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26.06.08

医療費アップ!診療報酬の見直しで何が変わる?

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【医療費アップ!診療報酬の見直しで何が変わる?】

吉田:病院や薬局での医療サービスに支払われる診療報酬が今月1日、改定されました。患者が窓口で支払う自己負担分も増えることになります。そこで今朝は、医療費アップの背景や、今回の見直しで何がどう変わるのかを神庭さんに解説してもらいます。そもそも診療報酬とは何なのか、改めて教えてください。


神庭さん:病気・ケガの治療や検査、薬の処方などの医療サービスに対して、医療機関や薬局に支払われる報酬のことを診療報酬と言います。医療サービスには1つひとつ点数がつけられています。1点10円で初診料291点であれば、×10で2910円。69歳までの現役世代は3割負担が原則なので、このうち870円を窓口で支払うことになります。診療報酬の点数は全国一律で決められていて、国が2年に1度、医療の進歩や日本の経済状況などを考慮して見直しています。それが今回、引き上げられたというニュースです。


ユージ:この診療報酬がどれくらい上がったんですか?


神庭さん:初診料自体は2910円で据え置きですが、付随する料金が色々上がってきます。まず「物価対応料」が20円、職員の賃上げに当てる「ベースアップ評価料」が170円。これら2つを合わせて少なくとも190円上がります。さらに1年後には、引き上げ幅が2倍の380円になります。自己負担3割の現役世代だと今年は57円、来年は114円、初診時の窓口負担がアップする計算です。再診料は10円上がって760円、そこに「物価対応料」20円、「ベースアップ評価料」40円が上乗せされるので、3割負担の人は21円の負担増となります。入院の基本料も引き上げられているんですね。


吉田:引き上げの狙いは何でしょうか?


神庭さん:世の中全般の物価が上昇している以上、医療機関も物価高に対応するのは当たり前かなと思います。中東情勢を受けたナフサショックで医療用手袋や注射器、点滴用具なども値上がりしていますよね。全国の公立病院の8割超、民間病院の6割超が赤字になっています。病院側のやせ我慢でどうにかできるレベルをとっくに超えており、引き上げはやむを得ないのかなと思います。最近では、前期研修を終えた研修医が後期研修をせずにそのまま美容医療の世界に入る「直美」が問題化しています。多額の国費を投じて育成された若手医師が、救急や外科、産婦人科などのキツイ職場を避けて、ホワイトで報酬も高い美容を選ぶようになっているということで、これだと日本の医療は空洞化してしまいます。医師や医療スタッフがやりがいを持って働けるように、賃上げを促すのは大切なことだと思います。


ユージ:他にはどんな変化がありますか?


神庭さん:日経新聞によると、Wi-Fi利用料や、外国人を診察した際の多言語対応にかかる費用、オンライン診療にかかるシステム利用料などを医療機関が保険外で徴収できるようになりました。なかでも話題になっているのが、患者都合で直前で予約をキャンセルした場合のキャンセル料の徴収です。補足しておくと、すべての医療機関がキャンセル料を取れるわけではありません。事前に国に届出をして、予約料を徴収している全国928ほどの医療機関だけが対象ということです。一般的な無料の予約は対象になっていません。


ユージ:すべての病院が対象というわけではないんですね。


神庭さん:一部の医療機関だけです。厚労省の当初の通知はすべての予約が対象と読めるものだったのですが、そうではないということで後から訂正が出ています。ANNによると、キャンセルによって年間150万円の損失が出ているクリニックもあるということです。病院の規模が大きければもっと膨らむと思います。医療機関にとってはドタキャンは大迷惑です。有料キャンセルだけでなく、無料キャンセルに関してもキャンセル料を取れるようにしたらいいのではないかと思います。一方で、きちんと予約をしていったはずなのに、待合室でものすごく待たされて「予約とは?」となるケースもありますよね。予約した場合は何分以内に診察するなど、患者の体験価値を上げる医療機関側の努力も求められているかなと思います。


ユージ:診療報酬の引き上げ、課題は何でしょうか?


神庭さん:物価高や医療スタッフの賃上げのための対応はやむを得ませんが、現役世代の負担を青天井で増やし続けることには賛成できません。統計家の西内啓さんはTOKYO MXの番組で「医療費総額48兆円を単純に全人口で割ると1人40万円払わされている。4人家族で160万円。その負担がなかったら生活はもっと楽になる」と仰っています。医療サービスを使う人と、医療費を負担する人がズレているのが最大の問題です。このねじれを解消するためにも、高齢者も含めた全世代の3割負担導入が急務ではないかと私は思います。年金でいうところのマクロ経済スライドのような、現役世代の負担を抑える仕組みが医療にも必要ではないでしょうか。ウイルス性の風邪に抗菌薬を処方するなど、健康に効果のない無価値医療もバッサリ削らないといけません。一方で、万が一の大きな病気や手術時の負担をケアしてくれる高額療養費制度は公的保険の本質であり、ここには守ってほしい。ただ減らせ、削れではなく、メリハリをつけた医療費改革に期待したいと思います。

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