26.06.16
インフルエンサーになりすまし!副業詐欺の最新手口

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【インフルエンサーになりすまし!副業詐欺の最新手口】
吉田:SNSでインフルエンサーになりすまし「副業で儲かる」と持ちかけて現金を騙し取ったとして、大阪府警は6月10日、会社役員の男ら男女41人を逮捕したと発表しました。今朝は副業詐欺の手口や注意点について、神庭さんに解説してもらいます。
ユージ:逮捕者が41人!かなり大規模な事件ですね。
神庭さん:産経新聞によると、逮捕された男は大阪市内の会社の代表で、この会社は仲介会社を通じて、フォロワー数が多く、料理や美容の発信をしている、複数の女性インフルエンサーのSNSアカウントを購入したそうです。アカウントを買った後も本人になりすまして投稿を続けて、フォロワーをアフィリエイトの副業に勧誘していた。アフィリエイトというのは、ブログやSNSで商品を紹介して、購入につながるとお金が入ってくる成果報酬型の広告のことですね。容疑者らは「スクールを受講すれば、さらに高額な収益を生み出せる」などと誘い、お金を引っ張っていました。女性3人から合計およそ85万円を騙し取ったというのが逮捕容疑ですけれど、昨年1年で女性を中心におよそ2,300人が被害に遭って、被害総額はおよそ6億5,000万円に達するということです。警察はトクリュウの関与も視野に調べています。
ユージ:「副業でお金を稼ぐ」はずだったのに、どうして逆にお金を取られてしまうのですか?
神庭さん:楽にお金を稼ぎたいという心理につけこんで、SNSで工作を仕掛けていたようなんですね。読売新聞によれば情報商材の購入者を装ったSNSアカウントで「情報商材のおかげでフォロワー数が増えて収入も増えた」とウソを投稿。投稿を見た人とメッセージでやりとりして、情報商材を売りつけていたそうです。「ウィンザー効果」とか「客観性バイアス」といいますけれども、業者が直接「儲かりますよ!」というよりも、第三者が「これで儲かりました!」という方が信頼されやすいんですね。冷静に考えたら、副業でお金を稼ごうとしているのに、お金をむしられるなんておかしいんですよ。おかしいんですけれど、でも「インフルエンサーが言ってるから」ということで信じてしまった人もいたのではないでしょうか。
吉田:副業をめぐるトラブルですが、他にもあるんですよね。
神庭さん:消費者庁が昨年、具体例を挙げて注意喚起しています。
「アフィリエイトは初心者でも簡単に稼げる」「月50万円が当たり前になる」「儲けが出なければ返金保証がある」などと持ちかけて、副業の「サポートプラン」を契約すれば、契約金以上の報酬を簡単に得られるなどと勧誘。高額なサポートプランの契約をしたのに、報酬を得られなかったといった相談が、各地の消費生活センターに数多く寄せられたということです。儲け話をサポートするからお金を払えというスキームは、先ほどの事案とも共通していると思います。
ユージ:実際にどうやって勧誘するのか、具体的に教えて下さい。
神庭さん:消費者庁によれば、こんな流れです。SNSに「1日数回の簡単なアンケートに答えるとお金を稼ぐことができる」といった広告が表示されます。興味を持ってクリックすると、LINEアカウントの友だち追加を要求されます。そこに「ユーザーがえらんだ!!スマホ副業ランキング No.1」「あなたも今日から勝ち組」「即日ザクザク副収入!」とアンケート副業を勧められ、さらに別のLINEアカウントの友だち追加を求められます。副業に必要なガイドブックを購入するように言われ、購入後にまた別のLINEアカウントを友だち追加するよう促されるということです。
ユージ:「友だち追加」だらけじゃないですか。
神庭さん:いったい何回、友だち追加させるのか。この時点でだいぶ怪しいですが、それでも友だち追加をすると、電話で説明したいと言われ、なぜか当初案内されたアンケート副業ではなくて、アフィリエイト副業を勧められる。ここでも話がすり替わっちゃってるんですよね。そして「説明が色々と複雑になるので、画面を共有して説明します」などと言われ、遠隔操作アプリをダウンロードさせられたかと思うと、今度は副業サポートプランの売り込みが始まるということで、「60日間、250万円のサポートプランに参加すれば、それ以上の報酬が得られます」などと誘われる。客が迷っていると「消費者金融で簡単にお金を借りることができる」「借りられた分だけでプランを進めましょう。足りない分は、儲かってから払えばいいです」と畳みかけられ、ついお金を払ってしまうということなんですね。
吉田:怖いですね。副業をめぐる詐欺やトラブルでは、どんな点に注意したらいいでしょうか?
神庭さん:これはもう、何回も言い古されていることですけど、簡単に稼げる儲け話なんてないです。あれば人に教えず自分でこっそりやっていますからね。スクールだとか、サポートだとか言って、高額な情報商材を売りつけてこようとする時点で「おかしいな、変だな」と思ってください。そして、「アンケートに答えるだけ」「いいねするだけ」「スクショを撮るだけ」、もう「だけだけ」言っているのを信じないでください。そんなことで儲かるはずがありません。アフィリエイトも簡単に稼げるほど甘くはないです。今回のようにインフルエンサーの中身が入れ替わっちゃってると。あなたが信頼している大好きなインフルエンサーだと思ってた人が、中身が違う人になっちゃってるっていう可能性も今回立証されたわけですから。そうなるとインフルエンサーの側も「売っぱらったからいいんだ」という話ではなく…。
吉田:売るのは罪には問われないのでしょうか?
神庭さん:売ること自体は規約には抵触するけど即違法ってことではないかもしれないですけれど、とは言えね、その後に何に使われるかってなんとなく察しがついてたんだとしたら、やっぱり社会的な責任、道義的な責任は問われると思うんですよね。あとは、SNSからLINEに引き込もうとしたり、「テレグラム」や「シグナル」などのアプリを使うように言われたりしたら、「いや、おかしくない? 変だな」と、ぜひ気づいてほしいなという風に思います。
ユージ:もう本当にいろんなところにこういう危険な怪しいものっていうのが潜んでいるので、ちょっとやっぱり一歩下がった状態で警戒心を持ってやり取りをするのがベストですね。
神庭さん:冷静に判断してほしいなと思います。