24.08.08
日本版ライドシェア、制限緩和

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「日本版ライドシェア、制限緩和」
村田:国土交通省は2日、個人が自家用車を使って有償で人を運ぶ「日本版ライドシェア」について、猛暑の時間帯やイベント開催時に稼働や台数の制限を緩和すると発表しました。4月から一部解禁となった「日本版ライドシェア」は、制限緩和で拡大していくのでしょうか?
ユージ:塚越さん、改めて「日本版ライドシェア」について教えてください。
塚越さん:番組でも何度かお伝えしてきましたが、日本版ライドシェアとは、ドライバーが自家用車でお客さんを運んでお金をもらうことです。海外ではUberやLyftなど、運転手とお客さんをマッチングする配車サービスが有名です。現在の日本はコロナの影響もあってタクシー運転手が減少しているほか、労働時間を規制する「2024年問題」といった要因が重なってタクシー不足が深刻化しています。今年4月から、「日本版ライドシェア」が一部解禁されました。
ユージ:一部解禁ということは、制限があるということですよね?
塚越さん:そうです。「日本版」ライドシェアの最大の特徴は、ドライバーが自由に活動するのではなく、タクシー会社が運用管理をする点にあります。ライドシェアのドライバーはタクシー会社で研修を受ける必要などがあります。他にも、ライドシェアが認められている地域も現在は限定されており、東京23区、横浜、名古屋、大阪、福岡などの他にも、最近では岐阜市や三重県の志摩市でもはじまり、全国17地域になっています。8月中旬からは沖縄の石垣でも始まる予定で、対象地域は拡大しています。今後44地域での導入も検討されています。
ユージ:そんな中で、今回は、どんな制限が緩和されたのでしょうか?
塚越さん:まず現状では地域ごとにライドシェアが運行できる曜日や時間が制限されています。7月には、東京や大阪、札幌といった都市部12地域を対象に、雨が1時間に5ミリ以上降ることが24時間前に予報されている場合、雨の予報時間とその前後はいつでも稼働できるように緩和されました。更に今回は、同じこの12の地域で、2日前の予報で35度以上の猛暑が予想される場合、猛暑の時間とその前後1時間の制限を緩和しました。さらにライドシェアが導入されている地域で花火大会といったイベント事がある際は、主催者や自治体が要請すれば、不足が予想される時間に予想される車両の運行が認められます。これは良いことだと思います。要するに、少しずつ範囲を拡大しているということですが、正直この程度の緩和策だと、どれだけ効果が出るかは少し疑問ですね。
村田:制限が細かいですよね。
ユージ:確かに、まだまだ限定的で運用する側、使う側にもハードルが高いような気がします。
村田:「日本版ライドシェア」の反響はいかがでしょうか?
塚越さん:リサーチコンサルティング企業のMM総研が先月発表した、「日本版ライドシェア」に関する調査によれば、利用したいと答えた方は18.3%と少なく、利用したくないが80%を超えて、なかなか厳しい結果です。さらにライドシェアのメリットと回答したもののうち、1番多かった回答が、21.5%の「タクシーと比べて料金が抑えられる」です。実は、これ間違いで実際の料金はタクシーと同じです。そもそも内容を正確に把握していないというのが実情です。デメリットだと、1番大きい回答が「犯罪などに巻き込まれる可能性がある」で31.1%です。そのあたりも不安視している方が多いなという印象です。また国土交通省が発表したライドシェアを実施しているタクシー事業者は、大都市部でおよそ30%、それ以外の地域ではおよそ10%です。拡大傾向にあるとはいえ厳しいかなと私は感じます。さらに内閣府が主導する会議があるのですが、そこで地域交通のDXを推進する事業者協議会が提示した資料によると、ライドシェアドライバーの応募は2,000件ほどあったものの、実際の内定者は30名ほどと、採用率が驚くほど低かったそうです。理由は色々とありますが、時間が細かかったり働ける時間が色々あったりと見合わない。これでは難しく、給料も見合いません。書類も手続きも面倒くさい。といったもので、結局脱落してしまう方が多いです。ライドシェアは、かなり手続きが煩雑でなかなか普及が厳しいかなというところです。
ユージ:現状だと、明日からやってみようかなという感じではできないということですね。日本版ライドシェアは、全面解禁に向けてどういった課題があると思いますか?
塚越さん:やはりタクシーは人を乗せるので色々と厳しいという気持ちは分かります。少し厳しすぎませんか?
ユージ:ちょっとね!
塚越さん:海外に比べても厳しすぎるので、一気にIT事業者が入ってくると荒れるリスクもあるのですが、多少値段に差をつけるなど競争がないとタクシーとライドシェアの多少の競争がない限りは活性化しませんし、あとは知らない方が多いですよね。知っている方が増えないと、例えば空港などに専用のライドシェアの場所を入れるなど。そういった試みを入れていただいて、少しずつ人に知ってもらうということ、地道なことがまずは必要なのかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 8, 2024
『日本版ライドシェア、制限緩和』
現在のライドシェアは、雨天時やイベント開催時にタクシーの不足が予想されるなど、一定の条件でしか利用できません。緩和とは言え、まだまだ制限が厳しいという印象です。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 8, 2024
日本では、主軸となるタクシー事業を阻害しない範疇でライドシェアを解禁していこうという姿勢に見えます。
一方、ライドシェアを利用した経験が何度もあるアメリカでは、車種やドライバー、車内環境が毎回大きく異なるなどのデメリットはありますが普及は進んでいます。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 8, 2024
日本はタクシーとライドシェアの料金がほとんど変わらないため、利用者としては現状タクシーの方を選びがちだと感じる一方で、制限が多いライドシェアは、ドライバーからしても参入するハードルが高いかもしれません。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 8, 2024
今後緩和が進んで、タクシーとライドシェアの住み分けがはっきりし、状況に応じて使い分けられるような環境になれば、本格的にライドシェアが普及すると思いました。#ワンモ