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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.07.20

ワクチンをめぐるデマ
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんが取り上げるのはこちら!


『ワクチンをめぐるデマ』


吉田:アメリカの国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が17日、CNNのインタビューで、ワクチンに反対する意見や情報を広めるコメンテーターらを強く非難しました。新型コロナウイルスワクチンの接種率が低い州で感染者が急増している中で、国内の接種率の伸びが急速に鈍っていることを受けての発言とみられています。また、バイデン大統領も16日、ワクチン接種をめぐるSNS上の誤った情報が「人命を奪っている」と語りました。国内では、河野太郎行政・規制改革大臣が18日、NHKの番組で、ワクチンの接種ペースを維持するため「若い世代へ働きかけることが必要だ」としてデマの排除やSNSを通じた啓発に力を入れる考えも示しました。


ユージ:このコーナーでも、以前、取り上げたんですけど、ワクチン接種をめぐるデマは、まだ結構あるんですよね。ワクチンを打つ・打たないの判断というのは、日本では、“個人の自由”です。ご自身で調べて選択して欲しいんですけど、ただ、その“調べる”という部分について、デマがいっぱいあると…。神庭さんに伺いたいんですけど、ワクチンにまつわるデマって例えばどういったものがあるんですか?


神庭さん:明らかなデマとしての代表例は『接種したら人体が5Gに接続される』とかですね、『世界の黒幕がワクチンで人類を支配しようとしているのではないか!?』みたいな…。さすがに真に受ける人はあまりいないと思います。多少リアリティーがありそうで、信じてしまいそうなデマを警告の意味も込めて紹介したいと思います。よくあるのが、『ワクチンが不妊や流産の原因になる』というものなんですよね。若い人たちの間で信じている人も多いんですけど、これはデマです!


ユージ:これ聞いたことあります。


神庭さん:アメリカでは既に、妊娠中の人が13万人以上ワクチンを接種していて、接種後の追跡調査に基づいた報告によると、ワクチンが妊娠に悪影響を及ぼすという結果は出ていないんですね。日本産婦人科感染症学会も、「現時点で胎児や胎盤に毒性があるとかワクチン接種を受けた人が不妊になるといった報告はありません」、「ワクチンを接種することのメリットがデメリットを上回る」との見解を出しているんです。


ユージ:学会なども見解を出していますけど、私たちには届きにくい場合っていうのがありますよね。そういう時は、政治家がはっきりとメッセージを出すべきじゃないですか?


神庭さん:おっしゃる通りですよね。ワクチン担当の河野大臣もブログで先ほど紹介したようなデマを否定しています。一方で、公職者とかですね、影響力がある人物が誤情報とかミスリードな情報を発信するケースもあるので困りものなんですよね。例えば、ある自治体の首長がですね、ワクチン接種券に独自に市長のメッセージを同封してしまって、そこで「ワクチンは感染予防効果を期待できるものではありません」なんてふうに訴えているケースもあります。実際には、アメリカとかイスラエルでの研究などから、発症予防とか重症化予防だけではなくて、感染についても予防する効果があることがわかってまして、『こびナビ』という日米の専門家のプロジェクトがあるんですけれども、そこでも誤りだと指摘しています。本来、公職者とか発信力のある人たちが正しい情報を発信しないといけないんですけれども、残念ながら現状はそうなっていない部分があると…。
今紹介したのは、ワクチンに対し慎重派の人の誤情報でしたけれども、推進する側にもミスリードがあって、例えば、丸川珠代五輪担当相が先月末、「1回目の接種でまず一次的な免疫をつけていただく」というふうな言い方をして、専門家から批判を浴びたんですね。実際には、ちゃんと2回接種しなきゃいけないし、そのあと期間を置かなきゃいけないんですけど、そういうミスリードの発言をしたというケースもありました。


吉田:災害の時などもそうですけれども、どうしてデマってなくならないんでしょうか?そして、広まってしまうんでしょうか?


神庭さん:最大の問題点はそこなんですよね。やっぱり、デマとか誤情報って、センセーショナルで、おどろおどろしくて、しかも、断定的なんですよね。だから、人々の感情をすごく刺激する。一方で、デマとか誤情報に対する打ち消しの言説というのは、どうしても「そうした可能性は著しく低い」とか「因果関係は立証されていない」みたいな、ちょっと、まだるっこしいというか、小難しい言い方になりがちなんですよね。冷静で客観的であるがゆえに、どうしても、デマとか陰謀論に比べると地味でパンチが弱いというか、“コンテンツとしての魅力に欠けてしまう”のかなという部分はあるのかもしれません。


ユージ:今、SNSがあるので拡散力がすごいじゃないですか?だから、その分、デマってあっという間に広がると思うんですよね。ワクチンに限らず、どんなことでもデマを書く人がいて、今、ワクチンとかは世の中の関心ごとで、みなさんすごく関心があるので積極的に調べると思うんですよ。そうすると、デマを拾う可能性も高くなっちゃうという…。これ、なにか防ぐ方法というのは議論されていないんですか?


神庭さん:情報の出どころとか、大元の発信源に目を向ける必要があって、国際NGOが調査したところ、FacebookとかTwitter上のおよそ80万の言説を分析した結果ですね、たった12のアカウントがワクチンに関する誤情報の約65%を引き起こしていたことがわかったんですね。つまり、わずかな数のインフルエンサーの情報がSNS上で反響し合って、どんどん増幅されている。それだけプラットフォームの力が大きいということなので、もちろん、我々もファクトチェックとか頑張ってやっていますけれども、それだけではなくて、SNSのプラットフォーム側がですね、デマ投稿に警告バッジをだすとか、そういった方法で対策を取るということも大事なのかなと思います。BuzzFeedも専門家プロジェクトの『こびナビ』とコラボレーションしてファクトチェックをやっていますので、ぜひ、そういった情報を参考にしていただけたならと思います。☆『こびナビ』×『BuzzFeed』特設サイト



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