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24.07.29

ハリス氏とトランプ氏の支持率、接戦に?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。


今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「ハリス氏とトランプ氏の支持率、接戦に?」

吉田:先週月曜日、バイデン氏の大統領選撤退のニュースを紹介しました。そのバイデン氏に代わって、民主党の候補指名が確実視されているのが、カマラ・ハリス氏、現職の副大統領です。そのハリス氏の全米での支持率は44%。共和党のトランプ前大統領を2ポイントリードしたと報じられ、大きな注目を集めています。


神庭さん:これで絶対的にハリスさんが有利かというと一概にそうとも言えません。調査機関によって様々な結果が出ています。ロイターでは、ハリスさんがトランプさんを2ポイント上回りましたが、ウォール・ストリート・ジャーナルだとトランプさんが49%、ハリスさんは47%。JETROのビジネス短信によると、政治専門紙「ザ・ヒル」が全米72の世論調査結果を集計した平均値では、トランプさん48.1%、ハリスさん45.6%で、トランプさんが2.5ポイント勝っています。注意しないといけないのは、アメリカ大統領選はかなり特殊な選挙システムで、全米で一番得票の多い人が大統領になれるわけではありません。実際、2016年の大統領選でヒラリーさんはトランプさんより280万票以上多く得票しましたが、負けています。


吉田:なるほど、そうなんですね!


神庭さん:各州に「勝者総取り」で選挙人を奪い合うような仕組みなのでそういうことが起きます。今回の大統領選も全米での人気や支持率というよりも、激戦州の動向がカギを握ります。「絶対共和党」「絶対民主党」みたいな州ではなくて、どちらに振れるかわからない「スイング・ステート」激戦州で支持を得た方が、勝利を掴むことになると思います。その辺り踏まえて、トランプさんとハリスさん、それぞれの強みと弱みを分析していきたいと思います。


ユージ:ぜひ、その分析を聞いていきたいです。まず、トランプさんの強みは何でしょうか?


神庭さん:最大の強みは強固な支持者たちの存在です。特に「ラストベルト」と呼ばれるさびれた工業地帯で、現状に不満を抱く白人労働者たちに強く支持されています。ラストベルトにはミシガン州やペンシルベニア州などが含まれ、こういった激戦州ではトランプさんが戦いを有利に進められそうです。銃撃事件は本来なら逆風ですが、トランプさんは見事に追い風に変えてみせました。銃撃直後に高々と拳を掲げる姿は、アメリカ人が大好きな「逆境に打ち克つヒーロー像」そのものです。奇跡の生還を経てカリスマ性が高まり、支持者の結束も固まっているのかなと思います。


ユージ:ではトランプ氏の弱みはどうでしょうか?


神庭さん:トランプさんはバイデンさんに対して、認知能力の衰えを批判してきました。ところが、バイデンさんが急遽撤退し、代わりに現れたハリスさんは59歳。78歳のトランプさんに比べてずっと若いです。これまでの「高齢批判」が全部ブーメランになって返ってくる可能性があると、AFP通信は指摘しています。もう1つの不安要素は副大統領候補のバンス上院議員です。時事通信によれば、バンスさんが2021年のインタビューでハリスさんのことを「子がいない女」などと呼んだことが炎上しています。実際にはハリスさんは、夫と前妻の間に生まれた2人の子どもの継母ですが、バンスさんは「チャイルドレス・キャット・レディー(子どもがいない寂しさを紛らわせるために猫を飼う女)」という言葉で罵倒したそうです。トランプさんの方がバンスさんより酷いことをたくさん言っている気もしますが、天性の愛嬌で「この人に言っても仕方がない」というキャラを確立して何となく許されてきました。ただ、バンスさんはまだそこまでには至っていませんから、こうやって炎上が広がると女性票の離反につながるかもしれません。


吉田:ひどい発言だなと思いますね。一方のハリスさんの強みは何でしょうか?


神庭さん:女性であり、黒人であり、アジア系、比較的若いという属性そのものがトランプさんにない強みです。実際バイデンさんに比べても、黒人有権者、ヒスパニック有権者、30歳未満の若年層で支持を伸ばしています。勝利すればアメリカ初の女性大統領というのも大きいと思います。アメリカでは人工妊娠中絶の禁止が各州で広がっており、共和党が優勢な14の州で中絶が禁止されています。宗教保守層の支持を受けるトランプさんが「州が決めることで、全国一律での禁止はしない」という微妙なスタンスをとる一方で、ハリスさんは明確に中絶の権利を主張しています。この点、危機感を抱く女性票の受け皿になりそうだなと思います。ジョージ・クルーニーやアリアナ・グランデらセレブの支持者も多く、ビヨンセもハリス陣営に楽曲使用のOKを出しています。


ユージ:では、ハリスさんの弱みはどうでしょうか?


神庭さん:副大統領としてこれまで存在感を示せず、不人気でした。特に改善を期待された移民政策でいいところナシでした。あと1990年代の大昔の話ではありますが、30歳以上年上の男性政治家との不倫関係を利用してのし上がったのではないかと批判もあります。実際の方はトランプさんの方がよっぽどたくさんスキャンダルを抱えているが、ハリスさんは元検察官でそれを追及する正義キャラを打ち出しています。それだけに、過去の醜聞が掘り返されると、今のご祝儀的な高支持率が剥がれ落ちてしまう可能性もあるかなと思います。年明けから「もしトラ」だ、「ほぼトラ」「確トラ」だろうと散々言われてきたなかで、果たして「まさかのハリス」「まさハリ」はあり得るのかどうか?ということも含めて注目したいと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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