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26.04.22

会社員の4割以上が『静かな退職』…日本で増加する背景は?

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コメンテーターは、
情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝のテーマはこちら!


会社員の4割以上が『静かな退職』…日本で増加する背景は?

吉田:キャリアアップや昇進などを目指さずに必要最低限の仕事をこなす働き方を指す「静かな退職」。この「静かな退職」に関して、マイナビが実施した調査で、会社員の46.7%が静かな退職をしていると回答し、前の年の調査から2.2ポイント増えたことが分かりました。塚越さん、まずは「静かな退職」について教えてください。


塚越さん:はい。お話があったように、「静かな退職」というのは、過剰な労働は避けてキャリアアップや昇進は目指さない。実際に退職するわけではないですが、決められた仕事だけをすることで心に余裕をもつ働き方、と言われます。


吉田:この「静かな退職」が増えているのは、どういった背景があるんですか?


塚越さん:この言葉はそもそも、コロナ禍の2022年にアメリカのTikTokのある投稿がバズったことで広がりました。そこでの主張は、「仕事はあなたの人生ではない」とか、「がむしゃらに働くカルチャーには賛同できない」といったものでした。これに共感があったということですね。わかりやすく言うと、昭和のモーレツ社員のような働き方だと「燃え尽き症候群」にもなりますし、だったら仕事は最低限で、あとは自分の趣味などで楽しもうということですね。他にもですね、コロナ禍を通して、将来の不安が増えたかなというところで。特に若者世代は終身雇用という前提も崩れつつあり、物価も社会保障費も上がりますし、そもそも何が起きるか世界を見てもそうですけど、わからないことがデフォルトになりつつあります。だからこそ一生懸命働くという考えもありますが、逆に、だったら不確実な中をテンション上げて生きるよりも、自分を大切にしようと感じる人もいるわけですね。さらに、コロナ禍でリモートワークが普及するなど働き方は多様化しているので、人生の中で仕事が占める割合が相対的に減って、生活がより重視されるようになったともいえるかなと思います。


ユージ:「静かな退職」の調査結果で、塚越さんが興味深いと感じたポイントも教えてください。


塚越さん:マイナビが先週月曜に発表した調査なんですが、それによると、「静かな退職をしている」と考える会社員は、「そう思う」「ややそう思う」を合わせて46.7%と、前の年から2.2ポイント増えました。これ、20代だと50.5%と半数を超えていますが、でも全体を見ると若者だけじゃなく、いろんな年代に「静かな退職」の意識が広がってる感じですよね。次に、「静かな退職をしている」と答えた人に今後の意向を聞くと、このまま静かな退職を続けたいという人は、「どちらかといえば続けたい」という人も含めれば全体の7割を超えたということで、多いんですよね。マイナビは企業の採用担当者にも調査をしていまして、静かな退職の賛否を聞くと、賛成は42.2%、反対は30.1%と賛成の方が多く、前回の調査よりも賛成が増えたということです。賛成の意見としては、「決められた仕事をきっちりこなす人も必要だ」というものがあり、反対意見としては、「企業の成長につながらない」というものがありました。企業も一定の理解をしているとも見えますが、「そうでもしないと社員が辞めて困ってしまう」という意識で賛成している部分もあるのかなと私は感じました。


ユージ:「静かな退職」が日本でも広がっていること、塚越さんは、どうご覧になりましたか?


塚越さん:先週は「ホワイトハラスメント」の話をしましたが、今回もリスナーの方は何か一言、言いたくなるテーマかなと思います。例えば、静かな退職を選ぶ人の中には、職場が合わないとか、評価への不満を背景にしている人も3割強います。そう考えると、そもそも仕事に期待できないとか、もっといえば社会や未来に期待できないことも、静かな退職を選ぶ背景にあるのかと思います。若者だけでなく、一般的に「管理職の罰ゲーム化」と呼ばれたりしますけども、中高年の人もけっこう仕事に対するインセンティブって最近あまりないんですよね。なかなかね、未来が見えない。そう考えると、静かな退職を選ぶ人というのは、ともすると「やる気のない人」と言われがちですけど、そうではなくて「会社に期待できない、だったら最低限でいい」と「合理的に働いている人」とも言えるのかなと思います。


ユージ:心の余裕を保つために省エネで働いているということですね。


塚越さん:そうすると逆に、これは個人のやる気の問題というよりも「社会全体が頑張る意味が見えなくなっている」そこに課題があるんじゃないかと私はこのニュースを見て感じたんですけどユージさんはいかがですか。


ユージ:自分の隣に座っている同僚よりも一つ頑張ってやろう!頑張りました、結果出しました!はいお給料変わりません。えっ俺、頑張ったのに。ということですね。だったら今求められてる最低限でやろうと。


塚越さん:そうですね。先週も言いましたけど、日本は失敗に関しては厳しいですけど、何かいいことしても給料が増えることはあまりないですよね。


ユージ:ご苦労さんで終わっちゃうのも、そのためにやってる人は「いやいやお金で反映させてよ」っていうね。だから気持ちはわからなくもないです。社会の体制もすごく重要かなと思います。


塚越さん:そうしてみると、やはり希望があるとか、頑張ったら報われるとか、「その先に未来がある」っていうビジョンがあるとみんながもう少し頑張る気持ちがあるけれど、その裏返し。アメリカでも静かな退職がある。静かな退職はもともとアメリカでブームになったんでね。みなさんいかが考えますかね。

ユージ:その代わり何かチャンスはあると思うんですけどね。給料には反映されません、でも頑張り続けている人にいつかチャンスがあたると僕は信じています。

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