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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

19.08.20

デモが続く香港を現地取材!

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、『BuzzFeed Japan』シニアフェローの古田大輔さんです。
今回は古田さんにデモが続く香港の現地取材をレポートしていただきます!


「デモが続く香港について」

鈴村:古田さんは統制が取れているデモに参加してたということなんですけど、逆に観光みたいなのも楽しめたんですか?タピオカ飲んだりとか。


古田さん:僕自身は観光を楽しむ時間は全然なかったんですけど、面白かったのではですね、朝に今日、最大級のデモがあるということで街の様子を見に行ったら、団体観光客がいて、話を聞いたらタイ人だったんですね、僕はちょっとタイ語がわかるので、あっタイ人の人だ!と思ったら、もう、キャッキャ、キャッキャ騒いでいるんですね。今日、大きいデモあるんだよ〜と思ったけど、デモをやっているところはやっぱり人が集まって、なかなか観光という雰囲気ではなくなるんですけど、それ以外のところは全然普通なんですよね。今回のデモでいうと、香港島でやっていて、九龍半島の方では全然、もう普通にみんな生活していますし、観光もできるし、でも、やっぱり、観光客は若干減っているので、ホテルとかは安くなっていますね。


鈴村:逆にね!タイの人たちもそういう意味では、安くなっている!イェ〜イ!!みたいなのがあったかもしれないですね(笑)。狙ってきたかはわかりませんけどね。
そんな中、デモの参加者の方にはインタビューなどはしたんですか?


古田さん:なんでデモに参加しているのか?とかを聞きたいなと思って、香港人の友人の記者に通訳をお願いしましてですね、実は香港と言っても、そんなに英語が得意じゃない人が多いんですよね、広東語とかがメインなので。なので通訳してもらいながら、なんでデモに参加しているんですか?とか、今、取り締まりが厳しくなってきているから、怖くないですか?とか、いろんな話を聞いていたんですけど、みんな言っていたのが、“もちろん、怖い”と。今、デモに参加している人たちは五大要求というのを出しているんですよね。1つは有名になった逃亡犯条例といって、事件の容疑者を中国に移送していいかどうかという、それはみんな中国に移送されるのは怖いと…。冤罪でなんでもやられるんじゃなかということで怖がっていて、それを完全に廃案にしてくれということとか。あとは、警察の厳しい取り締まり。これは、本当に無茶苦茶な取り締まりがあったから、あれはちゃんと調査してくれと。これは一体、誰が命じたのかとか。そういうことを五つ要求があるんですけど、そういうのにきちんと答えて欲しいと。そういうのに答えないままだったら、香港の民主主義、香港の人権とか自由というものがなくなってしまうのではないかと。つまり、中国化してしまうのではないかと、みんなすごく恐怖感を持っているんですよね。だから、自分たちの要求がどこまで通るかわからないけれども、香港人としての意思を示したいとみんな言っていましたね。


鈴村:なるほど!5年くらい前ですかね、雨傘運動というのがありましたよね。あれは学生運動としてあったじゃないですか、今回は雰囲気はちょっと違うんですか?


古田さん:違いますね。雨傘運動との違いはなに?とか、雨傘運動に参加してた?とかも聞いたんですけど、“いや、雨傘運動には参加していなかった”という人が結構多いんですよね。雨傘運動はあくまでも、若い人たちがメインになっている運動だったんですけれども、今回は、本当に年齢層は幅広い。そして、興味深いなと思うのが、いろんな職能団体、例えば、僕が取材したデモの一つは教職員組合で、先生たちがデモをしているんですよね。取り締まりの現場とかで自分たちの生徒が取り締まられるのを見ていて、自分たちが“次世代を守らないと!生徒たちを守らないと!!”というふうにデモをしていたり、そういうふうに社会全体の運動に広がっているなと感じました。


鈴村:そういった大きな動きになっていっているんですね。雨傘運動は、ちょっと失敗みたいなところがあったことを受けて、今回は、よりそれが強く、そうはいかんぞ!というところが出ているのかと思うんですけど。


古田さん:その通りですね。雨傘運動で結局何も変わらなかったっていうふうなのが香港の人たちは思っているんですよね。だから、あの時とは違うやり方をしようというふうになっていて、例えば、雨傘運動の時とは違って、ずっと道路を占拠するのではなく毎週末するとか、誰か強烈なリーダーがいるのではなく、インターネットを通じて緩やかに情報を共有してやっていくみたいなアメーバ状の団体でやるとか。


鈴村:ものすごく理性的にやっているということなんですね。


古田さん:本当にすごい頭が良いな!って感じですね。


鈴村:そこまでどうやって統制を取ってるんでしょうかね?


古田さん:本当にインターネットの力ってすごくて、インターネット上のいろんなフォーラムであるとか、あとはテレグラムという暗号化された情報の共有システムとかを使ってですね。やっぱり、誰がリーダーとか、政府当局からトラッキングされるのを恐れて、暗号ツールを使って皆で情報共有していますね。


鈴村:今回現地に行ってみて、総括というか、感じたことをまとめて言うとどんなところでしょうか?


古田さん:東南アジアとか中東とか世界中でいろんなデモを取材してきたんですけども、デモって民主主義のすごく重要な機能の一つだと思うんですよね。選挙で選んでおしまいではないですよね。選挙で選ばれた人が間違っていると思ったら、自分たちの思いを直接ぶつける場としてのデモってすごく重要だと思うんですよ。そういうところに人が安心して参加して、自分たちの思いをぶつけるという場っていうのが、日本とかにも必要なんじゃないかなと思いました。


そして、今日の #スズコメ はこちら。





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