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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

26.08.13

「めっちゃカメレオン」が大ヒット、コンテンツ支援をどう使う?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは情報社会学がご専門の、学習院大学・非常勤講師 塚越健司さんです。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


「インディーゲーム『めっちゃカメレオン』が大ヒット、コンテンツ支援をどう使う?」

吉田:早速ですが「めっちゃカメレオン」は、どんなゲームでしょうか?


塚越さん:「めっちゃカメレオン」、めっちゃヒットしてるんですね。簡単にいうと、街などのフィールドを舞台に、カメレオンのように擬態して隠れるチームとそれを追うハンターチームに分かれる、いわば「かくれんぼ」ゲームです。隠れるチームは自分のキャラクターにボディーペイントのように色を塗って「擬態化」してフィールドに隠れるところに特徴があります。隠れる方と追う方、合計で最大24人で遊べるシンプルなゲームです。


ユージ:僕、見たことがあって、結構面白くて(実況動画を)見ちゃうんですよね。本当にいろんな街の設定があって、『あ、ここの壁に俺、色塗ったら同化できるんじゃない?』って自分の体に色を塗って、よーいスタートってなったら、もうずっと隠れてるんですよ。で、敵が銃を持って探しに来るんだけど、その実況のコメントも全部聞こえるからね。『お、ばれてない、ばれてない。あ、危ない、やばい、こっち見てる?……あ、見てない』みたいな。これが面白いんだよ。世界的にヒットしてますよね。


塚越さん:今年2026年の6月10日に、PCゲームのプラットフォーム「Steam」でリリースされるとすぐに人気になって、1ヶ月で世界累計販売数が1,500万本と記録的なヒットを達成し、昨日8月12日のニュースでは2,000万本突破の報道がありました。値段は日本だと790円と安いのですが、単純計算だと売上がおよそ158億円となります。


ユージ:僕は海外のゲームだと思っていました。外国の人がみんな配信してるから。


塚越さん:そうなんですけれども、作ったのは日本のクリエイターの『レモリオンさん』と『はがねいろさん』の2人だけなんですよね。なのでいわゆる「インディーゲーム」と言われるもので、開発期間もわずか2ヶ月、宣伝費ゼロの日本産のゲームということです。人気になった背景としては、ゲーム実況の動画が拡散されたという分析があって、ネット時代のバズり方だと思います。先ほどもユージさんがおっしゃっていたと思いますが、購入層全体で見ると、日本は全体の1割ということで、海外でウケているということです。だから、海外の実況の人がプレイして、それがかなり拡散されたんですよね。それで世界的なヒットと言えます。ゲームとしては、上手に隠れても面白いし、ウケを狙って隠れずにいろんなことをして笑ったりもできる。プレイヤー全員で爆笑できるっていう感想も届いているみたいで、作り手の意図を超えて、やってるユーザー自身が様々な面白さを探せるわけですよね。で、さらにそれがゲーム実況になることで、見てる人もやってる方もみんなで笑えるのが楽しいということで、そのあたりがヒットした理由だと思います。開発人数や制作費の大きさだけじゃ必ずしもヒットするわけじゃないっていうのが、証明されたと思いますね。


吉田:一方で、国はゲームなどのコンテンツ産業への公的支援も始めていますね。


塚越さん:番組でもお伝えしたことがありますが、日本はゲームやアニメ、映画や音楽といったコンテンツ産業に対して、2033年までに海外売上を20兆円にする目標を掲げています。そこで経済産業省が作品支援等の公募をしたところ、DeNAのスマホゲームが採択されて、最大で15億円という支援額が話題になりました。これに対して、ネットでは大企業への支援に対する批判がありました。一方、実際にはコナミやスクウェア・エニックス、セガといった大企業も採択されています。そもそも、この支援事業は採択率が9.5%と、他の業界への補助金制度と比べても少ないことや、枠によっては小規模な作り手でも採択されているので、大手だけの支援ではないという指摘もありました。大企業かどうかに関わらず、エンタメ産業の支援ももっと考えてもいいと思います。


ユージ:塚越さんは、世界でヒットするコンテンツを作るための支援、どんな形がいいと思いますか?


塚越さん:行政の支援でいうと、やっぱりヒットするかどうかっていうのは事前には見抜けないですよね、難しいですよね。だから支援は、まずは小規模な作り手に少額で広く挑戦させるということで、母数を広げるのが重要かなと思います。今回の制度では個人で応募できる枠の採択率が4.2%と、最も狭き門でした。なので入り口を広げてあげるっていうのは重要かなと。その上で、ヒットの兆しが出た作品には、多言語へのローカライズや海外プロモーションとか、そういったところで支援をしていくっていうことが重要だと思います。もちろん大企業の支援っていうのも一律に否定すべきではないと思いますが、支援が海外売上につながるかどうか、後から検証する必要があると思います。いずれにしても、少額でもいいので広げていくのがいいですよね。何がヒットするかわからない時代でもありますから。スマホゲームもそうですけれども、お金をかければヒットする時代じゃないですよね。いろいろ作ってみて『日本のゲーム面白いよね』ということで世界のバズりに乗っていくかどうか。


ユージ:誰が見つけて拾ってくれるかにもよるんですよね。


塚越さん:そうですよね。TikTokの動画でも、誰が広げてバズるかってありますから。


ユージ:そこにもよるからね。運っていうのも多少あるけど、やっぱりベースの技術とか、そういうのも大事だとは思います。


塚越さん:そういう意味で、少額に広げていく支援って大事ですね。


ユージ:大事だと思います。

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