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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.12.22

賛否両論!“普通の生活”にかかる金額

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、BuzzFeed Japan News 副編集長、神庭亮介さんです。
神庭さん取り上げていただく話題はこちら!


『賛否両論!“普通の生活”にかかる金額』


エリザベス:東京地方労働組合評議会が16日、2019年の都内に住む子育て世帯の最低生活費の試算を公表しました。それによりますと、30代夫婦と小学生、幼稚園児の家庭で、年間650万円、教育費が増える50代では、年間960万円が必要だとしています。


鈴村:これはビックリ。めちゃくちゃかかりますね。これは、東京にお住まいじゃない方も気になる話題だと思います。神庭さん、もうちょっと詳しく教えていただけますか?


神庭さん:この試算はですね、夫婦が30代のモデルケースの場合ですけれども、正社員の夫と非正規社員の妻、夫の扶養内にいる奥さんですね。と、公立小学校と私立幼稚園に通う子供が2人がいる、4人家族という設定で、練馬区にある43㎡前後の賃貸マンション、または、アパートに住み、家賃は95000円、1か月の食費は約11万円、1人1食300円と想定して、飲み会費用は3500円で月1回のみ、家族みんなで行楽地に出かけるのは月に1回で、1回の費用がだいたい8000円、教育費は1か月あたり約28000円ということでみている試算になります。


鈴村:なるほど…。


神庭さん:こういったモデルケースから東京で夫婦と子ども2人の4人家族で…、これ鍵括弧付きですよ?鍵括弧つきで「普通の生活」をするには、30代で月額およそ54万円、40代で月額およそ62万円、50代で月額およそ80万円が必要という試算なんですね。この試算に対し、「現実とかけ離れている」、「理想論ではないか?」という指摘もあって、これはですね、東京ではなくて全国のデータなんですけれども、国税庁の平均給与というのを見ると、給与所得者の1人あたりの平均給与は、年461万円。平均年齢は、42.8歳で男女別では、男性が567万円、女性が280万円なので、今回の数字には及ばないという部分で、要は、「試算の数字が高すぎるのではないんですか?」という声も出ていて、実際、労働組合の試算なので、ある程度高く出しているのではないか?という部分もあるとは思います。だた一方で、「高すぎる」という声もあれば、「妥当だ」という声もあるし、逆に、「43㎡で4人暮らしはきついよ…」という、むしろ、つましい試算なのではないかという意見もあって、議論百出になっているんですね。僕自身、東京で子供2人育てている身からすると、概ね妥当なシミュレーションなのではないかなというふうには考えています。


鈴村:なるほどねぇ…。確かに東京は高いなというイメージが、というか、イメージじゃなく、高いですよね…。東京に出てきたときに、高いなと思ったし。なんだったら、本当に僕は地方に住みたいですからね(笑)。地方行って、買い物とかすると安かったりとか、あと、不動産を見るのが好きで、地方でイベントとかやるときは、散歩して地元の不動産見て、こういう価格帯なのか~!と思うと、東京の駐車場とか高すぎだろ!って本当に思いますもん。


神庭さん:いや、本当ですよね。駐車場代だけで家に住めちゃうんじゃないか?って思っちゃいますよね。


鈴村:そうなんですよ、それは思いますよね。でも、東京に限らず、このコロナ禍で非正規雇用の方たちや、特に女性の雇用を中心に給与が減ったり、解雇されたりとか、厳しい状況になっているって聞くんですけど、こういうのはどういう対策が求められるんでしょうか?


神庭さん:我々は、年越し派遣村とかね、その悪夢を知っていますから、ああいう事態を繰り返してはいけないので、やっぱり、住宅政策、住むところを失ってしまうということがないように、そこは手当てしてあげるのが大事じゃないかなっていうふうに思いますね。


鈴村:そうですよね。あとはさっき、鍵括弧付きで…って言っていましたけど、「普通の生活」…?「普通」ってなんだろう?と思うとね、これは本当に人それぞれだと思うんですけどね。


神庭さん:本当にそうで、「普通」という言葉が読者をむやみにヒートアップさせている面があって、「普通って何?」、「普通のハードルが高すぎるよ!」とか、「これが普通なら東京から出るしかないな」というようなことを言っている人もいて、そう言いたくなる気持ちもわかるなと、誰もが一言言いたくなるニュースで、実際には、いろんな普通があっていいと思うんですけれども、一つ言えるのが、これを見て、「高すぎるよ!」「贅沢だよ!」というふうに足の引っ張り合いをするのではなくて、世代間格差の時に触れたんですけれども、日本の子育て世代はなかなか教育費も少ないし、大変だという状況もあるので、子育てが贅沢だとか、ステータスだと言われるような社会ではなくて、当たり前にこういう暮らしができるようになっていくといいんじゃないかなというふうに思いますね。


鈴村:そうですね。こういうデータを見たことによって、「やっぱり、子供は難しいよね…」とか、「お金かかっちゃうからね…」なんていうことで、また少子化が進んでいくのはよくないと思いますね。


神庭さん:そうですよね。だから、これは諦めるための数字ではなくて、良くしていくための…ですよね。


鈴村:本当にそう思います。こういう数字がでているということは、やっぱり、子育てがもっとしやすいような社会にしていかなければならないということの指針に、逆にしていかなければいけないなというふうに感じますよね。



そして、今日の #スズコメ はこちら。






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