network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.09.02

若者向けのワクチン集団接種
null
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただくテーマはこちら!


『若者向けのワクチン集団接種』


吉田:東京都が先月27日に渋谷区に開設した予約不要の若年層向けワクチン接種会場について混乱が続いています。初日には、早朝から定員を超える多くの人が並び、午前11時50分に受け付けを開始する予定が午前7時30分には受け付けを打ち切る事態になりました。2日目には、現地で抽選券を配る『抽選制』に切り替えましたが、抽選券を求めて、またも長蛇の列ができ、倍率は6倍を超えたということです。そして現在、現地で抽選券を配るのではなく、『オンライン抽選』の早期導入を検討しています。こうした一連の混乱から、東京都の見通しの甘さが露呈し、“打ちたくても打てない”若年層が多いことが明らかになりました。


ユージ:いろんな意見があるみたいですよね…。これはかなり議論されていますけど、神庭さん、どうですかこれ、かなり二転三転しているような気がしているんですけど。


神庭さん:いやぁ、本当に大混乱しています。渋谷の若者ワクチン接種センターは、今後、オンライン抽選に切り替えるということなんですが、だとしたら、そもそもなんで最初、抽選券を現地で配ったんだ?というのが最大の疑問で全く意味がわからないんですよね。本来、ネットで抽選から予約まで全部完結できちゃうんです。最初からそうすればよかったんですけれども、おそらく、抽選にするとですね、『予約なしでふらっと来られる』というコンセプトが崩壊しちゃうので、現地で配ることにこだわったのかもしれないんですけど、それにしてもちょっと軌道修正が遅かったかなとも思いますし、“東京都も若者対策を頑張ってます!”というやってる感の演出といいますか、“長蛇の列ができるほど盛況です!”という画づくりのためだったのかなと…。そういうふうに考えると炎天下で長時間並ばされたうえに、しかも、抽選も外れてしまった人は本当に気の毒だなと思います。


ユージ:『予約なしでふらっと来られる』というコンセプトは確かに気軽に行けるといういいキャッチフレーズだなと思ったんですけど、予約なしでふらっと来られた場所というのが、接種会場じゃなく抽選会場なんですよね?だから、結局、抽選券を取るための会場であって、その後に接種会場に切り替わるだけであって、みんなが来たときは抽選会場なんですよね。だから、それをちゃんと言ってほしかったなと思いますね。来ても受けられない場合がありますと。


神庭さん:小池都知事は「密でしたよね、工夫してほしいですね、現場で」みたいなことをね、他人事みたいな感じで言っていたんですけど、「それはないでしょ…」と思いますし、そもそも東京都の進め方がおかしいから、こういうおかしな結果になっているのではないかと思いますけどね。


ユージ:各所から批判が集まっているというふうに聞いています。


神庭さん:河野太郎ワクチン担当大臣も、「打ちたい人がたくさんいる中で、予約なしというのはかなり無謀な話」と、かなり強い言葉でですね、批判していましたけども、その通りだと思います。例えば、少なくとも1日数千回分のワクチンを用意できていて、“接種希望者がひっきりなしに来ても対応できるよ!”という状況だとしたらですね、“予約なし”というのも全然アリだと思うんです。実際、アメリカでは、駅とかで予約なしの接種会場を作っているんですけれども、それは潤沢な在庫があることが前提であって、1日200人分しかないのに、「予約なしでどんどん来てくれ!」ってやったら、そりゃ、ああなるよね…っていう話なんですよね。


ユージ:カップルで来て、抽選券を得るために何時間も何時間も並んで、いざ発表されたときに彼氏の方が落ちちゃったっていうのを僕は聞いたんですよ。一緒に来たんだけど、彼女だけ接種のためにまた並んで、彼は帰るという…。なんかねぇ、そういうことも起こってしまうというは、一つの例ですけどもね、やっぱり、ちょっと考えた方がいいのかなと思いました。これほど混乱が広がったのは、「若者はワクチンに消極的」という誤解が背景にあったということですよね?


神庭さん:そう思います。東京都のモニタリング会議で紹介されたアンケート結果というのがあるんですけれども、これではですね、20~30代の若者の2割弱が『接種しない』と回答していて、そういう意味では、摂取しないと言っている人が若者の中にいることは確かなんですけれども、じゃあ、この2割弱という数字をどう評価するかという事で、僕はこれ、かなり少ないんじゃないかなと思っているんですよ。逆に言うと、接種経験のある人とか接種希望者は合わせて60~75%いるんですよ。これは非常に高い数字で。本来だったらこの数字を見て、『多くの若者が打ちたがっている』と認識しなきゃいけなかったところを、2割の方を過大評価しちゃって、『そんなに予約は来ないでしょう』と考えてしまったんじゃないなかというふうに思っていて、小池知事はですね、大行列が問題視されてから、「調査によって2割が否定的であるならば、8割は逆にワクチン接種の意思があるとも理解がされるわけで、若い方々の接種意欲は極めて高いということ」なんていうふうに話していたんですけれども、そのことに気づくのがちょっと遅過ぎたかなと思いますよね。


ユージ:少なくとも今回の調査で、打ちたい人がこれだけいるという事も分かったわけですから、次こういうことがあるときには、必ず対策をしたうえで会場を作ったりして欲しいですよね。


神庭さん:おっしゃる通りだと思いますね。


吉田:そんな中、若年層にワクチン接種の啓発を図る狙いで8月に東京都が予算化した、10億円の『ワクチン接種促進キャンペーン事業』に対して、「意味がない」と疑問の声もあがっているんですがこれについてはいかがですか?


神庭さん:10億円が高いか安いかという議論はあると思うんですけれども、ワクチン接種を迷っている人が一定数いるのは事実ですから、このキャンペーン自体が全くの無駄だとは僕は思わないです。YouTubeとかTikTokとかInstagramとか、若者が日常的に接触しているサービスをうまく活用して、例えば、デマの打ち消し情報を発信するとかですね、生きたお金の使い方をしてほしいなと思いますし。あと、「若者が感染を広げている」とか「ワクチンを打ちたがらないのは問題だ!」みたいな感じでこれまで散々、若者は何かにつけて叩かれてきましたけれども、今回のこの一件で、『ワクチンを打ちたくても打てない若者が大勢いるだよ』ということがあの長蛇の列から可視化されたと思うので、ユージさんが先ほどおっしゃっていたように、今後、ワクチン関連でなにか施策を進めるときは、まず、「若者は打ちたがっているんだよ」と、「そういう人が多いんだよ」というところから、その前提から出発してほしいなと思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。








過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top