26.05.28
電気・ガス料金3ヶ月5,000円支援へ。去年の夏と比較すると

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは情報社会学がご専門の、学習院大学・非常勤講師 塚越健司さんです。
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電気・ガス料金3ヶ月5,000円支援へ。去年の夏と比較すると
吉田:政府は5月26日の閣議で、7月から9月に実施する電気・ガス料金の補助費として、2026年度予算の予備費から5135億円の支出を決めました。今年の夏も暑くなる予想ですが、補助金は生活にどのくらいの足しになるのでしょうか?
ユージ:塚越さん、この夏の電気・ガス料金の補助について教えて下さい。
塚越さん:お話にあった通り、政府は先日およそ5000億円の支出を閣議決定しました。これは中東情勢の悪化を受けた家計支援が目的です。金額ですが、夫婦と子ども2人のいわゆる「標準家庭」だと、3ヶ月間の電気・ガスが合計で5,000円程度になります。ただ、今回は地方で利用が多いLPガス=プロパンガスは支援対象になっていないので、別途補正予算を組んで支援する予定です。
吉田:補助金の予算は、予備費からということですね?
塚越さん:毎年予備費をつくるのですが、今年度の予備費は1兆円なので、今回の補助で半分が使われます。予備費はもともと災害といった緊急事態にキープしておくお金です。さらに今も行われているガソリン補助。これには基金が使われているのですが、これも底をつきそうです。つまり政府は予算確保が課題になっているのですが、そこで3兆円を超える「補正予算案」を考えていて、早ければ来月上旬の成立を目指している、という報道もあります。
ユージ:記録的暑さだった、おととしや去年の夏と、今年の夏の予想気温や補助額を比較するとどうでしょうか?
塚越さん:比較は大事ですよね。今年は3ヶ月で5,000円という補助額ですが、過去と比べてみましょう。時期などが多少変わってはいるのですが、2024年と2025年は共に3,000円台の補助額になっています。私たちの記憶にあるように、去年もおととしも夏は非常に暑かったです。ただ、それと比べても今年の5,000円という補助額は高くなっています。ちなみに今年の夏の気温ですが、気象庁の最新予報によると、やはり今年も最大級の暑さで熱中症対策が重要となります。いずれにせよ過去最高額の5,000円という補助金額ですが、これには暑さだけでなく物価高対策も含まれます。円安はずっと続いていますが、中東情勢の悪化もあります。その上で「この5,000円をどう見るか」というのが論点ですね。
ユージ:塚越さんは、この夏の電気・ガス料金への補助をどう見ていますか?
塚越さん:私は、今回の補助金額は多いと思います。気候変動もあって、結局この先も基本はずっと暑いです。エアコンは命に関わってくるので、電気代に困っている人たちへのピンポイントの支援は必要だと思いますが、かといって「一律の補助はどこまでやるのか?」という疑問もあります。電気やガスの補助は政府にとっては消費者物価指数を下げますが、とはいえ短期的には効いても長期的かというと話は別です。補助が終われば反動がきますし、それが怖いとなれば補助がやめられなくなってしまいます。また補助といいますが、もちろん原資は私たちの税金です。ここは忘れてはいけません。補助はこの数年ずっと続いていて、報道によれば、ガソリン補助も合わせるとこれまで15兆円近くになっていて、この金額は食料品の消費税ゼロを3年間できる額ということです。つまり、バラマキになっていないかということです。あとは、やはり過去と比べるべきは、今は「石油危機」と言われてもおかしくない状態になっています。高市総理は5月25日に、「情勢は依然として不透明であり、必要な施策を臨機応変に講じていく」と仰っていますが、やはり前半の「不透明」なのは間違いないです。赤沢経産大臣は、火力発電に必要な原油やLNGは確保できているので、「従来以上の節約をお願いする段階にはない」と言っていますが、だからといってガソリンからなにから補助を続ければ続けるほど、私たちが安心して使い続ける方向に向かいます。ガソリン補助に関しては政府から「節約を意識する」という言葉があっても良いと思います。メリハリが大事になってくるところなので、そこは我々は大事にしないといけないです。あと、補正予算を3兆円以上で組むと言われているので、来月になると補正予算の話がニュースで出てきて、この番組でも扱うと思いますが、それも含めて「こういう形で税金が使われていくのが良いのか」と我々は関心を持たないといけないです。夏はエアコンの使用が必要になりますので。
ユージ:本当そうですね。節約したい気持ちも分かりますが、お金と命ってなった時に命を優先にしないといけないです。
塚越さん:そこは大事にしないといけないです。一律はどうなんだろう?って思うところはありますよね。