26.09.24
豪雨で半壊の9割が支援金対象外…いざという時の備え

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは情報社会学がご専門の、学習院大学・非常勤講師 塚越健司さんです。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら
「豪雨で半壊の9割が支援金対象外…いざという時の備え」
吉田:8月の千葉豪雨で交付された住宅半壊の罹災(りさい)証明書3,000件余りのうち、国や県の支援金の対象外となる住宅がおよそ9割に上ることが、共同通信の取材でわかりました。
ユージ:千葉では8月、そして今週も台風の影響で豪雨の被害が出ています。
塚越さん:まず8月の千葉豪雨の被害を確認しますと、千葉県の各地で下水道の排水能力を超える量の雨が降ったことで、マンホールから水が溢れる「内水氾濫」と、また河川から市街地に水が溢れる「外水氾濫」が起きました。千葉市では雨水対策重点地区で1時間あたりの雨量を65.1mmとして対策を強化してきたのですが、8月の豪雨では1時間で115mmの降水量と想定を超えており、内水氾濫などの被害が大きくなってしまったというわけです。また今回の台風25号の大雨でも、千葉県ではレベル5の「緊急安全確保」の避難情報が発令された地域もあり、一時は5万5,000軒を超える停電も発生しました。
吉田:そんな中、豪雨災害で家が半壊しても支援金の対象外ということが起きているようですね。
塚越さん:共同通信によりますと、8月の豪雨災害によって半壊した住宅は9月15日の時点で3,067件ありました。損害状況によって、半壊のなかでも大規模半壊や中規模半壊などに区分されるのですが、今の「被災者生活再建支援法」だと、全体の9割にあたる2,786件が「通常の半壊」という、支援金の対象外の区分となりました。千葉県によると、国と県の支援事業で、大規模半壊だと最大250万円、中規模半壊でも最大100万円の支援金が出る一方、通常の半壊はこれにあたらないということですね。同じく通常の半壊と認定され支援金の対象外だった割合は、2024年の奥能登豪雨の石川県輪島市では8割弱、2020年の豪雨の熊本県人吉市ではおよそ3割でした。ただし、災害救助法に基づいた応急修理や、自治体独自の見舞金とか、税金や保険料の減免などが出る場合もあります。これらは自治体によって異なりますので、被災した方はもちろん、そうでない方も検索してみてください。
ユージ:では、豪雨に備えて災害保険はどうすればいいですか?
塚越さん:まず、火災保険に入っている人は多いと思いますが、これに水災を補償するタイプのものがあります。ただし、水災補償のないものや、外している場合があるので注意が必要です。水災補償がついていれば、河川の氾濫だけでなく、下水などが溢れる内水氾濫も対象になる場合があります。この「内水氾濫」は川から離れた場所でも起きます。「うちは近くに川がないから」と水災補償を外している方もいると思いますが、今回ここが大事なんですよ。さらに、床上浸水や浸水の深さ、損害の割合など、保険金が出る条件は契約によって異なりますので、なかなかここが難しいですよね。
なので、まずは火災保険に水災補償がついているか、どこまでの補償なのかを確認していただければと思います。ネットの検索だと比較検討も難しいと思うので、手軽にやりたい方は生成AIに、個人情報や証券番号などは隠した上で補償内容を読ませて、「これどういう条件なの?」「水災補償ついてるの?」など、整理してもらうのも一つの方法だと思います。ただし、最終的には保険会社などに確認が必要だと思います。
ユージ:豪雨災害で家に被害があった際に、まずするべきことは何でしょうか?
塚越さん:災害時は命を守ることが最重要です。水が引いた後、片付けに入る前に写真を撮るなどの記録が大事です。
ユージ:これが罹災証明にもなるということですね。
塚越さん:家の外側を4方向から撮る。浸水の高さがわかるように、メジャーなどを使って一緒に写真を撮るということです。屋内でも、床とか壁、家財の被害がわかるように、部屋ごとに写真を残す。こうした写真は保険金だけでなく、罹災証明や支援の手続きにも役立ちます。あとは、保険会社や賃貸の場合は大家さんや管理会社に連絡します。市区町村では証明書を申請してください。支援金や税金の減免などに必要になります。被災されるとやはりショックも大きいです。すぐに行動するのが難しいと感じる方もいらっしゃると思います。今、お話しした情報をこれから何かあったときに、思い出せるように覚えておいていただければと思います。やることはたくさんありますが、私がいいなと思うのは、生成AIを使って「何が必要か」を聞いてみることです。被災した直後は電池の心配もあるので状況にはよりますが、AIと会話しながら、やるべきことを1つずつ確認していくのも重要だと思います。また、ご自宅のハザードマップで想定される被害などをチェックしておくことが重要です。
ユージ:想定しうる状態をハザードマップでまず確認して、この傾向があるからこれに備えたものを用意しておこうとか、できることを今のうちに備えておいたらいいかもしれないですね。