25.02.24
トランプ関税、日本へのダメージは?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【トランプ関税、日本へのダメージは?】
吉田:アメリカのトランプ大統領は18日、アメリカが輸入する自動車や半導体、医薬品に対して、25%程度の追加関税をかける考えを示しました。そこで今朝は、神庭さんに日本への影響や今後の見通しについて解説してもらいます。さっそくですが、関税が引き上げられると、日本にはどれくらいのダメージがありそうですか?
神庭さん:昨年の日本からアメリカへの輸出品目のうち、一番金額が大きかったのが自動車で6兆円あまり。約28%を占めます。アメリカは今の段階で、乗用車に2.5%、トラックに25%の関税を課していますが、これで25%アップが実現すれば今の10倍になるわけで、マイナスの影響は大きいかなと思います。東海東京インテリジェンス・ラボのシニアアナリスト・杉浦誠司さんの試算によれば、トヨタやホンダなど日本の自動車メーカー6社は1.4兆円の追加コストが発生し、カナダやメキシコ経由での輸出分も含めると、影響額は合計3.2兆円に膨らむということです。
ユージ:3.2兆円!大変な額ですね。
神庭さん:ANNの報道によると、日本の自動車メーカー全体の営業利益が3割も下がってしまう可能性があるということです。影響はメーカーだけにとどまりません。自動車業界は非常に裾野が広くて、製造・販売・整備に関わる人だけでも237万人が働いています。野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんは、日本のGDPが0.2%ほど低下するリスクを指摘しています。
吉田:かなり大きな影響ですが、関税25%アップは絶対に避けられないのでしょうか?
神庭さん:そうとも限りません。楽観的なシナリオと悲観的なシナリオに分けて考えてみたいのですが、まず一番マシなシナリオ。トランプ氏は半導体や医薬品の関税について、「アメリカに工場やプラントを建設するなら関税はかからない。彼らに時間と少しのチャンスを与えたい」と話しています。25%というのがアメリカへの投資を引き出すための脅し、ハッタリだとすると日本は先日の日米首脳会談で、1兆ドル(約150兆円)もの投資を約束しており、除外対象と言えるかもしれません。少なくとも、日本はそのように主張するべきかなと思います。
ユージ:確かに、すでに150兆円も払うと言ってますもんね。
神庭さん:トランプ氏と長年にわたって交友があるウィルバー・ロス元米商務長官は、日経新聞のインタビューでこう語っています。「関税についても、大統領就任演説を含めて、トランプ氏が日本の名前を口にしたことはなかった。日本が通商問題で主要な標的とは思わない」。アメリカの一昨年の国別輸入額を見ると、メキシコが15.4%、中国が13.9%、カナダは13.6%。この3国だけで4割を超えています。一方、日本は4.8%なので、アメリカにとって優先度が低い、関税政策のメインターゲットではない、という見方はできるかもしれません。
ユージ:そう聞くと、大丈夫な気がしてきましたが…。
神庭さん:とは言え、油断は禁物です。最悪シナリオについてもしっかり想定しておく必要があると思います。ここまでの説明は、トランプ氏がディールの利益を最大化するために、最初に大きくブラフをかまして、相手の譲歩を引き出す手法を「戦略的」にやっていることを前提にしています。何をしでかすかわからない恫喝的な交渉術をマッドマン・セオリーといいます。日本語にしたら「ヤバイやつ理論」といったところです。トランプ氏以外でも、ロシアや中国、北朝鮮はマッドマン・セオリーを使って周辺国を威嚇したり、恫喝したりしています。でも、そこから「理論」や「戦略」が抜け落ちて、ただのマッドマン、ガチのヤバイやつだったら、議論の前提が崩れてしまうわけです。最近トランプ氏は、ウクライナ問題でプーチン大統領を擁護し、ロシアが望めばウクライナ全土を占領できると話して批判を集めました。関税についても、強硬姿勢が「ネタ」なのか「ガチ」なのか見極める必要があります。ガチなら「日本だけ例外なんて許さんぞ!」というシナリオも十分あり得るのかなと思います。
ユージ:日本はトランプ政権とどう向き合うべきだと思いますか?
神庭さん:日経新聞によれば、東南アジア各国は関税のダメージを緩和するために、EUとの間での自由貿易協定(FTA)を模索するなど、アメリカ依存を薄める方向に動いています。日本もアメリカ一辺倒になりすぎないように、他の地域との連携を強化して、アメリカに対して交渉力を高めていく必要があるかと思います。同時に、アメリカと継続的に協議の場を持ち、先日の日米首脳会談の時のように「いかに日本がアメリカ経済に貢献しているか」をしつこくインプットしていく必要があります。仮に関税が避けられても、アメリカに工場を持っていくことで、国内の製造業が空洞化するリスクも懸念されるところです。トランプ関税でアメリカ国内のインフレが加速するのでは?という懸念が高まり、アメリカ株は先週下落しました。株価や国内世論の動向次第では、トランプ氏の出方が軟化していく可能性もあります。その辺りも注目ポイントかと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 24, 2025
テーマは「トランプ関税、日本へのダメージは? 」
トランプ大統領がアメリカとの関係性によって国ごとに関税を設けるという話があります。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 24, 2025
番組の中でも話しましたが、日本はアメリカに約150兆円の投資を約束しているのでアメリカにもメリットがあるのではないでしょうか?
また投資のほかにビジネス面でもアメリカにとってプラスとなる話が多くあると思います。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 24, 2025
そのため、「それとこれは別で、また関税をかけます」
ということはできれば抑えてほしいと個人的には思いました。
引き続き関税がどれくらいかかるのか、そもそもかからないのかどうかというところも含めて注目していきたいと思います。#ワンモ