24.10.24
小規模事業者への”ストレスチェック”義務化

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「小規模事業者への”ストレスチェック”義務化」
吉田:今回の衆議院選挙でも賃上げや物価高対策として、中小企業への支援が政策のひとつとして、注目されています。こうした中、厚生労働省は従業員50人未満の小規模事業者で働く人の「ストレスチェック」を義務づける方針を決めました。仕事上のストレスで精神疾患を発症する人は増えており、義務化の対象を全事業者に拡大して対策を強化、来年の通常国会で労働安全衛生法改正案の提出を目指します。小規模事業者へのストレスチェックの実態はどうなっているのでしょうか?
ユージ:最近の働く人のストレス状況、どうなっていますか?
塚越さん:まずは、厚生労働省が最新の「厚生労働白書」を公表しました。今年1月に全国の3,024人、20歳〜89歳に調査を行ったのですが、心身の健康に関する最大のリスクに「ストレス」を挙げた割合は15.6%となっており、20年間で3倍に増えています。一番多いのは生活習慣で、ストレスはその次です。かなり大きく要因が増えてきました。実際に、人材サービス企業の「ヒューマネージ」が企業で実施されたストレスチェックを分析したところ、去年5月のコロナ5類移行後、20~30代のストレスは改善傾向になっている一方で、逆に40~50代は悪化が目立ち、特に「活気」「疲労感」が懸念されています。そして、ストレス状態にある人は、周りが助けてくれると期待できることが重要なのですが、これもコロナ禍を超えると、20~30代のアンケートでは、”助けてくれると期待してる“という回答が増える一方で、40~50代は少し厳しいということです。私の想定だとコロナ過はテレワークが増えて一旦ストレスが減りました。若い方は外で遊べるからストレス感じない方が多いですが、逆に40~50代は管理職になって対面で若手を管理するわけです。テレワークが普及したので、若手社員も色んな希望が増えますよね。そういったことを対応するとなると、中間管理職にしわ寄せが寄っているのではないかなと思います。
ユージ:40~50代の管理職の方、一人で抱えすぎないように気をつけて欲しいですね。
吉田:では、小規模事業者のストレスチェックの義務化について教えてください。
塚越さん:国は2015年から、従業員50人以上の事業者には、年1回のストレスチェック実施を義務しています。ストレスチェックは、社員が自分のストレス状況を把握して、セルフケアだったり面接などを受けるための検査です。実際、2021年度の国の調査だと、受けた人の74%が有効だったと回答しています。2021年時点で、従業員50人未満の事業者は、全国およそ364万か所、労働者はおよそ2,893万人と非常に多いです。ストレスチェックの実施率も、2022年は50人以上の事業者は85%でやっているのですが、50人未満のところは32%で少ないです。これはまずいということで、小規模の会社のストレスケアをフォローする狙いがあります。
ユージ:大企業で行っていることが、中小企業だとできていない。ストレスチェックもその1つということですね。
吉田:小規模事業者のストレスチェックを進める上での課題は何でしょうか?
塚越さん:やっぱり、お金と人が不足している点です。小規模になると専門の産業医に来てもらう義務もないので、実施体制が整わない。どれだけストレスの高い従業員をフォローできるか課題です。もう1つ大きいところは、小規模になると人間関係が密になるので、「あの人がストレス」というのが分かります。プライバシー保護が重要になるということで、他人に言えないからこそ困っている人を発見するのに役立つわけですが、逆に発見されることで、職場の人間関係が悪くなる可能性があります。これが人間関係の難しいところです。だからこそストレスチェックの結果は、基本的に本人にだけ通知され、社員の方がみる場合は、様々なプライバシーに配慮したルールが決まっています。なので、こうしたことを周知して、「だから、思っていることを素直に言っていいですよ。安心してください」といった「安心」を与えることも重要だと思います。
吉田:ストレスチェックの義務化、どんな支援が求められるでしょうか?
塚越さん:やはり、とりわけ小規模事業者は経済的に大変です。お金の面で助成金を必要とすることや、あとは会社専属の産業医がいない場合は、色々なところでサポートセンターや地元の医療機関に繋ぐなど、そういったところが必要になってくるのかなと思います。
ユージ:塚越さんは、ストレスチェックの重要性に関しては、どう思いますか?
塚越さん:お話しを聞くと、重要ですよね。ストレスが溜まると色々な対策が見えなくなってしまいます。早めにケアができるようになると、会社としても退職する方が出なくなるので、最終的にみるとストレスの目をつぶることが働く方や会社にとっても楽になります。会社を辞めないで欲しいという従業者が多いですから、そういうことをするためにも様々な意味で健康を大切にするということで、”ストレスチェック”というものを覚えておいてください。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 24, 2024
『小規模事業者への #ストレスチェック 義務化』
ストレスチェックの義務付けは良い試みだと思います。
小規模な企業であっても、そこで従事する人たちがストレスなく働ける環境を目指してほしいと思います。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 24, 2024
ただ、従業員が少人数であるほど、互いの家庭の事情や社内の人間関係を知っている可能性があります。
僕が心配なのは、もしそのような状況でストレスチェックの結果が漏れてしまうと、プライバシーの侵害や、関係の悪化に繋がるかもしれないということです。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 24, 2024
課題として、匿名性を守ることと、ストレスを感じた時に声をあげやすい環境づくりに取り組まなければなりません。
また、ストレスチェックを外部機関に依頼する場合、小規模な企業だと更なる負担が生まれてしまう可能性も挙げられます。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 24, 2024
やはり重要なのは、経営者含め、ストレスを感じにくい職場づくりができているかを常に考えることです。
従業員からのヒアリングや、ストレスを感じたら誰かに相談できるような関係をつくることが良い手段だと思いました。#ワンモ