20.10.06
日本学術会議の任命拒否について
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日、お話を伺うのは、ジャーナリストでメディアコラボ代表の古田大輔さんです。
古田さんが取り上げていただく話題はこちら!
『日本学術会議の任命拒否について』
日本学術会議は3日、会員の候補として推薦した人のうち6人を菅総理大臣が任命しなかったことを受け、理由の説明と6人の任命を求める要望書を総理大臣に宛てて提出しました。
一方、菅総理大臣は昨日、内閣記者会のインタビューに対し、「推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか考えてきた」と述べ、自らが主体的に任命除外に関わったことを示唆しました。ただ、6人を除外したそれぞれの理由については具体的に語りませんでした。
鈴村:日本学術会議法では、会議の推薦に基づき、総理大臣が会員を任命すると規定。
政府は1983年の国会答弁で「実質的に総理大臣が任命を左右することは考えていない」と明言しています。昨日のインタビューで菅総理は学術会議について「政府の機関であり、年間およそ10億円の予算を使って活動している。任命される会員は公務員の立場になる」と強調。学術会議が推薦者を政府に示すいまの仕組みを「事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも可能」との見方を示した上で、「任命する責任は首相にある」と述べているわけです。
改めて、『日本学術会議』、これはどういうな組織なんでしょうか?
古田さん:僕は今、ファクトチェックイニシアティブという組織で活動していて、ネット上で間違った情報が流れていないかチェックしているんですよね。この数日間は、日本学術会議に関するデマが飛びまくりでですね、すごいことになっているんですけれども、基礎的なことからおさえるとですね、1949年に設立され、人文・社会科学、生命科学、理学・工学の三部制なんですね。この三部門において、“この人が代表的な人ですよね”という科学者を選んで、210人の会員がいます。この日本学術会議は、総理が所轄しているんですけれども、独立機関として、例えば、政府に学術的なものの予算とかに関して、こうした方が良いんじゃないですか?というふうに提言をするような組織ですね。
鈴村:ちなみにそのデマっていうのは、どういうのが流れているんですか?
古田さん:例えばですね、あそこは共産系に牛耳られているから改革をしないといけないんだ!とかですね、多額の年金をもらっている既得権益層なんだ!とかですね、これは、一体どこから出てくるんでしょうか…?みたいなデマがたくさんありますね。
鈴村:ん~なるほどね…。
今回の任命の話なんですけど、これは、どこが問題なんでしょうか?
古田さん:今回、問題視されたのはですね、菅首相は、「任命する責任は首相にある」と言っていますけども、これがどういうふうになっているかというと、『日本学術会議法』というちゃんとした法律でですね、“会議側から推薦したものに基づいて首相が任命する”というふうに決められているんですね。この制度が導入されたのが1983年なんですけれども、それ以降、首相が任命を拒んだことはない。なので、そういった前例を初めて今回踏襲しなかったんですよね。菅首相は、「年間約10億円の予算を使っている組織なので前例踏襲でずっとやっていいの?」というふうに逆に問題提起をしています。ただ、なぜ、会議側からの推薦制に基づいて首相が任命するとしているのか?過去にも、中曽根首相の時代にですね、これが問題視されたときにですね、「私たちは推薦されたらそれを受けます」と、「拒否することはありません」という国会答弁もあるんですよね。なぜ、その前例を変えたのか?ということに関して説明がないところが非常に大きく問題視されています。
鈴村:そうですね、なぜ、説明がないんですかね?
古田さん:菅首相は昨日、インタビューに答えているんですけれども、「個別の人事に関してはコメントしない。けれども、総合的、俯瞰的に判断している」というふうに答えているんですよね。これは、“何か言っているようで言っていない”のと一緒なんですよね。総合的、俯瞰的に判断しました。ってつまりなんなんですか?と…。結局、わからないじゃないですか、何を考えたんですか?と。
今回任命を拒否された6人というのは、松宮さん、小沢さん、岡田さん、宇野さん、加藤さん、芦名さんというですね、刑事法学とか、歴史学とか、憲法学、政治学、キリスト教学の分野でそれぞれ名のある方です。僕も本を読んだ方もいらっしゃるんですけど、例えば、宇野さんだと『保守主義とは何か』という本とかですね、加藤さんだと『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』という双方ともにすごく評判が高くてですね、たくさん売れた本ですし、読んだ方もたくさんいらっしゃるんじゃないのかなと思うんですけれども、こういった方々を任命拒否する理由はなんなのかと。この6人に共通するのはですね、安倍政権下において、例えば、共謀罪とかですね、安保法制とかに関して、国会で反対意見を述べたりしている人たちなんですよね。だから、“結局そういうことで任命拒否したんですか?”とみんな疑ってしまう。
鈴村:そういうふうに思われてしまうのも、もったいないですよね。任命拒否の説明をしてほしかったですね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 6, 2020
今朝は【日本学術会議の任命拒否】について
「前例を踏襲しないやり方を」という総理の言葉がありましたが、学術会議の会員の推薦を丸々受け入れてきた歴史を変えたという話です。行動としては成程というところもあるんですが誰を何故外したのかが
#スズコメ ② #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 6, 2020
繋がっていないといけないと感じました。安保法制に対して国会で反対意見を述べていた等、今後自分の意志に反する人の排除に見えてしまうところが問題視されている。これが事実なのかちゃんと伝えてほしい。納得できれば前例を壊していく政権というプラスに繋がる可能性もある。
#スズコメ ③ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 6, 2020
言葉が足りなかったのではと感じます。これからも言葉が足りずに別の意味をもたらす事態にならなければいいなと思ったお話でした。