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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.08.31

新型コロナウイルス患者の臨時医療施設
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『新型コロナウイルス患者の臨時医療施設』


吉田:新型コロナウイルスの感染急拡大で医療がひっ迫する中、厚生労働省は26日、体育館などに患者を集めて治療を行う『臨時医療施設』の設置を推進するよう、都道府県に文書で要請しました。また、政府分科会の尾身会長もBuzzFeed Japanのインタビューに対し「病床がひっ迫し、入院することがなかなか難しいのであれば、せめて宿泊療養の施設を整える。あるいは、臨時のプレハブ施設でも良いかもしれません」と語っています。
そんな中、東京の武蔵野、三鷹、府中、調布、小金井、狛江の6市長が都に対して、新型コロナウイルス患者の臨時医療施設の設置を求める要望書を提出。記者会見した各市長は、自宅療養者が増えている現状を踏まえて「非常に深刻な状態」「早急な対応を」と訴えました。
神庭さん、政府はどんな動きを示しているんでしょうか?


神庭さん:自宅療養者がですね、25日時点で11万人を超えてまして、こうした状況を受けて菅総理は25日の会見で、いわゆる『野戦病院』について、「病院の空きベッドや、それ以外の施設も活用し、酸素の投与を可能とする緊急の施設は、これまでに全国14か所に設けられてきました」と話して、緊急事態宣言エリアを中心に一時療養施設を増やしていく考えを示しました。


吉田:“野戦病院”という表現が出てきたんですけども、どういった施設をイメージすればよいのでしょうか?


神庭さん:確かに今の時代に“野戦病院”と言われてもイメージがわかないかもしれないですけれども、『新型インフルエンザ等対策特別措置法』によるとですね、医療機関が不足したり、医療の提供に支障が出る場合、都道府県知事が“臨時の医療施設”を開設しなければいけないんですね。これが今、“野戦病院”と呼ばれているもので、日本医師会の中川会長は、例えば、民間が所有するモノも含めた大規模なイベント会場であるとか、体育館、ドーム型の運動施設などを特措法に基づく『臨時の医療施設』として、集中的に医療を提供する場所を確保することを提案しています。目的は、中等症患者の入院場所の確保で、経団連と連携してですね、全国の企業の宿泊・研修施設を、コロナ患者のための宿泊療養施設とか臨時医療施設として活用することも視野に入れているそうです。


ユージ:“臨時の医療施設”を作らないといけないということは、病院が足りてないということですか?


神庭さん:そういうことなんですよね。日経新聞によるとですね、日本は一般病床と感染症病床を合わせて、およそ88万9千床あって、人口あたりの病床数は世界的にも多いんです。ところが、すべての病院の8割を民間病院が占めていて、医療資源が分散されているんですね。大きな公立病院とか大学病院に重症患者を集めて、軽症とか中等症はそれ以外の民間病院で診ましょうねというような役割分担がうまくできたら理想的なんですけれども、そこがなかなかうまくいっていないと…。民間病院は民間病院で地域の通常医療を担っていますし、コロナ患者を受け入れるとなれば院内感染対策とかも大変なわけですよね。


ユージ:そうですよね。だから、こういった人たちの数が増えるようにお願いはしていましたよね。政府の方からもね、協力してくださいっていう。


神庭さん:今すぐにどうこうできるという問題ではないんですけれども、この分散した医療資源をいかに集約して、行き場のないまま亡くなってしまうという、自宅療養の方が亡くなってしまうというような事態を防ごうというのが野戦病院の狙いだと思います。


吉田:すでに臨時の医療施設を作り始めている自治体もあるんですよね?


神庭さん:はい、そうなんです。福井県は体育館に最大100床の臨時医療施設を用意すると発表しました。大阪府の吉村知事もですね、28日のテレビ番組で、市内の国際展示場に1000床単位の野戦病院をつくりたいと発表したんですね。大阪の吉村知事、去年のうがい薬が云々という話を言い出したときには、正直、大丈夫かな?とちょっと心配になったんですけれども、今回の決断は本当にグッジョブ!だなと思っていて、コロナ診療の最前線で活躍してきた大阪大学医学部の忽那賢志医師がこの野戦病院の陣頭指揮をとるということなので期待していいんじゃないかなと思います。


ユージ:大阪でできるのならば、東京でもできないことはないと思うんですけど、どうなんでしょう?


神庭さん:当然そういう話になりますよね。なんで福井や大阪でできて、東京じゃできないのか?と…。毎日新聞がですね、『東京都が「野戦病院」をつくらない理由』という記事を出しているんですけれども、その記事によると、東京都福祉保健局はですね、「今ある医療資源を最大限使うことがまず先決で、臨時に病床を増やすことに取り組む必要はないと考えている」というコメントをしているんですね。ちょっと悠長だなと思うんですけどね。


ユージ:じゃあ、“できない”わけではなくて、“必要ない”と思っているということですね?


神庭さん:東京都に関してはそう思っているということなんですよね。


ユージ:なるほど…。


神庭さん:まあ、でも、いろいろ課題がありまして、一番の課題というのがやっぱり、『医療人材の確保』なんですよね。ガワだけつくって設備を集めても、実際に医療を担う医師とか看護師が集められないと「仏作って魂入れず」になってしまうと。吉村知事もですね、「最後は医療従事者の確保がネックになる」とツイートしているんですね。
じゃあ、どうしたらいいんだよ!って話なんですけれども、自衛隊にはお医者さんが約1000人、看護師さんも約1000人いるんですね。その力をなんとか借りられないかと思っていて、ワクチンの大規模接種センターもありますし、本来の国を守るという仕事もあるので、何でもかんでも自衛隊頼みでいいのか?という声ももちろんあると思うんですけれども、やっぱり、国難ですし、災害級の事態ですから、自衛隊であれば野戦病院も支えてくれるのではないかなというような勝手な期待ですけれども、してしまう部分はありますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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