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26.06.17

日銀、政策金利を1%に利上げ 31年ぶりの高水準…生活への影響は?

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは情報社会学がご専門の、学習院大学・非常勤講師 塚越健司さんです。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


日銀、政策金利を1%に利上げ 31年ぶりの高水準…生活への影響は?

吉田:日銀は6月16日、金融政策決定会合を開き、物価や景気を調節する政策金利を現行の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決めました。利上げは去年12月以来で、政策金利は1995年以来、およそ31年ぶりの高い水準となります。塚越さん、まずは「日銀の利上げ」について、改めて教えて下さい。


塚越さん:まず、利上げについて改めて説明します。利上げは国の中央銀行、日本なら日本銀行が政策金利を引き上げることです。一般的に、景気がよくて物価の上がり過ぎを抑える時に利上げが起きます。利上げで金利が上がると、企業は借入の負担が増えるので、今までよりもお金を使うのを抑えるので、市場の加熱が収まって物価上昇も収まるということです。一方で上げ過ぎると景気が悪くなるので、利上げやもう一方の利下げを含めて、金利政策は非常に重要です。


吉田:今回の利上げの経緯や背景について、詳しく教えて下さい。


塚越さん:31年ぶりに1%と高くなった今回ですが、植田総裁が感染症の治療で入院して会合を欠席しています。利上げを決定する投票権を持っている委員会のメンバーは9人いるのですが、植田総裁を除いた8人で採決となり、1人が反対、その他は賛成ということになり利上げ決定です。総裁不在という異例の形ではありますが、利上げの観測自体は以前から市場でも広がっており、結果としては予想通りといえます。また内田副総裁は記者会見で、今後も利上げを継続する方針を表明しました。利上げの理由ですが、例えば5月の国内企業物価指数は石油関連の価格上昇もあり、前年同月比で6.3%と大幅に上昇したので、今後のモノの店頭価格が上がることを日銀が警戒していました。一方、4月の消費者物価指数はものすごく上がっているということではありません。ただし、これは政府がガソリン補助とかで抑えている部分もあるので、それを管理すると結構インフレかなと思います。日銀は物価の安定という課題があります。デフレも嫌ですが、インフレ率は年間2%を目標としています。賃上げも続いているので、全体としては「今後の物価上昇を緩やかにする為に先回りで金利を上げましょう」ということだと思います。さらに、海外との金利差で円安が進行してインフレも加速する恐れもあるので、民間の調査でも今年値上げする商品は、年間を通して最大で2万点になるという想定もあるので、委員会では利上げに賛成する意見が広がっていました。一方で一般の私たちからすると、「ホルムズ海峡の問題で景気は悪化するのでは?」と思います。日銀も2月の終わりに中東情勢が緊迫してから、景気悪化を懸念していました。もちろん、アメリカとイランの停戦の暫定合意という明るいニュースもありますが、先行きはまだ不透明な部分もあります。とはいえ、このままだと円安が進行してしまうので、懸念はありますが今回は利上げで物価抑制に動きました。いろいろありますが、難しい決断だったと思います。


ユージ:日銀の利上げ。私たちの生活にはどのような影響があるのでしょうか?


塚越さん:そこが重要ですよね。まずメリットとしては、物価上昇率が緩やかになるということです。今回の判断でモノの値段が今より安くなるとは考えにくいですが、少なくとも今後の上昇率は落ち着くと考えられます。もう1つのメリットは、銀行預金の利息が上がるということなので、預金の多い人にはよりメリットになります。あと、金利が上がれば円を買う人が増えて、結果的に円安の是正にも寄与すると思います。ただ、これに関しては即効性があるわけではないですし、海外の金利との関係もありますね。一方でデメリットは景気が悪化して企業も投資が減ります。個人としても、住宅ローンの金利が上がります。特に住宅ローンについてはこれまで、固定金利よりも変動金利の方が金利が低いことから変動金利を選ぶ人が多くいましたが、住宅ローンの金利も上がるとなれば、変動を選んだ人は今後影響が出てくるので、返済額のシミュレーションをもう一度考える必要が出てくる人もいるでしょう。なので、ローンや借入のある現役世代にはデメリットは大きいかなと思います。


ユージ:日銀の今回の利上げ。塚越さんは、どうご覧になっていますか?


塚越さん:物価上昇の原因は、国内要因よりもホルムズ海峡の石油問題からきたものが強く、いわゆるコストプッシュ型のあまりよくないインフレだとみています。仮に戦争が終わっても、石油製品の価格がすぐに下がるわけではありません。そういう状態の中での利上げなので、思ったより物価が落ち着かないのに、人によってはローンが膨らむといったことが起きないかが心配です。あとは企業の問題です。大企業は内部留保があるので良いですが、中小企業にとっては金利上昇が効いてきて、なかなか賃上げや設備投資が難しくなると思いますが、必ずしも政策を上げるのは仕方ない部分だと思います。いずれにせよ、金利の上昇をある程度織り込んだ上で、私たちも生活することが重要になると思います。

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