25.06.06
長嶋茂雄さんが歩んだ栄光の歴史にフォーカス
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「長嶋茂雄さんが歩んだ栄光の歴史にフォーカス」
吉田:“ミスタープロ野球”の愛称で親しまれ、6月3日に亡くなった野球界のスーパースター、長嶋茂雄さん。その現役時代の活躍を知らない方も多いと思います。改めて、選手、監督、そして晩年にいたるまで、人生をすべて野球に捧げてきた長嶋さんの功績を振り返ります。今週のテーマは、「国民的ヒーローとして、人々に愛された理由」。
ユージ:お話は、スポーツライターの小林信也さんです。
小林さん:長嶋さんが、なぜこんなにもみんなから愛されているかというと、やっぱり1つは、昭和34年(1959年)の天覧試合ですね。天覧試合というのは、天皇陛下が初めてプロ野球を観戦することです。つまりプロ野球というのは、今のように社会的認知がなくて「職業野球」と言って少し蔑まれていた時代です。そこに6大学野球から長嶋茂雄というヒーローが入ってきて活躍をし始めました。そこに天覧試合があったのですが、もう1つは戦争が終わって10年ちょっとでまだまだ日本がどこかこうぽっかり穴が空いたようなところがあった、そこの時代に起こった天覧試合で最後に長嶋さんがサヨナラホームランを打ちました。そして、天皇陛下がこの野球を見て凄く興奮して喜ぶ姿をみんなが見て、「長嶋よくやってくれた」「長嶋ありがとう」というこの気持ちが、長嶋さんに対する多くの人の気持ち全てなんじゃないかなと思います。それをきっかけに野球が日本人の行楽になったし、長嶋茂雄さんは「みんなの長嶋」になりました。もう巨人とか野球という枠すら超えて、本当にみんなの長嶋になりました。これは日本人がみんなで心を1つにできる象徴って何なんだろうってぽっかり穴が空いたような、そこに登場したのが長嶋茂雄さんでした。いくら長嶋さんが明るくて素晴らしい選手でも、あの天覧試合がなければ、この国民的な気持ちというのは恐らくありませんでした。このことはいくら言ってもピンとこないと思いますが、それを抜きに長嶋を語ってもやっぱり長嶋さんのことは分からないかなと、そんな気がします。
ユージ:戦後から高度経済成長期へと向かう国民の心の拠り所として、重要な存在となっていた長嶋さんです。巨人の選手としては、王貞治さんとの「ON時代」に9年連続日本一に輝いたり、監督としても5回のリーグ優勝、日本一を2回と、常にヒーローであり続けました。「でもそれは、普通に語られるような天才とは違う」と、小林信也さんは語ります。
小林さん:長嶋さんというのは「がっかりさせる天才」でもあります。プロ野球に入った時もすごく期待されていたのに、最初、金田正一さんという国鉄スワローズのエースに4打席4三振。こんな最悪な結果はないですよね。そして、監督になって1年目に最下位というとんでもない成績になります。色んな場面で、実は長嶋さんは、最初に最悪な結果なんです。みんなをがっかりさせる。それなのに、そこからもの凄い活躍をして今度は2倍3倍喜ばせるという、これは長嶋さんの持って生まれた天性と言うんですかね。例えば、オリンピックでいきなり登場して金メダルを取るところから始まるみたいな、そういうヒーローが割と多いと思います。長嶋さんは常に戦争に負けたというがっかりも含めて登場する時に最初にみんなの挫折感があって、そのうえでもの凄く明るい表情でみんなを笑顔にするという、それが長嶋という人だと思います。
ユージ:戦後を生きる国民に愛され、プロ野球の黎明期を支えたヒーローが長嶋さんなら、現在、日本の国民のみならず、世界中から愛される野球界のヒーローといえば、大谷翔平選手です。あえて、難しい質問をぶつけてみました。「時代を超えた2人の野球ヒーロー。その違いは?」
小林さん:大谷翔平選手は、二刀流も含めて非の打ち所がないプロ野球選手ですよね。そのパフォーマンス・活躍でみんなを驚かせ、尊敬のまなざしで見られる、そういう存在だと思います。長嶋さんとちょっと違っているのは、もっと規格外。新人の時も実はトリプルスリーを達成していたはずなのに、ホームラン1本損しちゃって29本で終わったために記録になりませんでした。それは、途中でランナーを追い越しちゃったんですね。そういうことを平気で行う。例えば、打ちすぎるから敬遠のフォアボールというとそれに抗議するために、バットを捨ててバットを持たずに打席に立っちゃうとか、あれもウケを狙ってじゃなく感情のままに気持ちのほとばしるままに、みんなが考えないことをやってしまう。そういう存在だったんじゃないかなと思いますね。
ユージ:来週のこの時間も長嶋さんの功績を振り返ります。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 6, 2025
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#リポビタンD TREND NET #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 6, 2025
スポーツライター小林信也さんの解説でとても共感したのが、長嶋さんは「がっかりさせる天才」ということ。…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 6, 2025