24.04.02
自民党、安倍派幹部に〝離党勧告〟を検討

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「自民党、安倍派幹部に〝離党勧告〟を検討」
吉田:自民党は、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関係した議員の処分を巡り、安倍派幹部の一部に「離党勧告」を科す方向で検討に入りました。神庭さん、早ければ今月4日にも処分を実施する、と報じられていますが、この「離党勧告」というのは、どれくらい重い処分なんですか?
神庭さん:自民党は党の規則で「8段階」の処分を規定しています。もっとも軽い処分は「党則順守の勧告」、もっとも重い処分は「除名」です。「離党勧告」は8段階のうちで「2番目」に重い処分です。安倍派の元幹部、塩谷立議員と世耕弘成議員にこの離党勧告を検討していると報じています。
吉田:2番目に重い処分ということは、厳しい姿勢の表れという事でしょうか?
神庭さん:共同通信によると、当初は4番目の「選挙での非公認」を軸に調整していたのですが、岸田総理がメンバーを聴取して「党勢の低迷を招いた反省が足りない」と判断して、厳罰化に傾斜したということです。選挙で非公認にしたところで、無所属で立候補して当選すれば「禊ぎは済んだ」という体になり、次回はまた自民党から立候補できます。そんな大甘の処分では世論の批判をかわせないと考えたのかもしれません。処分の対象は、39人で岸田さんは対象に含まれていないと報じられています。
ユージ:過去に「離党勧告」以上の処分が下されたケースってあるんですか?
神庭さん:あります。2005年の小泉純一郎総理の郵政解散の際に、造反して新党を結成した綿貫民輔氏や亀井静香氏はもっとも重い「除名」処分を受けています。あとは、2021年に新型コロナの緊急事態宣言下で銀座のクラブに行った松本純氏ら3人の議員が、2番目に重い「離党勧告」処分を受けています。ただし、このうち2人が1年以内に復党し、去年の5月には最後の1人も復党を果たしています。離党勧告が「厳しい、重い」と言われているのですが、ほとぼりが冷めたら「お疲れちゃん」で、また自民党に戻って来られます。
ユージ:なんか、それ聞いちゃうと、「離党勧告」も軽い処分に思えてきちゃいますね。
神庭さん:政党の後任が受けられないということで、無所属で出られると選挙がなかなか厳しいという面があります。派閥の幹部にありながら、裏金づくりを続けてきた議員が銀座のクラブ通いより軽い処分というのは世論の理解が得られないので、その辺りのバランスを考慮した可能性もあるのかなと思います。
吉田:自民党でもっとも多い3,500万円の不記載があった二階俊博元幹事長の処分はどうなるのでしょうか?
神庭さん:二階さんが処分の対象から外す方向だと言われていて、岸田さんに先回りする形で二階さんが次回の衆院選への不出馬を表明したことで、処分はやりづらくなりました。安倍晋三元首相が、二階さんについて「自民党で最も政治的技術を持った方」「政治のプロ」と評しただけあって、この辺りの嗅覚というか政局観はまったく衰えていません。二階さんは「義理」と「人情」と「プレゼント」を大事にしていてそれぞれの頭文字から、「二階のGNP」と呼ばれていたそうです。
ユージ:「うまい」とも呼べない、GNPって国民総生産のことをかけて、義理・人情・プレゼントですよね。いったいなんの「総生産」なんですかね。
神庭さん:二階さん側は政治資金の使途として、『ナンバー2の美学 二階俊博の本心』などの書籍2万7,700冊を購入し、「選挙区外の行政、議会関係者らに配布」したと説明しています。本当に裏金で本を買ったのか?選挙区「内」で本を配ったら違法な寄付になって、配布したのは本当に選挙区「外」だけなのか?JNNは本をタダでもらったという有権者の声を報じています。こういった部分をうやむやにして欲しくないなと思います。「不出馬」というのは、あくまで本人の意向に過ぎないので、党としては別途調査・処分を検討するべきだと本来は思います。
吉田:神庭さんは、今回の自民党の処分についてどう見ていますか?
神庭さん:岸田さんは、支持率が低迷しながらも政権に居座り続け、さながら「無敵の人」「無敵の総理」になりつつあります。もともと党内基盤が強くなかった岸田さんが、これを機に「脱派閥政局」「裏金政局」のうねりを巻き起こし、厄介なライバルや派閥の有力者たちをパージして追い出そうとしているようにも見えます。小泉さんはかつて「自民党をぶっ壊す!」と叫んだわけですが、小泉さん以上に自民党をぶっ壊しているのは岸田さんだという報道もありました。処分自体は厳しく、かつスピーディーにする必要がありますが、そこには変な情実や政局を絡めず、公明正大に進めて欲しいです。例えば、安倍派5人衆のなかでも、離党勧告になる人と軽い処分で済む人とで判断が分かれた場合、公平性に疑念が出てきてしまうかなと思います。
ユージ:そこは気を付けないといけませんね。その他の課題はありますか?
神庭さん:安倍派の実質的なオーナーとして君臨してきた森喜朗元総理の処遇も注目ポイントです。NNNは、岸田総理から事情聴取を受けた安倍派幹部の一部が「いったん中止が決まったキックバック再開の判断に森元総理が関与していた」と証言しているとスクープしました。事実とすれば、まさに裏金問題の本丸。党の功労者だから、元総理だからと特別扱いするのではなく、しっかりと切り込んで調査・処分を下して欲しいです。この機会にすべての膿を出しきり、ダーティーな長老政治から脱却して欲しいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 2, 2024
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 2, 2024
そのため、私たちは離党勧告を受けた政治家の行く先をしっかり見届ける必要があると考えます。国民感情としても早期の復党には疑問を抱くかもしれません。岸田総理の人事に批判もありますが、裁量のあるトップの決断として今後も注目したいと思います。#ワンモ