network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.12.13

マイナンバー総点検の結果
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の城西大学 助教、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『マイナンバー総点検の結果』

吉田:政府は昨日、マイナンバー情報総点検本部の会合を開き、マイナンバーカードをめぐるトラブルを受け、今年6月から進めてきた総点検の結果を公表しました。また、岸田総理は「総点検の完了のメドが立った」として、今の健康保険証を来年秋に予定通り廃止すると表明しました。塚越さん、まずはマイナンバー総点検の結果について教えてください。


塚越さん:政府はマイナンバーにいろいろな問題があったということで、6月に総点検本部を設置しまして、今回、デジタル庁が11月までにおこなった総点検で点検対象の8208万件のうち8206万件で本人確認が終了したことを発表しました。その中で発見されたミスなどが全体で約1万6000件あったということです。主なミスは、健康保険証で8695件、公金受取口座で1186件、障害者手帳で5645件などということです。ミスの割合は、全体からすれば1%以下で、例えば、公金受取口座のミスの割合は全体の0.002%とされていて、全体から見ると低いかなと思うんですが、一方で、総点検とは別に政府はマイナンバーと紐づけられた保険証の情報と住民基本台帳を照合したところ、氏名などが一致しないケースが約139万件あったということなんですよね。これは例えば、『わたなべ』という名字っていろいろな漢字があるじゃないですか?そういうのが間違って登録されていたということだと思いますね。そのうち、紐づけの誤りは450件程度と推計されまして、来年の春をメドに確認作業を終えるということですね。 紐づけの誤りも問題ですけれども、氏名が一致しないことで予期せぬシステムトラブルが生じる可能性もあるかなとも思いますよね。


吉田:今の健康保険証の廃止については、どういった説明がされたのでしょうか?


塚越さん:批判が多い中、岸田総理はもともと、「保険証の廃止は国民の不安の払拭が前提」とおっしゃっていて、それでこの総点検の結果を踏まえてどうするか?ということなんですけれども 予定通り、来年の秋に紙の保険証を廃止してマイナ保険証に切り替えるという方針を述べました。


ユージ:不安の払拭が前提と言うわりには、払拭されてないですよね…。


塚越さん:わたしもそうですけど、皆さんも払拭されてないですよね?ですけど、行くぞ!とうことになっているんですよね。ただ、政府は紙の健康保険証の廃止後も最長1年は継続使用できる猶予期間を設ける方針で、マイナ保険証のかわりとなる『資格確認書』や暗証番号の管理などに不安のある、主に高齢の方や障害のある方を対象とした、暗証番号不要の『顔認証マイナンバーカード』を発行するとか、いくつか対応を考えるということですが、“だったら全員、暗証番号不要にすればいいのにめんどくさいことやるなぁ”と思うんですよね。そういうこともあってですね、国民からは根深い不信感があるということなんですよね。厚生労働省が調べたマイナ保険証の利用率は、ピークだった4月は6.3%、これでも低いんですけれども、10月になると4.49%ということで、さらに減ってしまっているということなんですね。他にも、長野県のある歯科医院では、どういった原因かはわからないんですけれども、お金をかけて機械を導入したのに、マイナ保険証を読み込まずに患者が怒って出ていってしまった、ということを信濃毎日新聞が報じていますので、医療現場からも不安や不満の声があるということですね。マイナ保険証を読み取るカードリーダーは、国の補助金なども出てかなり安く買えるんですけれども、場合によっては、システムの入れ替えでパソコンの購入や新規ソフトを導入するために数百万円かかるケースもあるということで、お金もかかるし現場の人間の負担もかかるということですよね。


ユージ:しかも、読み込まないとなると、それはもう、不満続出しますよね。マイナンバー総点検の結果と健康保険証を来年秋に廃止すること、塚越さんはどうご覧になってますか?


塚越さん:一言でいうと「余計なことをしてくれたな!」というのがわたくしの率直な感想です。わたしは情報社会学が専門なので、マイナンバーとかには基本的には賛成の立場なんですけれども、でも、それは、“便利になる”とか“ミスがない”とか、信頼があってこそなんですよね。その信頼がない状態で、バーっと進んじゃうということは、一般国民からしたら面倒ですし、マイナンバーカードは今、78%普及しているんですけれども、思い出してください、これ、『マイナポイント』を出しますと、ある種、ポイントという名のお金で国民を“釣った”わけですよね。それでごり押しして普及させたと…。それで今回、マイナ保険証も政府は、2023年度の補正予算案に217億円を確保してですね、マイナ保険証の積極利用を患者さんに勧めるなどして、診療所などで患者さんがうまくマイナ保険証を活用してくれれば、『支援金』、言わば、『報奨金』を出すよという制度に、その217億円を充ててるんですよね。私たちがマイナ保険証を使えば使うほど、医療機関が潤うようにするということなんですけれども、これも結局、原資は税金で私たちのお金ですよね。マイナバーカードの時もマイナポイントでこれも税金だったわけですよね。税金でごり押ししてこういうのを作るわけですけれども、結局、私たちは、不安だったり不満だったり、不信感が募った中でこういうことをやっているんですけれども、“岸田さん、本当にこれで大丈夫ですか?”と私は思いますし、多くの方々もそう思っているんじゃないかなと思いますので、やっぱり、不安や不満を払拭できてないなら、紙の健康保険証はまだ使った方がいいと私は強く思いますね。


ユージ:どっちも活かしていく方向に行くのかな?と思ったんですけどね。ぼくも紙の健康保険証は残した方がいいと思いますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top