24.09.19
現実空間の情報を仮想空間に再現する"デジタルツイン"社会実装へ支援

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「現実空間の情報を仮想空間に再現する"デジタルツイン"社会実装へ支援」
吉田:国土交通省が「デジタルツイン」の社会実装に力を入れています。今月、不動産分野での新たなサービス創出を目指し、民間ビジネスの支援も決めました。提案された事業はおよそ半年かけて実装に向けた検討開発を進めます。
ユージ:塚越さん、まず”デジタルツイン”について教えてください。
塚越さん:あまり聴き慣れない言葉ですが、「デジタルツイン」を一言でいうと、「現実世界の様々な情報を仮想世界に送ってシミュレーションすること」です。「え?SFの話?」という気がしますよね。詳しく言うと、まず現実世界の製品や設備の情報と、それらがどう動くかといった情報をリアルタイムで収集して、そのデータをコンピュータで構築した仮想空間に送ります。この仮想空間は現実と同じ状況を構築しているので、送ったデータを分析すれば、次にどうなるかをシミュレーションできるというものです。仮想空間で分析して分かったことを、現実空間に活かそうということですね。このデジタルツイン、製造業での利用が進んでいるのですが、製品の設計、改善や運用の効率化、あるいは環境=天気の変化の予測など、いろんな分野での使用が考えられています。
吉田:では、”デジタルツイン”実際にどのように使われているのでしょうか?
塚越さん:色々な事例がありますが、例えばトヨタでは、生産設備を設計段階から3Dモデルで作成します。そのモデルをつくった仮想空間で作業のシミュレーションを繰り返して、どうすれば最適な設備つくりができるかまず考えます。実際、それでできたものは生産性が3倍となって、作業にかかる時間も1/3となりました。事前にシミュレーションすることで実際にあったときに生産性が上がるということです。他にもJR東日本は、鉄道の運行情報と気象防災データを融合させるためにデジタルツインを利用しています。鉄道の現在の運行状況と気象情報等を収集して、リアルタイムで地図上に表示することで、災害時の運行調整や安全確保のための支援を行っています。他にも、NASAは宇宙船や惑星探査の運行計画とリスク管理の分野でデジタルツインを活用しています。宇宙環境は、まだまだ未知の領域なので、仮想空間でのシミュレーションをすることになっています。他にもNASAは、Earth System Digital Twins(ESDT)というシステムで、地球そのものをシミュレーションして、気候変動など、未来のリスクを理解しようとしています。
ユージ:今回、国土交通省はどういった支援を行うのでしょうか?
塚越さん:国土交通省は2020年、日本全国の3D都市データをオープン化する「プラトー」というプロジェクトをはじめています。自治体が都市計画やまちづくりのために「都市計画基本図」を作成していて、これをベースに、航空測量などのデータを加えて都市のデータを3D化します。地図だけではなく建築物や道路だけでなく、信号機等の情報も網羅します。この3D都市モデルは去年度までに196都市が整備されており、今年度中に250都市に拡大する予定です。2027年度までに500都市の整備を目標としています。今回は、国交省が不動産分野でこの3Dモデルをつかったビジネスソリューションを募集した結果、6事業が選定されています。例えば、地図の会社「マップル」の持っている地図データと3D都市モデルの連携で不動産業務の効率化を目指すといったものがあり、これから半年かけて実装に向けて支援するということです。
吉田:”デジタルツイン”の社会実装に向けての課題は何でしょうか?
塚越さん:まずは、やはり導入コストですね。大量のデータが必要で、センサー等のデータ収集機器はもちろん、データの分析を行うコンピュータやAI、システム管理が必要です。規模にもよりますが、やっぱり設備費用はかかりますし、IT人材も必要です。お金がかかるので国交省の支援も、そういうところがあるかなと思います。もう1つはセキュリティです。大量の機密情報や個人情報もあるので、サイバー攻撃から守らないとということで、そういうところにもお金がかかるかなと思います。
ユージ:塚越さんは、このデジタルツインについて、どういった社会実装を期待していますか?
塚越さん:仮想でいろんなものを分析するということで、基本は製造業や作る前に色々考えることがあげられます。個人的にはSFの話を最初しましたが、「もう一人の自分」が仮想世界でどう生きるか等を考えるのはヘルスケアです。自分の健康状態だとして、それを他の世界でこういう生活をしたら20年後どうなっていくのかそういうことを分析するまさにデジタルツインです。
ユージ:データ分析が得意なわけですから、自分の食生活、寝る時間、全てをやっていくと将来あなたは40歳でこうなる。60歳でこうなる。シミュレーションができるかもしれませんね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 19, 2024
『現実空間の情報を仮想空間に再現する #デジタルツイン 社会実装へ支援』
この技術は、仮想空間で高精度なシミュレーションをする事ができるのが大きな利点だと思いました。…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 19, 2024
導入する際の懸念点として、シミュレーションの規模によっては大量のデータを読み込むことになるので、それに耐え得る設備が必要になると思いますし、それに伴って莫大な費用がかかる可能性があります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 19, 2024
また、この技術はヘルスケアの分野でも期待できると思いました。
食生活や生活リズムなどの詳細なデータを分析することによって、数年後の身体にどのような影響が出るのかを予測できれば、ヘルスケア分野において非常に有益なシステムになるのではないかと期待しています。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 19, 2024
精度が上がれば上がるほど正確な未来予測ができる可能性があるというのは少し怖い反面もあります。ですが、分野によっては非常に役に立つと思いますし将来性があるので、デジタルツインのさらなる発展が楽しみです。#ワンモ