23.10.05
電子取引データ保存が義務化される”改正電子帳簿保存法”

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「電子取引データ保存が義務化される”改正電子帳簿保存法”」
吉田:コロナ禍のリモートワークを経て、契約書や領収書、請求書などのやり取りを電子メールやインターネット、クラウドなどを介して行う「電子取引」に切り替えた事業者の方も多いのではないでしょうか?その電子取引に関わる法律が「電子帳簿保存法」です。現在、2022年1月に施行された改正により、電子取引における電子データの保存が義務化されています。この義務化に関しては、2023年12月31日までの猶予期間が設けられていますが、電子取引を行っているすべての事業者は、年内に対応しなければなりません。そこで今朝は、「改正電子帳簿保存法」について塚越さんに解説いただきます。
ユージ:まずは、「電子帳簿保存法」について、教えていただけますか?
塚越さん:インボイス制度も大変ですが、こちらも大変で世の中が複雑になっていますので、なるべく分かりやすくお話ししますね。まず、この「電子帳簿保存法」は1998年から施行されたもので、国税関係の帳簿や書類について、電子での保存を認める法律です。これまでは紙の保存が原則でしたが、いろんな意味でコストがかかるので、電子でもOKにするというものです。保存方法は3つあります。1つ目は、会計ソフト等で作成した請求書の控え等、パソコンなどで作成したデータをそのまま保存する「電子帳簿等保存」。2つ目は、取引先から受け取った紙の請求書や領収書、自社で用紙作成したものを、スキャナで読み取って(PDF等で)電子保存する「スキャナ保存」。3つ目は、「電子取引データ」電子データ(メール)でやりとりした請求書等の書類を、自社発行や取引先の発行も、どちらも電子データで保存するというものです。特に重要なのが3つ目の電子取引データで、他の2つは任意になります。電子取引データ保存は、申告所得税・法人税に関して帳簿・書類の保存義務が課されている全ての人に対応が必要ということになっています。
吉田:どんな事業者や個人事業主が「電子帳簿保存法」の対象になりますか?また、該当する電子取引は、どのようなものでしょうか?
塚越さん:法人税を納める普通法人、公益法人等、そして所得税の納税義務がある個人事業主が対象です。保存する電子取引は色々あるのですが、国税庁の資料によればメールで送られてきた請求書や領収書のデータ(PDF等)。あとは、HPからダウンロードした請求書や領収書のデータ、クラウドサービスを利用した電子請求書や電子領収書、クレジットカードや交通系ICの利用データをHPからダウンロードしたものなどがあります。他にも細かい規定があるのですが、こうしたものが「電子取引」の対象となります。
ユージ:では、2022年から施行されている「電子帳簿保存法」は、どのような点が改正されたのでしょうか?
塚越さん:まず、事前承認制度というのが廃止となりました。今までは、電子保存する時期の3ヶ月前までに税務署に書類を出す必要がありましたが、これが廃止になるのでいらなくなりました。もう1つは、電子帳簿の保存要件が緩和されました。データの不正や改ざんを防ぐ目的であったのですが、大幅に緩和されました。例えば、データの日付です。改ざんされていないことを示すため、電子保存の際にタイムスタンプが必要になります。これまでは「3営業日以内」に必要だったのですが、改正によって「最長2ヶ月と概ね7営業日以内」に延長。さらに、クラウドサービス等を使用すると、不正できないようにするためのタイムスタンプが不要になりました。さらに、これまでは書類を検索できるようにするため、様々な項目を設定する必要がありましたが、法改正によって3つだけ記録してください。「取引年月日」、「取引金額」、「取引先」だけになりました。便利になる一方、罰則は強化しています。不正があった場合、通常課される重加算税に加えて、さらに10%の金額が加算されることになります。色々やりやすくなったのですが、紙ではなく電子保存になるので、個人事業主の方が特に大変になります。今年の12月31日までに対応しなければいけません。
ユージ:電子保存が義務になるんですね。
吉田:「改正電子帳簿保存法」のメリットは何でしょうか?
塚越さん:やはり電子データなので、経理のデジタル化が進みますし、日付や取引先で検索ができるので書類が探しやすくなります。紙が必要なくなるので、エコですよね。経理担当者もテレワークできるので、生産性向上になります。あとは、セキュリティレベルが上がるので盗難や様々なリスクに対応できるから、いいと思います。
ユージ:対象の事業者や個人事業主が、年内にやるべきことは何でしょうか?
塚越さん:デジタル化はメリットがあるのは事実で、いずれにせよ対応しなければいけません。まずは、会計ソフトの導入を検討したり、税理士への相談も考えてみてください。また、中小企業、小規模事業者等は、「IT導入補助金」というのがあるので、そちらの活用も考えてください。便利になるのはいいのですが、やることが増えるとさらに苦労が増えますので、補助が必要になります。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 5, 2023
『電子取引データ保存が義務化される #改正電子帳簿保存法』
みなさんのリアクションを見ると、「知らなかった」「知っているけどやっぱり難しい」という声が多く、僕も含めていまいち改正電子帳簿保存法について分かっていないという印象でした。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 5, 2023
簡単に説明すると、今まで紙で保存していた帳簿やレシートなどを、今年の12月31日以降はデータで保存することが義務付けられるというわけです。しかし、データに慣れていない方にとってこの切り替えは簡単なものではないと思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 5, 2023
その割にはあまり周知されていない印象ですが、私たちも対応できるよう積極的に学ばなければいけません。一見大変そうに感じますが、紛失リスクの減少や、探す手間が短縮されるといったメリットがあります。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 5, 2023
他にも、置いておくスペースが圧倒的に減ったり、データ管理がしやすくなったりするのも大きなメリットなのではないかと思いました。いずれにせよ、年内までにデジタル化に対応し、来年以降は義務化されるということを覚えておきましょう。#ワンモ