network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.12.31

塚越さんが注目した2025年・AIニュース

null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「塚越さんが注目した2025年・AIニュース」

ユージ:塚越さん、注目したAIニュース、1つ目は何ですか?


塚越さん:「今年も広がりを見せた『生成AI』」です。AIによる検索が進む中で、Googleは「AI Overviews」という、生成AIが検索して結果を要約するサービスを始めています。これによって、ユーザーはサイトにいかずに結果を理解することができますが、サイトにいかないのでウェブサイトの作り手には広告収入などがいかないです。これは「ゼロクリック検索」と呼ばれて問題になっています。特にウィキペディアのような、情報を網羅するようなサイトへのクリック数は大きく減少しています。長期的にみれば、Google自身もウェブサイトの広告収入が減るので問題ですが、他社も生成AI検索を進めるので、Googleとしてもやめられないです。こういった検索のところも含めて、生成AIにはいろいろ問題が出たと思います。


後藤:塚越さんが注目したAIニュース。2つ目は何でしょうか?


塚越さん:「AIと雇用の危機が現実化」です。AIで雇用が奪われるという話は、今年も多く聞かれました。今年はいわゆる「ホワイトカラー」がAIに仕事を奪われる可能性が指摘されました。例えばマイクロソフトは今年の5月、従業員全体のおよそ3%にあたる6000人から7000人規模の人員削減を発表し、その後、追加の削減も発表しました。業績そのものは良好ですが、AI開発にお金がかかることや、エンジニアなどはAIに置き換わるので削減の対象になります。さらに、アメリカでは若手の就職が困難です。大卒以上の22〜27歳の失業率は今年3月に5.8%と、コロナ禍以降で最悪の水準です。この動きの中で、アメリカでは逆に「ブルーカラービリオネア」と言われ、肉体労働で給料が増えたケースが取り上げられました。例えばアメリカではエレベーターやエスカレーターの技術者の年収の中央値は、約1,660万円です。送電線の設置や修理を担う人の年収の中央値は、約1,440万円で、全職種の平均と比べて、およそ2倍とのことです。日本はそもそも人手不足なので、日米で違いはありますが、ホワイトカラーの仕事がどうなるかは引き続き注目が必要です。


ユージ:塚越さんが注目したAIニュース。3つ目は何ですか?


塚越さん:「人手不足問題と人型ロボットの開発が進んだこと」です。ホワイトカラーの仕事が減っても、全体としては人手不足が盛んに議論されたのも2025年の特徴です。そもそも少子化は深刻さを増しており、今年の出生数は66万8000人程度という推計もあります。去年が68万6000人程度なので、3%減ることになっています。建設現場や物流の現場の人手不足は、今年もニュースとして多く取り上げられました。なので、ホワイトカラーの仕事が減っても、肉体労働市場はより人手が必要になります。将来の人手不足という課題に対して求められるのが「ロボット」です。例えば、すかいらーくグループでは配膳ロボットが3000台以上導入されました。今年はさらに進んで「人型ロボット」の開発が米中で進みました。4月には中国で人間と人型ロボットが走るマラソン大会が開催されました。アメリカや中国では実際に人型のロボットが数百万円とかのレベルで購入出来る物が出来始めています。実際に一部ではアメリカのBMWの製造工場で部品の運搬などを行っています。なので、人型ロボットが少しずつ出て来て始めている状態です。今年はまだ開発が進んでいるニュースですが、来年や5年〜10年の単位で見ると日本も労働不足なので、そうなると人型ロボットがどんどん出てきて、最終的には介護ロボットとか出てくると思います。そうなってくると、日本はロボット作るのは難しいと思いますが、OSの部分で私達は「ドラえもん」や「アトム」と仲が良いです。AIもそういう仲良くなるところは日本は強いので、頑張れると思います。


後藤:日本ならではのAIやロボットの進化がすごく楽しみですね。塚越さんが注目したAIニュース。4つ目は何でしょうか?


塚越さん:「電力確保が課題となった1年」です。今年、生成AIが進んでいくので電力不足が世界的に問題になっていて、日本でもデータセンターが作られました。「人口は減少していくので、たくさん作らないといけない」と言われています。人型ロボットもこれから増えてくるので、これから電力をどうやって作っていくか。ペロブスカイト太陽電池など、日本発の技術の普及が鍵になってきますので、いろいろ課題があります。明日も電力インフラの話をしようと思っていますので、そのあたりも気にして頂けるといいかなと思います。

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top