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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.11.10

立憲民主党、低迷の理由

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんです。
神庭さんが注目した話題はこちら！


【立憲民主党、低迷の理由】

吉田：衆議院選挙で立憲民主党が議席を減らした責任をとり、辞任する意向を表明している、枝野代表。今日召集される特別国会の閉会日である、明後日12日に正式に辞任します。枝野氏の後任を決める代表選挙の日程については、「11月21日告示、30日投開票」、もしくは、「11月22日告示、12月1日投開票」という、2つの案を軸に調整しています。神庭さん、立憲民主党が衆議院選挙で敗北した原因を、改めて教えて頂けますか？


神庭さん：立憲民主党は今回の衆院選で共産、国民民主、れいわ新選組、社民と野党共闘を進め、全国289選挙区の75%にあたる217選挙区で候補者を一本化しました。しかし、蓋を開けてみると公示前の109議席から96議席に、13議席も減ってしまいました。共産との連携は諸刃の剣です。プラス面は各選挙区で数万の固定票になります。これによって多くの選挙区で接戦に持ち込み、小選挙区だけで見ると57議席で公示前から9議席増やしました。一方、比例代表は公示前の62議席から39議席まで激減しました。共産と組んだことで得られた票もありましたが、トータルで見るとマイナス面が大きかったです。特に企業の労働組合は立憲を推しづらくなったんだと思います。


吉田：比例の投票先を年代別に見ると、立憲民主党は若年層からは、あまり支持されていないということなんですね？


神庭さん：出口調査のデータを分析した朝日新聞の記事によると比例区の投票先で10代の42%、20代の40%が自民党に投票。自民党は比較的、若年層の支持が厚いです。対照的に、比例区で立憲に投票した割合は、60代と70歳以上で24%、50代で20%と中高年層に支えられていることが浮き彫りになった。40代以下は2割に満たず、10代は17%、20代も15%でした。


ユージ：若年層から支持されない。これはどうしてなのでしょうか？


神庭さん：若年層に限らない問題ですが、ネット世論を重視し過ぎているのではないかと思います。前々から指摘していますが、SNSでは右の意見はより右に、左の意見はより左に引っ張られ、先鋭化して極端になりやすいです。Twitterで毎日のように起きる「〇〇やめろ」「××の辞任を求めます」というハッシュタグデモばかり見ていると、それが民意のすべてのように錯覚してしまいますが、実際にはその背後に膨大なサイレント・マジョリティー（物言わぬ多数派）がいます。


ユージ：立憲民主党、どうすれば変われると思われますか？


神庭さん：左に寄り過ぎず、ガラ空きになっている「真ん中」を攻めるべきです。ネットよりも街頭で直に有権者、サイレントマジョリティーと触れ合った方がいいです。神奈川13区で自民幹事長だった甘利明さんを破った、立憲の太栄志さんは、5年半毎日街頭に立ち、選挙期間中も13時間連続で街頭に立つ「マラソン遊説」に取り組んでいました。今の立憲に必要なのは、草の根の原点に返ることです。


吉田：立憲民主党の新たな代表、12月1日までには決まる見通しとなっていますが、今はどのような名前が挙がっているのでしょうか？


神庭さん：立憲の代表選では、泉健太政調会長や、大串博志役員室長、香川1区で平井前デジタル大臣を破った小川淳也国会対策副委員長らの名前が挙がっています。今回の衆院選では、与野党問わず大物・ベテランが次々に落選し、政権交代よりも世代交代を望む有権者の声が浮き彫りになりました。立憲も代表選で執行部を刷新し、大胆な若返りを進めることで、こうした世論の風に応えるのはどうでしょうか。立憲はジェンダーの多様性についても訴えてきているので、女性議員の立候補にも期待したいです。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



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