22.03.04
北京パラリンピックにフォーカス
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北京パラリンピックにフォーカス
吉田：きょう開幕する北京パラリンピック。開会式は、日本時間の今夜9時頃から行われ、今月13日・日曜日の閉会式まで、6競技78種目が行われます。一方で、ウクライナ情勢の影響は、このパラリンピックにも出ています。ロシアのウクライナ侵攻を巡って、IOC＝国際オリンピック委員会とIPC＝国際パラリンピック委員会は「オリンピック休戦」の国連決議に違反したとして、非難する声明を発表。ロシアの選手と、その同盟関係にあるベラルーシの選手については、開幕前日となる昨日、事態が急転。中立的な立場としての個人の出場も認められず、事実上、ロシアとベラルーシを除外する事が決定されました。異例な事態の中、今夜の開会式で発信されるメッセージにも注目が集まります。
ユージ：この時間は、スポーツジャーナリストの生島淳さんにお話を伺います！まず、ウクライナ侵攻による不安が広がるなかでの北京パラリンピック開幕。生島さんは今の状況をどうみていますか？
生島さん：オリンピック開催期間中、おそらくロシアはオリンピック休戦を重視して侵攻を遠慮していたと思います。去年の12月の国連総会でオリンピックの開幕1週間前からパラリンピックの閉幕の7日後、3月13日まで休戦期間と宣言していました。オリンピックが終わったタイミングで侵攻を始めたということは、ロシアがパラリンピックに対してそれほどリスペクトが無いということになります。パラリンピックの価値をロシア（プーチン）は認めていないということになります。
吉田：IPCは、開幕２日前にせまった おとといの段階で、ロシアの選手とベラルーシの選手に対して国名などを使わない「中立」の立場で出場を認めると一度は発表しましたが、昨日になり、それを撤回。「RPC（ロシアパラリンピック委員会）とベラルーシのエントリーを拒否することを決定した」と発表しました。ウクライナに侵攻したロシアと、それを支援したベラルーシをスポーツ界から排除する動きが急加速していますが、そんな流れの中での今回の発表。生島さんはどう思われましたか？
生島さん：おとといの段階でIPCは、「中立の立場での出場は認める」としていたわけですが、その発表をきっかけに、数カ国のパラリンピック委員会から「ボイコットをするぞ」という圧力がかかったといわれています。そんな大きな流れに加えて、「選手村において、各国の選手たちが怒りを持っている」このままの状況だとロシア、ベラルーシの代表団と他の国の選手との間で衝突に発展しかねないという懸念があって、こういう決断にいたったとみられます。平和の祭典ではありながらも、政治からはパラリンピックも逃れることは出来ないな、という重たい現実が突きつけられている状況です。
ユージ：オリンピック、パラリンピックは、「平和の祭典」とも言われています。ロシアとベラルーシの除外によって開催される「平和の祭典」。ちょっと複雑な気持ちになります。
生島さん：過去のオリンピックを振り返ってみると、政治とオリンピックの関係では必ずロシア、ソ連が問題を起こしているのが事実です。1980年・モスクワ五輪での西側諸国のボイコット、1984年・ロサンゼルス五輪での東側諸国のボイコット。さらに遡ると、1956年、メルボルンオリンピック。自由化と脱ソ連を進めたハンガリーに対してソ連が武力弾圧した「ハンガリー動乱」の直後に行われた水球競技のハンガリー 対 ソ連の試合で流血戦になりました。そうした記憶がオリンピック、パラリンピックには刻まれていますので、今回の予防策をとったのではないかと思います。「平和の祭典」とは、貴重な理念です。パラリンピックとしては初めて対処しなければいけない状況なので、IPCは、判断の正当性を出さなければいけないです。
吉田：そんな事も踏まえて、生島さんとしては、今回が、どんなパラリンピックであってほしい、と願いますか？
生島さん：無事に最後まで開催されてほしいですが、こうした状況下で開会式でIPC側からどんなメッセージが発信されるか、これは平和へのメッセージを期待したいと思います。
吉田：きょう開幕するパラリンピック。今回行われる競技の中で、生島さんが最も注目されているのは何でしょうか？
生島さん：アルペンスキーの村岡桃佳選手です。4年前の平昌大会では5つのメダルを獲得したんですが、東京パラリンピックでは陸上100メートルにも出場していた二刀流の選手です。村岡選手のアルペン大回転に注目して頂ければなと思います。
ユージ：北京パラリンピックの開会式は、日本時間の今夜9時頃からです。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
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— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 4, 2022
僕は最初、選手は悪くない、社会的情勢は関係なく出場させるべきだと思っていました。ただパラリンピックは世界中から選手が集まるので、情勢を受けてアクションを起こす人がいるかもしれない…大会に関わる多くの人を守るためにも、今回の決断は正しかったのではないかなと。
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— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 4, 2022
そんな状況の中で開催される北京パラリンピック。平和の祭典の開会式で、どんなメッセージが発信されるのか。そこにも注目してみたいと思います。
