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25.04.21

あなたは大丈夫？マイナンバーカードの『2025年問題』とは？

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【あなたは大丈夫？マイナンバーカードの『2025年問題』とは？】

吉田：マイナンバーカードの保有枚数は3月末で、9,772万枚になり、保有率は78%を超えました。普及が進むマイナンバーカードですが、実はこのマイナンバーカードで心配されているのが、「2025年問題」です。去年は「物流の2024年問題」が騒がれましたが、このマイナンバーカードの2025年問題とは、一体どういうものなのか？神庭さんに解説してもらいます。


神庭さん：マイナンバーカードには2つの有効期限があります。1つはマイナンバーカード自体の有効期限です。大人は10年で未成年は5年です。もう1つが、マイナンバーカードに内蔵された電子証明書の期限があります。こちらは年齢問わず5年となっています。今年は、この電子証明書の方の期限を迎える方が多く出そうで、窓口が混雑したり、高齢の方では更新手続きに手間取ったりする人も出るのではないかと言われています。これがマイナンバーカードの「2025年問題」です。


ユージ：1つのカードで期限が分かれているんですね。何で、カードと電子証明書で期限が分かれているのでしょうか？


神庭さん：情報セキュリティー上の問題です。暗号技術もそれを解き明かす復号技術も、日々刻々と進化しています。10年というタイムスパンだと暗号が解読されてしまうリスクがあるので、電子証明書の方は半分の5年にしています。5年は割と早いので、ちょっと不便だなあという感じですが、政府としては一応そういう理屈で5年にしています。


ユージ：僕は、すでに更新しました！


吉田：その更新が、今年増えるのはなぜですか？


神庭さん：マイナンバーカードをつくるとポイントがもらえるマイナポイント事業がありましたよね。ちょうど5年前に始まりました。当時マイナンバーカードを作成した人が大勢いて、5年の時を経ていま窓口に殺到しているわけです。国などの試算によると、今年で電子証明書が更新を迎える人は1,580万人、マイナンバーカードの本体が期限になる人は1,200万人で合わせて2,780万人にもなります。昨年度はトータル970万人だったので、一気に3倍近くに増えています。2,780万人ということは国民の2割以上ということだから、そりゃ混雑するよねという感じです。


吉田：実際、混んでいますか？


神庭さん：かなり混んでいるみたいです。SNS上では、「平日に3時間待ちとかムリなんやけど」「2〜3時間待ちって言われたから、諦めて帰った」「ディズニーランド並みに混んでる。ファストパス売れそう」「更新に4時間待たされた。これが日本のDXだ」など、恨みの声があふれ返っています。一方で、「3分で終わった」という人もいます。私も何カ月か前に行った時は10分かからずに手続きができました。役所の立地や時間帯などによっても混雑度合いは大きく変わるようです。ユージさんの更新の時はどうでしたか？


ユージ：僕はどうだろう…30分くらいかな？そんなに混んでいませんでした。役所に出してから30分くらい待ちました。


吉田：電子証明書の期限はどうやったら確認できますか？


神庭さん：電子証明書の有効期限は、マイナンバーカードに印字されてわけているわけではなくて、サインペンなどで後から書き込む方式です。作った時に自分で記入していれば、それを見れば分かります。書き忘れていた、こすれて消えちゃったという人は、マイナポータルで確認することもできます。有効期限の2〜3カ月前には「有効期限通知書」という水色の封筒が届くので、それに注意しておけば見落とす心配はないと思います。あ、なんか水色の封筒が届いてたな…という人は、部屋の中を捜索してください。手もとに通知書がなくても、有効期限の3カ月前から更新手続きはできるので、余裕を持って早めに更新して欲しいなと思います。


吉田：ほかに注意点は何かありますか？


神庭さん：「代理で更新手続きをしますよ」と近づいてきて、マイナンバーカードや暗証番号を騙して聞き出す手口があります。総務省も注意を呼びかけています。ご高齢の親御さんがいる方などは、そういう不審な電話に注意していただきたいなと思います。あとは先日も解説しましたが、マイナ免許証に統合する場合、マイナンバーカードを更新しても免許情報は自動で引き継がれません。先にマイナ免許証の一体化作業をして、その後でマイナンバーカードの更新をすると、一体化の手続きをやり直さなければいけなくて、二度手間になります。なので、先にマイナンバーカードの更新手続を済ませてからマイナ免許証にする。もしくは、マイナ免許証と運転免許証の2枚持ちにするというやり方がオススメかなと思います。


ユージ：マイナンバーカードの「2025年問題」、神庭さんはどう思いますか？


神庭さん：マイナンバーカードは国全体のDX、デジタルによる効率化のために導入したはずです。それが、5年に1度の電子証明書の更新の度に役所に行かないといけない。しかも窓口が大混雑するとなると、3～4時間はさすがにキツイです。そうなると、DXとは？という気持ちになる人も多いと思います。河野太郎デジタル大臣によると、次のマイナンバーカードからは暗号が強化され、電子証明書の有効期間をマイナンバーカードと同じ10年に延長できるようになる見通しだということです。少しは便利になると思うので、そこは期待したいなと思います。そもそもの出発点、マイナンバーカードは何のために始めたのかというとポイントを配るために始めたわけではなく、デジタルで国民生活を豊かにしようよ、ということで始めました。その根本に立ち返って更新も含めて便利にできるような制度設計をしていただきたいなと思います。


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