network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.02.12

高額療養費の負担増、見直しへ…その背景と課題は?
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「高額療養費の負担増、見直しへ…その背景と課題は?」

吉田:政府与党は、医療費が高額になった場合に患者の負担を抑える「高額療養費制度」を巡り、この夏から自己負担の上限を引き上げる方針だったのですが、この方針を見直す方向で調整に入りました。塚越さん、まずは「高額療養費制度」について、改めて教えてください。


塚越さん:はい。この「高額療養費制度」というのは、がんなど重い病気で医療費が高額になった際に、年齢や所得に応じて一ヶ月あたりの自己負担を一定額に抑える仕組みです。すばらしい日本の医療制度ですが、昨今は高齢化だったり、費用が高額な新しい治療方法で適用件数が増えています。これらが医療保険財政を圧迫しているということです。ということで、政府は現役世代の負担軽減などの目的で、自己負担の上限を引き上げる方針を決めていました。見直す前の方針を説明すると、まず年収によって今年の8月から再来年の8月にかけて段階的に引き上げようとしていました。負担の上限額ですが、例えば年収650万〜770万円の人は、現在のおよそ8万円が最終的には13万8,000円まで上がり約7割くらいアップします。非常に高いです。その他、年収等に合わせて細かく負担が上がっていくことになっていました。また、今回の引き上げは現役世代が主な対象で、現役世代に関する話かなと思います。


吉田:政府は「自己負担の上限を引き上げる方針」を見直すということですが、こちらは、どのような背景があるのでしょう?


塚越さん:例えば、1~2ヶ月で治るような治療で一時的に値段が上がるのは、まだ許容できるかなと思います。ただ、重い病気は長期に渡りますよね。そういう場合は、なかなか厳しいかなと思います。例えば、「全国がん患者団体連合会」が1月にアンケートを行うと、患者やその家族、医療関係者の多くから、上限引き上げをすると、治療を諦めなければならない可能性が大きいといった意見など、懸念の声があがりました。この団体が、国に引き上げ見直しを求めた会見も行っています。確かに、年単位で負担が上がれば、医療を続けられなくなる人も当然出てきますよね。


ユージ:政府が「自己負担の上限を引き上げる方針」を見直すこと、塚越さんは、どうご覧になっていますか?


塚越さん:今回の引き上げの背景には、岸田政権時代に決定した、児童手当の拡充といった「子ども関連政策」の予算を確保するために、社会保障の歳出削減の中で考えられたものでした。ただ、人によっては上限額が50%〜70%も高くなると、医療を諦めなければならない人も出てくるので「もうちょっと制度設計的にできることはなかったのか」というのが、私の考えです。最近よく言われる「応能負担=能力に応じての負担」という原則があったとしても、やはりちょっといびつなので、見直しは必要なのかなと思います。今のところ見直しの報道は色々あります。例えば、年に3ヶ月超えて医療を受けている場合、4ヶ月目からは負担の上限を下げる制度(多数回該当)があります。この辺りをもう少しいじろうじゃないか、ということです。今もある制度ですが、ここをいじるんしゃないかと思います。この辺りも注目が必要かなと思います。ただ、一方で確かに平成ぐらいまでに受けられていた医療水準を、今後もこの社会で受けるのは難しいのかなということもみなさん感じています。医療費で削れるところは削るのは確かに必要だと私は思います。例えば「低価値医療(無駄遣い医療)」と呼ばれる、不必要な治療は、もう少し控える制度をつくってもいいのかなと思います。風邪を引いたりすることもありますが、ごく初期レベルのものに関しては削る代わりに従来通り大病した場合に、「そんなに医療費がかかりませんよ」と守っていくことが大事です。結局はバランスが大事で、それなりに削減していかなくてはいけないのは何となくみなさん分かるのですが、できる範囲の中で削っていく。そして、やっぱり命に関わるものに関しては従来通り守るような制度を作っていく、そういうような努力が必要になってくるのかなと思います。


ユージ:大きい病気をした時こそ、働く能力が低下する可能性があるわけじゃないですか。そこでの負担が増えるのは厳しいので、やっぱりそこでヘルプが欲しいです。だから、まだちょっとした問題を抱えている、仕事ができるというときは、もしかしたら、そこでの負担があってもいいのかなと思います。バランスを上手く保つのが1つの方法かなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top