26.07.29
熊本で最大震度7の地震…専門家の見方は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師の塚越健司さんに取り上げていただく話題はこちら!
『熊本で最大震度7の地震…専門家の見方は?』
吉田:昨日の午後4時27分ごろ、熊本県の宇城市と氷川町で最大震度7を観測する地震がありました。国内で震度7を観測したのは2024年1月の能登半島地震以来です。この地震について、東京通信大学 特任教授・松尾一郎さんにお話を伺います。松尾さん、よろしくお願いします。
松尾さん:はい、よろしくお願いいたします。
ユージ:今回の地震どのようにご覧になっていますか?
松尾さん:今回の地震は、活断層を震源とする内陸の地震で、これはわが国で起こる代表的な地震だと思います。地震の規模はM7.1。縦揺れがドーン!と起きるとだいたい数秒で動けないんですよね。この揺れが20~30秒続いたということから、今回の地震の大きさがわかると思います。そして、すでに地震発生から夕方まで震度1以上の余震が60回、今はもう100回を優に超えていると思います。この地震自体は、布田川・日奈久断層という、熊本県内の、要するに阿蘇山の中心から能登半島の方向に行く布田川断層と八代海の方の西南西にずっと降りていく日奈久断層、この日奈久断層沿いで起った地震なんですよね。10年前がまさに布田川・日奈久断層の割れ目の阿蘇山の下で起ったんですけど、今回は八代海の手前のところ、宇城市が震央となって大きく揺れました。たぶん、断層面の割れ方としては30~50kmくらい割れたと思います。なので、滑り量が大きさからすると1~2mずれていると思います。例えば、高速道路が落橋してますよね?だいたい落橋の長さとか大きさなどを考えたときに表層変位(滑り量)が1mくらいあったんだろうなというのがわかる災害だと思います。ちょっと注意しないといけないのが今年の3月に日奈久断層の延長上の水俣市とか津奈木町で群発地震が発生しています。私はこの群発地震が非常に気になっていました。何が言いたいかというと、これで終わりではないのではないかという…。それが明日なのか、10年後なのかわかりませんが、やっぱり、断層面で活発な活動をしていることを私たちは認識しなければいけない。九州もそうなんですけど、日本全国どこでも起こり得る話なので、やっぱり、さまざまな備えが重要だと思いますね。
ユージ:“起こり得る”というお話が今ありましたけれども、規模としては今回と同等、もしくは、それ以上になる可能性もあるということでしょうか?
松尾さん:文科省を含めて、国の地震の活断層の調査の中では、八代海の区間で発生するとですね、M7.3とか今回の地震よりもエネルギー量的には大きい地震が発生する可能性があるということが言われています。なので、そういうことが起りうるんだということですね。そして、八代海で地震が発生すると何が起きるかというと津波なんですよ。今回も津波が発生しましたけども、なんで起ったかというと、沿岸部まで断層が割れたからです。海の下がちょっと割れたからなんですね。これがもうちょっと西南西方向に行くと、津波の影響も今後はもっと出てくるということですね。それとですね、私は“夏場の地震”というのはとても重要視しています。
ユージ:“夏場の地震”、どういうことでしょうか?
松尾さん:今、自宅で揺れに対して余震も含めて不安になっている人がたくさんいます。そして、停電もしていますよね。4万世帯停電ですよ。なので、クーラーが使えない。さらに、今日の熊本市内の気温が最高34℃なんですね。わかりますか?クーラーが使えない、34℃の外気の中に被災者の人たちがいるって状況ですよ。そこで、熱中症の危険性ですよね。だから、今、安心して過ごせる場所がない人たちがものすごく多いということですよね。でね、そんな中、何が起こっているかというと、車ならエンジンが回せるし、クーラーもあるから涼しいしということで、仕方なく狭い車中避難をされている人も多いんですよ。車中避難したときの大きな問題、エコノミークラス症候群。これは血管が詰まる肺血栓塞栓症ですね。エコノミークラス症候群を防止するためのルールが必要です。十分な水分を補給してください。1時間でも30分でもいいです、定期的に体を動かしてください。車の中ではなく一旦外に出て体操してください。ふくらはぎに血栓ができるので、ふくらはぎの筋肉を動かしてください。寝るときは、脚を高くして体を伸ばして寝てください。トイレは我慢しない。これも重要ですね。