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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

26.04.23

国際線燃油サーチャージ引き上げ、 夏休みの飛行機も考えるなら今?

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは、情報社会学がご専門の学習院大学非常勤講師塚越健司さんです。
今朝のテーマはこちら!


5月から国際線燃油サーチャージ引き上げ、
夏休みの飛行機も考えるなら今?

吉田:ANAとJALは20日、燃料高騰分を運賃に上乗せする国際線の燃油サーチャージの上限額を5月発券分から引き上げると発表しました。これから、飛行機代はどうなっていくのでしょうか?


ユージ:塚越さん、燃油サーチャージ引き上げの背景は何でしょうか?


塚越さん:まずですね、アジアの石油製品の取引の中心、実はシンガポールなんですね。これに合わせてジェット燃料の価格もシンガポールが中心となっていまして、ANAとJALは燃油サーチャージの価格を、シンガポールを基準に算出しています。それによると、例えば日本と韓国を結ぶ便は、ANAがこれまでの3,300円から6,700円にアップします。JALも3,000円から6,500円になります。さらに、サーチャージがどうしても高くなる北米やヨーロッパだと、ANAが31,900円から56,000円へ、JALが29,000円から56,000円とかなり上がります。また、サーチャージの料金改定は2ヶ月ごとに見直しするのですが、今回は、6月予定だったところ急遽1ヶ月前倒しになりました。そして、いま紹介したのは「サーチャージ」の価格なので、もちろんこれに通常のチケット代がプラスされます。


吉田:そもそも、燃油サーチャージというのはなぜ存在するのでしょうか?


塚越さん:燃料代も航空運賃に含まれればいいじゃないかと思いますよね。ただ、原油価格は激しく変動するので、透明性の観点からも、燃油が上がったことをお客さんにも理解してもらうために、別途サーチャージを取るという仕組みです。これは1990年代後半から国際的に認められて、日本でもJALとANAが2005年から導入しています。あと、これは覚えておいてほしいのですが、今回の値上げは5月以降の発券分からなので、例えば夏休みのチケットでも、4月中に購入して発券を済ませられれば、値上げ前の価格になります。現状だと夏に燃油が下がる可能性はあまり考えられないので、そうなると今月中の駆け込み需要もあるかと思いますが、数ヶ月先の世界はなかなか見通しがつかないところもあります。


ユージ:サーチャージがない航空会社もありますよね?


塚越さん:そうですね。たとえば中東のカタール航空や、シンガポール航空、またニュージーランド航空などはサーチャージがないというケースもあります。とはいえ、当然ですがその場合は燃油代はチケットに含まれるから全体の値段をみる必要があり、ここは注意してほしいかなと思います。また、国際線は乗り継ぎやマイル特典などもいろいろとありますので、気になる方は飛行機の「ポイ活」を考えてもいいかもしれません。


吉田:塚越さんは、まだまだ値下げが難しそうな飛行機の運賃、どう見ますか?


塚越さん:中東情勢がこういう状態なので、仮に今この瞬間アメリカとイランの衝突が終わったとしても、一般消費者向けの燃料はしばらく高くなりますよね。これは世界的な動きなので、特に海外旅行を検討されている方は今のうちによく考える必要があるかなと思います。日本は特に石油だけでなく、為替=円安の影響もあるので、海外旅行のハードルがさらに上がっています。先ほども言ったように、行くことはいいんですけども、世界的に石油危機と言われていますので、モノの値段が高くなったりいろんなことがあります。そういう意味でも数ヶ月先はなかなか見通しが難しいかなと思います。一方、JALとANAは来年度から、国内線でも燃油サーチャージの導入を検討しているという報道もあります。報道なのでまだどうなるかわからないですけど、今みたいに原油高の変動が激しくなると、今後は国内線もサーチャージが生じる可能性があるということを私たちも頭に入れておく必要があります。またそうなると、場所にもよりますが国内でも「飛行機か新幹線か」という比較が必要になったりと、いずれにせよ燃料価格は大きな影響を持つと思います。番組では前にもお伝えしましたが、飛行機のジェット燃料は量が多く世界のCO2排出量全体の2%〜3%近くを占めています。環境にも色々問題があるということで、これを代替するための持続可能な航空燃料「SAF(サフ)」の研究も進んでいます。てんぷら油とかからつくるものですが、やはり量も少なく値段が高い状態にあります。こういった研究が世界中でも進んでるし日本でもいろんな研究があるんですけども、今すぐ代替とはいかず、長いスパンでというところになってきます。そうすると世界が不安定になる中、長期的にみると石油依存からの脱却は必要なんですけど今のところは少し高いという感じになりますので、これから夏に向けていよいよ我々は石油の問題を考えないといけない。旅行もね、考えないといけない。


ユージ:まだ影響が出来っていない部分でこれからじわじわと出てくることがありそうですよね。


塚越さん:むしろこれからなんですよね。2ヶ月後3ヶ月後というところにあって、見通しがつかないからなかなか難しいところですけど。


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