これは間違っているとか、問い合わせしようにも問い合わせすらできない状況で、だから、これまで裁判もなかった。


鈴村:そういうことが出来るという事は、法規制がないということなんですか?


古田さん:そういう法律がないんですよね。表現の自由というのがあるじゃないですか、表現の自由というのは、あくまでもお互いに意見を出し合って、より良い社会を築いていこうという前提のもとに成り立っているものなんですね。それが全くなく、一方的なものになっているところが問題視されています。


鈴村:原告側の訴えの内容というのは?


古田さん:先ほどもお伝えしたように、頭がおかしいとかインチキとかモンスターとか一方的に批判し侮辱していると、しかも、それが事実を提示しているわけではなくて、間違っている内容であったり、公共性や公益性も無いもので人を批判しているというところが、名誉毀損にあたると訴えられています。


鈴村:悪いことを書いて炎上させ、それで広告費を稼ぐというのはいかがなものかと思います。


古田さん:原告の一人が、ネットで人をリンチして、それをみんなに見物させてお金を儲ける、そんなビジネスモデルがあっていいのかと言っています。


鈴村:本当にそうですよね。これって、そのあたりも争点になってくるということなんですか?


古田さん:争点としては、これが本当に名誉毀損にあたるのかというところですね。名誉毀損の裁判になったりすると、記事を出したメディア側が、これは公益性も公共性もある記事で、これは事実を提示しているんだから、例え相手の名誉を毀損するものでも、それが法的に問題を問われるものにはならないと主張します。例えば、政治家の批判をするときに、それが事実の提示で、しかも、政治家に関する公益性、公共性もある記事であれば、相手が名誉を毀損されたといっても、でも、これは法律違反ではないですよという判定になるんですよね。そのあたりが論点になると思います。






鈴村さんが、最近よく見聞きするようになった“フェイクニュース”という言葉の正確な定義を知りたいと古田さんに質問。
実は正確な定義というのはなく、よく誤解されているのが、誤報など間違った報道をフェイクニュースと捉えられていて、メディアも人なので間違えることもあり、それは誤報。フェイクニュースは最初からニュースでも無いものをニュースと名乗って流しているようなものというのが一般的な定義と古田さんが教えてくださいました。
最後に鈴村さんは、僕らも、ネットに対する情報のリテラシーをどんどん深めていかないと本当に大変なことになっていくんだなということがわかりましたとコメントしていました。






そして、今日の #スズコメ はこちら。





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