23.12.04
自民党 安倍派の裏金疑惑
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【自民党 安倍派の裏金疑惑】
吉田:自民党派閥のパーティー券収入不記載問題に絡み、最大派閥の清和政策研究会いわゆる安倍派が巨額の裏金づくりを続けていた疑いが発覚。連日、大きく報道されています。改めて、疑惑の背景について、神庭さん教えてください。
神庭さん:報道によると、自民党では年1回ペースで派閥のパーティーを開いており、パーティー券は1枚2万円が相場になっています。所属議員は当選回数や閣僚経験などの役職の重みに応じて販売ノルマがあり、そのノルマを超えて売り捌いた分の売り上げは、派閥から議員へキックバック、環流される運用があったそうです。安倍派の座長である塩谷立座長は先月30日、キックバックについて「そういう話があったことはあったと思います」と認めたのですが、その日のうちに「誤解を与えた」と撤回しました。
吉田:このキックバックが問題ということでしょうか?
神庭さん:キックバックそれ自体は、法的には問題ありません。そういうお金の動きが、派閥や議員の政治資金収支報告書に記載されておらず、実質的に「裏金」化していたことが最大の問題です。5年間で1億円超とも数億円とも言われる多額のお金が、何に使われたか分からない状態になっています。しかも、そうした裏金づくりが組織的に行われていたのではないか?というのが疑惑の核心です。朝日新聞によると、自民党幹部からは「自民党の終わりになりかねない」「まずい。底が抜ける」といった声が上がっているといいます。一方の野党側は「リクルート事件以来の大疑獄になってもおかしくない」と息巻いています。
ユージ:法律に触れる可能性があるということですか?
神庭さん:東京地検特捜部は政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)などの容疑での立件を視野に、捜査を進めていると報じられています。政治資金規正法では、不記載や虚偽記載には5年以下の禁錮か100万円以下の罰金を科すと定められています。加えて、公民権停止と言って一定期間、選挙権や被選挙権を止められて選挙に立候補したり、選挙運動したりすることも禁止されます。参考になるのが、4,000万円以上のパーティー収入を記載せず、政治資金規正法違反で略式起訴された、薗浦健太郎元衆院議員です。このケースで、東京簡裁は罰金100万円と公民権停止3年の略式命令を出しています。
ユージ:罪としては重いですか?
神庭さん:国会議員にとって100万円の罰金くらいは屁でもないかもしれませんが、選挙に出られなくなる公民権停止は痛くて、政治家としての死刑宣告にも等しいです。だからこそ、特捜の捜査がどこまで広がるのか注目を集めています。どこにも記載のない「裏金」ということになると脱税など税務上の問題にならないのか?パーティー券を買った人は、議員にキックバックされるとは夢にも思っていないわけですから、その辺り契約上の瑕疵はないのか?といった点も気になるところです。
吉田:安倍派以外の派閥でも行われているのでしょうか?
神庭さん:二階派でもキックバックがあり、1億円を超える収支報告書の不記載があったと報じられています。ただ、朝日の報道によると派閥側の支出と議員側の収入のどちらも記載されていなかった安倍派に対し、二階派の方は議員側の収入が不記載だったものの派閥の支出は記載されていたということで、悪質性に濃淡がありそうです。岸田総理は「国民に疑念を持たれていることは大変遺憾。党としても対応を考えて参ります」と話しています。自民党内のパワーバランスがどういう風に影響していくのかも含めて注目してください。
ユージ:今回の裏金問題についてどう思いますか?
神庭さん:読売新聞によれば、特捜部は自民党議員や派閥幹部ら数十人の事情聴取を検討しているということです。結局、秘書や小物議員だけ立件してトカゲの尻尾切りで終われば特捜部は国民の信頼を失ってしまうと思います。1992年の東京佐川急便事件では、特捜部が自民の金丸元副総裁を聴取せず略式起訴で幕引きしたことで、「どうなっているんだ!」怒りを買いまして、検察庁の看板に黄色いペンキがかけられるなど、大きな批判を招きました。検察は秋霜烈日の精神を忘れず、最後の1人までしっかり追及して欲しいなと思います。
ユージ:これについて、何か対策ありますか?
神庭さん:政治資金規正法は、パーティー券収入のうち20万円未満は記載義務がありません。ガバガバのブラックボックスで、複数回に分割して記載義務をかい潜るようなやり方もまかり通っています。1円から記載を義務付けるなど、抜け穴を塞ぎ、透明性を高める努力を進めていく必要があるかなと思います。政治とお金であまりにも問題が噴出し汚職事件が相次いだため、企業からの寄付を制限する代わりに、1994年に政党交付金というシステムが導入されました。今年は、9つの政党に総額315億円、今回問題になっている自民党にも159億円が交付されています。これ、元を辿れば原資は私たちの血税です。導入した当時は「国民1人あたり250円、コーヒー1杯で政治とお金の問題を解決する」と言われていたのですが、結局いまだに全然解決していません。企業からのお金と税金の二重取りになっています。せめて、政治とお金で問題を起こした政党は政党交付金を全額没収するとか、厳しいペナルティーを科してはどうかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 4, 2023
テーマは「自民党 安倍派の裏金疑惑」について
最大派閥の清和政策研究会いわゆる安倍派が巨額の裏金づくりをしていた疑いが発覚しました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 4, 2023
この裏金、パーティー券1枚2万円ぐらいが相場のパーティーを開いてノルマやキックバックがあったりなどお金に関する不信感を抱かせるようなことが多くあります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 4, 2023
政党交付金というシステムでは今年は9つの政党に総額で315億円支払われ、これは国民の税金で成り立っているものです。
正しく使用されて景気が良くなったり国民に還元されていればお互いウィンウィンになるものの、現状この315億円は報酬のように見えてしまいます。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 4, 2023
そのため日本をもっと良くするためにも、税金が正しく使われているかなどこのようなお金の部分をクリーンに見えるやり方が出来るといいなと個人的に思いました。#ワンモ