25.05.08
コメ農家の倒産休廃業が過去最多、転機を迎えるコメ作り

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「コメ農家の倒産休廃業が過去最多、転機を迎えるコメ作り」
吉田:2024年のコメ農家の倒産と休廃業が、統計を開始した2013年以降で最多の89件となりました。2025年も、すでに倒産が2件発生し、コメ不足で生産農家が苦しい状況になっています。そこで、コメ作りの現状とこれからについて塚越さんと考えていきます。
ユージ:塚越さん、コメ農家さんにとって厳しい状況が続いていますよね。
塚越さん:そうですね、まずはコメの価格ですが、報道されているように、食生活の変化もあってコメ離れが進んでいます。1960年代後半からコメが余るようになり、1971年からは減反政策が本格化します。それでも収穫から1年以上過ぎた古米の過剰在庫もあって、2014年産のコメの取引価格が安くなりました。
ユージ:コメがありすぎてですか?
塚越さん:そうです。その後は、在庫調整もあってある程度、安定していたのですがコロナ禍で飲食店の休業などがあり需要が減りました。在庫が積み上がって、価格は下落傾向でした。例えば2022年2月のウクライナ侵攻の際には、小麦の価格が上がるのに対して、コメは比較的価格が安定して安価だったことを覚えている方もいらっしゃると思います。ただ、最近になってインバウンド需要や輸出拡大、備蓄米の放出のタイミングが遅かったり生産調整などもあって、コメのひっ迫が起きていて価格が上昇しています。一方で今年は、全国でコメの作付面積と生産量を増やす動きが広がっており、29道県で増産が決定しています。全国的にも2018年の減反政策廃止移行、最大の拡大幅になっています。
吉田:そんな中で、アメリカとの関税交渉でコメの輸入という議論もありますね。
塚越さん:アメリカはコメの関税が高いといって、市場の開放を要求しています。現在はコメ不足で価格が高騰しているので、コメの輸入は、数は少なくとも一定の緩和効果があり、実際にカリフォルニア米が売られたりしています。ただ政府としては、コメは日本の主食で食料自給率や地方経済の基盤でもあるので、輸入米が増えると国内の生産力が減ったり、食の安全保障のリスクが高くなるので、地方創生を掲げる石破内閣としても、簡単にコメの輸入カードは切れないという状況です。
ユージ:コメ作りへの政府の動きはどうでしょうか?
塚越さん:農林水産省によると、先々週に全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は、4,233円で前の週より13円高いです。17週連続の値上がりということです。石破内閣としても備蓄米の放出をしても、なかなか価格が下がっていないことは理解していて、政府としても自民党と話し合って物価高対策をやると言っていますが、この問題は去年からあるので、なかなか解決できていません。石破総理は 農林水産大臣の経験もあるので、ここは批判されても仕方ないかなと思います。今回の問題は、短期的な価格の問題と、中長期的な構造の課題があります。短期的な課題としては、来年は逆にコメが余る可能性があります。その場合、農家さんの収入保障をするとか、来年は米離れが進む可能性があります。取り戻しの方法も政府として取り組む必要があるかなとか、短期的なところもあるかなとまずは思います。
ユージ:コメに関しての話題は、様々な話題があります。本当、日本のコメ作りは大きな転機を迎えていますね。
塚越さん:そうですね。先ほど、話した減反政策を1970年代〜2018年まで続けました。いまは無くなって農家さんの自主的な生産調整ということになっています。でも、政府は現在も「コメは余っている」という認識があり、減反政策以降も、「転作」=コメ以外の作物へ切り替えた場合、補助金などを出して、コメの増産を抑えてきました。表向きは、米農家を守るためで実際にそういった部分もありましたが、逆にコメ農家さんの「やる気」を削いできてしまった部分もあります。そう考えると、中長期的な課題としては、気候変動や戦争など、様々なリスクがあるので過度な生産抑制ではなく、農家が柔軟に生産調整できることや、飼料用のコメや輸出用のコメなど、多角経営ができるように農家を後押しすること。その上で、海外にも高値で輸出していくことを奨励しつつ、その分コメの輸入も「少しずつ」、拡大していけば、国内のコメ不足のときにも一定の対処ができるので、そういう意味では、食の安全保障にもなると思います。報道されている通り、米農家さんは非常に手取りが少ないということがあります。時給に換算すると最低賃金を下回ってしまうという指摘もあります。作付面積を増やして農家さんの手取りも増やしていく、そういった動きを政府が後押しする。初期の段階では、精算保障や色々な補償も必要になります。そういったことをどんどんやっていって、これから日本のやり方が変わっていく必要があると思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 8, 2025
『米農家の倒産・休廃業が過去最多、転機を迎える米作り』
米農家の倒産と休廃業が相次いでいる背景には、肥料の高騰や深刻な人手不足、気候変動による不作などが挙げられ、米農家にとって過酷な状況が続いています。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 8, 2025
僕は、日本のお米は世界でいちばん美味しいと思っています。そんな世界に誇れる産業であるべきはずが、実際には米農家の収入は多くありません。お米の値段が上がっている現状を考えると、本来ならば米農家のみなさんはもっと収入があっていいはずだと思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 8, 2025
政府の支援の仕方次第で米作りが上向きになるかもしれません。
例えば、高齢化や人手不足解消のために国がAIの導入をサポートする、DXを推進し作業効率を上げるなど、できる部分から国が後押しできれば良いのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 8, 2025
さらに、いまのお米の価格は僕も高いと思いますが、日本のお米の品質を考えれば、今までが安かっただけなのではないかとも思います。
我々消費者側も、お米の価値を再認識し、世界で日本のお米が高値で取引されるような産業にしていけたらと思いました。#ワンモ