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24.11.26

利用率が低迷しているマイナ保険証について

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「利用率が低迷しているマイナ保険証について」

吉田：12月2日に、現在の健康保険証の新規発行が停止されます。一方、マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」の利用率は低迷しています。今朝は、マイナ保険証の現状やメリット、デメリットなどについて神庭さんに解説していただきます。改めてになりますが、「マイナ保険証」について教えて下さい。


神庭さん：マイナ保険証は、新しくカードをつくるわけではなくて、今すでに持っているマインナンバーカードを健康保険証として使えるように登録したものを指します。マイナンバーカードが欲しい人はオンラインや郵便で申請できます。さらにマイナ保険証として使えるようにしたい場合は、医療機関や薬局に持って行って、顔認証付きカードリーダーで利用登録します。30秒程度でできます。スマホやPCでマイナポータルから申請、セブン銀行ATMから申請するといった方法があります。


ユージ：そんなマイナ保険証の利用率が低迷しているようですね。


神庭さん：なかなか伸びてなくて、10月段階でのマイナ保険証の利用率は15.67％。マイナンバーカードを持っている人自体は9,449万人で人口の75.7%。4人に3人はカードを持っています。ですが、マイナ保険証として使っている人は6人に1人くらいなのでかなり低迷しています。


吉田：まだ、あまり使われていないマイナ保険証ですが、メリットは何でしょうか？


神庭さん：厚生労働省のサイトでは、大きく4つのメリットが紹介されています。1つ目は、過去に処方された薬や特定健診などの情報を医師・薬剤師にスムーズに共有して、データに基づく医療が受けられます。2つ目は、先週解説した「高額療養費制度」に関して、手続きなしで限度額を超えた支払いが免除されて、自分でいったん立て替える必要がなくなります。3つ目は、確定申告時の医療費控除がマイナポータルで簡単にできるようになります。4つ目は、医療現場で働く人の業務が効率化されて、負担を軽減できます。この他にも、顔写真入りのマイナ保険証になることで身元確認が厳格化され、不正利用が減ることを期待する声もあります。実は、自営業者らが加入する国民健康保険では、2022年までの5年間で「なりすまし」などの不正利用が約50件、年平均10件しか起きていません。これだけ見るとメリットは薄そうですが、国保の50件は氷山の一角で、会社員などの被用者保険も含めると不正はもっと沢山あると指摘する人もいます。


吉田：一方で、デメリットは何でしょうか？


神庭さん：多くの方が懸念しているのは、情報漏洩のリスクだと思います。その点について触れたデジタル庁のQ&Aを紹介します。


Q：マイナンバーカードのICチップから病歴、投薬等の情報まで筒抜けになってしまうことはないですか？


A：マイナンバーカードのICチップには、税・年金の情報や病歴などプライバシー性の高い情報は記録されませんので、それらの情報はカードからは判明しません。


Q：マイナンバーが漏えいすると、芋づる式に個人情報が漏れる恐れはありませんか？


A：マイナンバー制度では、個人情報が1つの共通データベースで管理されることは一切ありません。国税に関する情報は税務署に、児童手当や生活保護に関する情報は各市区町村に、年金に関する情報は年金事務所に分散して管理します。万が一、1か所でマイナンバーを含む個人情報が漏えいしたとしても、個人情報を芋づる式に抜き出すことはできない仕組みになっています。


神庭さん：このように、国は回答しています。


ユージ：今、紙の保険証を使っている方はどうなるのでしょうか？


神庭さん：そこも気になるところだと思いますが、いま手元にある保険証は最長で1年間、2025年12月1日まで使うことができます。それまでに有効期限が切れてしまう場合、その有効期限までなら使えます。マイナ保険証のない人は、健康保険組合など保険者から「資格確認書」を交付してもらえば、これまで通りの自己負担で受診できます。資格確認書の交付は12月2日以降なので、現段階で慌てる必要はありません。


ユージ：マイナ保険証について、神庭さんはどうみていますか？


神庭さん：この期に及んで「強制じゃないです、任意です」というのは無理があるかなと思います。「ごめんなさい、嘘でした。やっぱり強制します」とハッキリ認めるべきかなと思います。そもそも、マイナンバーカードを持ち歩いていいの？と不安に感じている国民は多いと思います。カードは所持していても、持ち歩いていない人が4割もいます。これは、最初に配るときに「みだりに他人に番号を知らせるな」とすごい強調して、番号を隠せるケースを配ったりして、周りからしたらよっぽど大変なのかな？と思うわけです。


ユージ：フィルムみたいなやつですよね？僕もついていますよ。


神庭さん：ですよね。あれをみたら、持ち歩いていいのかな？と思うわけです。持ち歩いてもいいなら、その旨アナウンスした方がいいかなと思います。便利さ、メリットにもっと磨きをかけた方がいいと思います。今の仕組みだと、医療機関は最新の服薬情報を照会できないです。1カ月ほど前までのデータしか見られません。マイナ保険証になったらお薬手帳もいらなくなるのかと思ったら、結局持って行かなければいけない。こういう不便さを解消しておくことも大事ですし、医療現場のコストが下げられるのなら、それで社会保険料を下げますよとか、そういう分かりやすいメリットを出していただきたいなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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