20.10.07
今日、回答期限を迎える『国勢調査』
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんがピックアップした話題はこちら!
【今日、回答期限を迎える、『国勢調査』】
エリザベス:5年に1度、日本に住む全ての人を対象に行われる国勢調査。「日本で最も重要な統計調査」と位置づけられ、今年、100年目という節目を迎えました。
今日が回答期限なのですが、回答率は伸び悩んでいまして、一昨日の時点でインターネットの回答率は33.2%、郵送の回答率は15.5%。合わせて48.7%で、回答期限の直前という時期にもかかわらず、50%に届いていません。
鈴村:ん~50%いっていないんですね。僕はネットでやりましたけど、簡単ですね。ネットでやるとすごく楽でした。
今朝は『国勢調査』について、基本的なところから伺っていきます。そもそも、国勢調査とは何なのでしょう?
宇佐美さん:先程もいったように国勢調査が始まったのは1920年でちょうど100年前です。このときのスローガンが“文明国の仲間入り”。漏れては国民の恥ということで、日本も文明国になって、ちゃんと日本人全部を把握しろと。そのために調査しようという、統計を作るためだけの専門の調査として初めて行われた、いわゆる、近代的統計調査として日本初のものだったんですよね。それまでは、戸籍とか死亡届とか行政資料から人口を推計していたんですけど、そうすると、実際の人口とは離れてしまうことが結構あったので、正確な人口構造というものを明らかにするために専門調査として国勢調査が行われたんですよね。
鈴村:日本での統計調査の本当の幕開けだったわけですね。国勢調査は、具体的にはどのようなことを調査するのでしょうか?
宇佐美さん:世帯人数、就業状態という、当たり前な基本的な事を調べるので、答えるのも楽なので、みなさんもぜひ、お早めに答えて下さい。
鈴村:本当にあっという間に回答は終わる感じですよね。5分くらいでできちゃったかなって感じでした。この調査結果はどのようなことに使われるんですか?
宇佐美さん:調査結果は大きく3つの意味がありまして、まず1つは単純に『統計』としての意味で、日本の人口実態を明らかにするということで、これをもとに、これから日本の人口がどのように変遷していくかということもシミュレーションしたりするわけですね。2つ目は『予算への反映』です。この国勢調査で得られた情報をもとに国から各都道府県に地方交付税という、地方自治体の予算だったり、子育て、高齢者対策だったり、道路・都市などのインフラ整備などの予算が配分されるので、ここがゆがむと全部ゆがんでしまうわけですね。3つ目は、これが結構わかりにくいんですけど、大事なのが『標本調査の母集団』といわれているもので、国勢調査でみなさんのことを一斉に調べるわけですよね。その膨大な名簿からサンプルを抽出して他の調査に使うんですね。労働調査とか国民生活基礎調査といわれている、失業率だったり所得に関する他の重要な調査の名簿を作るんです。僕が経済産業省の一番はじめの部署が『調査統計部』という、統計の部署だったんですけど、職人みたいな、“この道一筋30年!”みたいなオヤジが膨大な名簿の中から、この調査を作るには、「この人たちが良いかな?」みたいなことを、いろいろな方法で選んでサンプル調査ってやるんですね。
鈴村:ほぉ~、なるほど!!
宇佐美さん:だから、まずは全体の名簿がないとサンプルの調査ってできないので、そういう意味でも、この調査がないと全ての統計が崩れてしまうんですね。
鈴村:そういうことなんですね。その職人みたいな人は全体のバランスをみながら、「ここだっ!」っていうところをピックアップするんですか?
宇佐美さん:本当に専門家の世界なので、サンプルを選ぶ方法というのもいろんな方法があるわけですよね。場合によってはそれを開発して、日本初の方法が世界に広まったりするわけなんですよね。僕がびっくりしたのが、産業に関する調査ですけど、自動車に関する調査をするっていったら、自動車が部品から全部できあがるまでをばーっと産業分類で書いていくオヤジがいて、「どうやったらそんな人間ができあがるんだ!?」って思ったんですけど、そんな人たちが裏にいます。それを作るためにも、まずは全体名簿が必要なので、みなさまぜひ、お答え下さいということですね。
鈴村:一昨日の時点での回答率が50%に届いてないんですよね、これは100%に行かないと意味がない気がするんですけど、100%に行かなかったらどうなるんでしょうか?
宇佐美さん:そうですね、最近、未回収率が上がってきているんですけど、この調査は調査員調査といわれているもので、統計調査員の方が未回収の部分に関しては、聞き取りにいったり、周辺調査なんかをして、なんとか回答率100%に近づけていくという方式ですね。
鈴村:ここからは、結構、アナログにやっていくんですね。国勢調査は全数調査というので行われているんですけど、その形式を続けるのは「現実的ではない」という見方もあるんですけど、宇佐見さんはどう思われますか?
宇佐美さん:やっぱり、調査部署にいたものとしては、絶対に全数調査は続けないといけないですね。全数調査がないとサンプルがおかしくなってくるので、ネットで回答を簡単にしたり、場合によっては戸籍とか、出生届、死亡届など他の情報を利用して回答者の負担を軽くすることで、全数調査は続けるべきですね。
鈴村:全数調査が一番正確なわけですもんね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 7, 2020
今朝は【きょう回答期限を迎える、国勢調査】について
回答率が伸び悩んでいるという事で一昨日の時点で50%に届いていないという状況、国勢調査…この全数調査は貴重なデータが取れる大事な事なんです。ただ、国勢調査を知らない方もいると思います。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ② #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 7, 2020
急に書類が届いたときに自分のプライバシーの事を答えなければいけないことに凄くドキッとする人もいるという話もしました。その通りだと思います。
こうやってコメントを出すことで、少しでも広まってほしいなと思いますよね。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ③ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 7, 2020
やっぱり大事な調査ですので、もうやった方は、まわりにやってない方もいるかもしれないので、「やった?」って気軽に話して、みんなで国勢調査をやるということあたり前にしていく流れができるといいなと思いました。