network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.10.28

電力・ガス、4ヵ月連続値上げ
null
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『電力・ガス、4ヵ月連続値上げ』



吉田:大手電力10社と大手都市ガス4社が、12月の家庭向け電気・ガス料金を11月と比べて、全社値上げする見通しであることが分かりました。電力・ガス全社の値上げは、4ヵ月連続となります。


ユージ:神庭さん、実際どれくらい値上がりしているんですか?


神庭さん:共同通信などの報道によるとですね、11月から12月の値上げ幅は、東京電力で114円、関西電力で89円、中部電力で127円と結構上がっているんですね。前年の同じ月と比べると、東京電力で18%増、関西電力で11%増、中部電力で16%増と、大幅に増えているんですよね。


ユージ:ちょっと例えがあっているかわかりませんけど、ガソリンとかも値上げしてるとよく言われているじゃないですか?ガソリンの値上げの幅って、100円上がることはないんですよ。1円単位でちょっとずつ上がっていくもんなんですけど、ここでいう値上げって、114円上がったとか、結構、大きい金額ですね…。


神庭さん:エリア別で見るとですね、沖縄電力が141円と最も値上げ幅が大きくて、それ以外の地域でも、中国電力が120円、東北電力では109円、四国電力は91円、北海道電力は71円、北陸電力は70円、九州電力は67円ということで、全国的に値上げしているんですね。


吉田:特に電気料金は、過去5年で最も高い水準に達しているということなんですけど、この理由はなんなんでしょうか?


神庭さん:大きな理由が3つありまして、コロナ禍で化石燃料の需要は落ち込んでいたんですけれども、各国で経済活動が再開されてきましたよね、それに従って、だんだんと需要が増えてきちゃったと。増えてくることはいいことなんですけどね。


ユージ:戻ってきたという事ですよね?


神庭さん:そうですね。それに伴って、『発電に使う液化天然ガス(LNG)が高騰』してしまって、電気料金への転嫁が避けられない状態になっていると。電源構成でみるとですね、電源構成というのは、国の発電がどれくらいの燃料でなされているかということなんですけれども、LNGの比率は全体の37%で最も依存度が高いんですよね。という事で、値上がりの影響も大きくなってくると。それが1つ目で、2つ目は、『世界的な天候不順』があります。日経新聞によると、ヨーロッパでは風速が例年より弱くて、風力発電が低迷してしまったと…。それを補う形で、天然ガス需要が高まったということがありますし、あと、南米ではですね、干ばつの影響で水力発電所の出力が低下してしまっています。どうしても再生エネルギーというのは、天候の影響を受けやすいんですよね。アメリカも、ハリケーンによってシェールガスの生産設備が打撃を受けてしまって、こうしたことがエネルギー価格の高騰に拍車をかけているんです。


吉田:最後、3つ目の理由はなんでしょうか?


神庭さん:はい、3つ目というのは、地政学的なものもあるんですけど、『中国、ロシアといった大国の動向』なんですね。中国は石炭火力が主流なんですけれども、『青空作戦』というものを打ち出していて、大気汚染対策とCO2削減に力を入れ始めているんですよね。力を入れることはすごくいいことなんですけれども、それによって、従来の石炭に比べればてエコだと言われる天然ガスを爆買いしていると。中国はものすごい人口がいますから、中国が爆買いし始めると、やっぱり、国際市場にも大きな影響を与えるということなんですね。アジアのLNGのスポット価格というのは、去年の10倍まで上がっているので、その影響は無視できないなと思います。ヨーロッパでも天然ガスが高騰していまして、ヨーロッパの天然ガス需要の3分の1は、ロシアの国営企業の『ガスプロム』からの供給で賄われているんですけれども、9月に、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプライン『ノルドストリーム2』というのが完成したんですけれども、これに関して、「ロシアへの依存が強まるんじゃないですか?」ということで、アメリカとかEU諸国が警戒してきた経緯もあって、なかなかドイツ側の承認が進んでいないんですね。それを受けて、ロシア側がこれに揺さぶりをかけるために、兵糧攻めではないんですけれども、他のパイプラインからの天然ガス供給を出し渋ると。そういうことによって、さらに高騰してしまっているんじゃないかという見方もあります。ロシアの方は否定していますけれども、そういった見方もあります。今まで説明してきた3つの理由が相まってですね、世界的な天然ガス争奪戦が起きてしまって、それが電気料金の値上げにもつながっているということなんです。


吉田:う~ん、そういった事情があったんですね。今、衆議院議員総選挙も終盤戦ですよね。エネルギー政策にも目を向けるべきかなと思うんですけど、いかがでしょうか?


神庭さん:おっしゃる通りですね!先日、経済安全保障の話をしましたけれども、『エネルギー安全保障』というのは、その中でも私たちの生活にダイレクトに影響する、本当にど真ん中中のど真ん中の超重要テーマなんですよね。日本は、2050年の『カーボンニュートラル』を目指しています、カーボンニュートラルと言うのは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることなんですけれども、このためにはですね、先ほど言った、「電源構成をどうしていくのか?」「どうやって火力を減らしていくのか?」「原子力とか再生エネルギーはどうするのか?」という議論が避けられないわけです。再生エネルギーは、急に増やせませんから、繋ぎとしての天然ガスをどう確保するかというのは、とっても大事になってくるんですね。そういった視点でぜひ、各党の政策を、エネルギー安全保障の観点からもきちんと見比べていただいて、投票の参考にしていただきたいなと思います。この前の冬はですね、寒波によって電力が逼迫して、新電力の場合だと電気料金がすごい上がっちゃうみたいな深刻な事態になりましたけれども、将来的な2050年のカーボンニュートラルというのは非常に意欲的で高い目標で、それはもちろん大事なんですけれども、その手前の足元で、去年の冬みたいなことにならないように教訓を生かしながら、ガス・電力が止まらないような供給体制を整えていくということが大事じゃないかなと思いますね。


ユージ:本当ですよね、金額的にも上がっているということで、家庭レベルでも上がってますけど、大きい会社とかになってくると、使う電力の数も増えてくるので、やっぱり、生活にかなり影響してくる部分にはなるんだろうなと思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top