26.08.17
気になる「お金のニュース」3選

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【気になる「お金のニュース」3選】
吉田:「物価や給料が上がった」「金利や為替が動いた」など、ニュースを見ていると毎日のようにお金に関する話題が飛び込んできます。お盆期間中の帰省や旅行で、ついつい散財してしまったという方もいるかもしれません。そこで今朝は、神庭さんが注目する「お金のニュース」を3つ解説してもらいます。まず1つ目は何でしょうか?
神庭さん:人気キャラの硬貨、財務省が発行検討のニュースです。日経新聞によると、日本のコンテンツを広く発信し、財源確保にも繋げていく為に、財務省が漫画やアニメなどの人気キャラクターをあしらった硬貨の発行を検討しているというニュースです。ドラゴンボールやセーラームーンの貨幣が実現したらこれは胸アツです。
ユージ:確かにそれはおもしろいですね。これまではできなかったのでしょうか?
神庭さん:例えば記念切手では、キャラクターをあしらったものがたくさん発売されてきました。一方で記念硬貨に関しては、天皇の即位や万博など国が主体となったイベントに限定されてきました。過去には鉄腕アトムやドラえもんの「貨幣セット」というものが発売されたこともありますが、これらは1円から500円の貨幣に、キャラクターのメダルやケースが付属した物でした。メダルはあくまでメダルなので、通貨として使うことはできなかったです。今回のニュースはそこから一歩進めて、アトムやドラえもんのようなキャラクターが描かれた「本物のお金」を出せないか?という話です。法定通貨として実際に使えるという点は、やはりスペシャル感があると思います。
吉田:海外ではそういった例はあるのでしょうか?
神庭さん:イギリスはピーターラビットやハリー・ポッターのコインを発行しています。実は日本のキャラクターであるハローキティもフランスで記念コインになっています。共同通信によれば、南太平洋のクック諸島では名探偵コナンや寅さんの記念コインも発行されているということです。日本発のコンテンツが海外でも愛されているのは嬉しいですが、せっかくなら海外製コインではなく日本円として出せるほうが良いです。万博では額面1万円の記念金貨を26万8,000円で販売しました。さすがに円安を緩和するほどの効果はないですが、国にとってはありがたい財源だと思います。
ユージ:神庭さんはどんなキャラを硬貨にしてほしいですか?
神庭さん:ジョジョの第4部に出てくる重ちーとか、ポケモンのニャース、ルパン三世の銭形警部みたいに、お金にゆかりのあるキャラクターが硬貨になったら面白いですね。お金にがめついこち亀の両さんコインもアリです。個人的にはカイジの世界の「ペリカ」をリアルに発行してくれたら胸アツだなとか、夢が広がりますね。
吉田:お金の注目ニュース、2つ目は何ですか?
神庭さん:10円玉の金属としての価値が額面を超えるニュースです。10円玉は銅95%と亜鉛、すずでできています。ところが日経によると、銅相場の上昇や円安で10円玉1枚の金属としての価値が6月15日時点で10.4円程度まで上昇したということです。AIの為のデータセンターやEVには大量の銅が使われます。世界で銅の争奪戦が起きるなかで、価格が高騰しています。
ユージ:出せば出すほど損ということでしょうか?
神庭さん:古い硬貨を回収・溶解して再利用しているので単純計算はできないですが、製造コストや輸送費も考えると、作れば作るほど赤字なんてことになりかねないです。造幣局は公表していないですが、1円玉は1枚作るのに3円かかるとも言われています。10円玉も今後、1円玉と同じく「割に合わない」通貨になっていく可能性があります。日本だけの話ではないです。朝日新聞によると、アメリカでは1セント硬貨の製造にかかるコストが過去10年で1.42セントから3.69セントに上昇しました。トランプ大統領が「無駄だ!」と問題視して、製造中止になりました。中止によって5,600万ドル(今のレートで89億円)を節約できる見通しということです。
ユージ:日本でも1円玉や10円玉がなくなる日が来るということでしょうか?
神庭さん:これだけキャッシュレス化が進んできています。10円玉まで一気にやるかは別にして、製造コストや資源の節約を考えるなら1円玉はなくしてもいいかもしれないです。中東情勢の影響で1円玉の原料のアルミニウムも値上がりしています。
吉田:お金の注目ニュース、最後の3つ目は何でしょうか?
神庭さん:「全東信」破産でステーブルコインに注目です。決済代行会社の全東信が先月、破産しました。全東信は加盟店のクレジットカード売上を立て替えて、カード会社より先に加盟店にお金を払う代わりに、手数料を受け取るビジネスモデルです。加盟店は20万店以上あり、多くの飲食店で破産によって決済ができなくなるなどの影響が出ました。そこで注目されているのがステーブルコインです。民間企業が発行するデジタル通貨で、価格を安定させる為にドルや円などに連動するよう設計されています。クレジットカードに比べ手数料が安く、24時間いつでも送金できるのが特徴です。認知度はまだまだ低いですが、将来的にステーブルコインがキャッシュレス決済の有力な選択肢になっていく可能性もあります。というわけで、今日は気になる「お金のニュース」3選を紹介しました。
ユージ:僕は浦安鉄筋家族のコインが欲しいです(笑)
神庭さん:いいですね!ちょっと欲しいですよね。