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26.07.28

トレカ転売が過熱、「健全化」を目指し議連設立

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長、神庭亮介さんです。
神庭さんが注目した話題はこちら


「トレカ転売が過熱、『健全化』を目指し議連設立」

吉田:ポケモンカードや遊戯王カードの高額転売が相次ぐなか、自民党の有志議員は7月23日、トレーディングカード市場の健全化を目指して議員連盟を設立しました。今朝はトレカ高騰の現状や求められる対策について、神庭さんと考えます。


ユージ:神庭さん、トレーディングカード(トレカ)は、どれくらい高くなっているんでしょうか?


神庭さん:極端な例になりますが、2026年2月にはピカチュウが描かれた「ポケモンイラストレーター」というカードが、市場最高額の25億円超で落札されています。


ユージ:話題になってましたよね。ポケモンカードを僕はめちゃめちゃ買ってましたから。すごいですね。


神庭さん:それだけではなくて、大谷翔平選手のベースボールカードにはおよそ5億3,800万円という高値がついています。私が高校生の頃にハマっていた「マジック:ザ・ギャザリング」というカードゲームの「ブラック・ロータス」というレアカードは、2024年に4億6,000万円ほどで取引されています。いまは円安なのでもっと上がっているかもしれないですが、子どもの頃に流行った「ドラゴンボール」のカードダスも、ものによっては数十万円します。


ユージ:買ってた、めちゃめちゃ買ってた。たまにシールが出てくるんですよね。


神庭さん:そうそう、もともと1枚20円ですからね。つい先日も、「週刊少年ジャンプ」に「ONE PIECEカードゲーム」のカードをつけたら、転売ヤーが殺到してジャンプを買えない人が続出して混乱を招いたとして、集英社が謝罪する事態に追い込まれています。


吉田:かなり過熱しているようですが、新しくできた「トレカ議連」は何を話し合うんでしょうか?


神庭さん:新たに立ち上げられた「トレーディングカード振興議員連盟」には自民党の有志30人弱が参加しまして、転売目的の大量購入や偽造品の横行、マネーロンダリングといった問題に対応するためのルール整備について協議するとみられています。日本玩具協会によると、2025年度のトレカの市場規模は3,384億円。10年前の962億円から3.5倍にまで成長しています。一方で、トレカが半分金融資産のようになってしまっているのも事実で、カードを出しても転売ヤーがすぐ買い占めてしまうようだと、子どもたちが買えなくなってしまって、将来の市場を支えるプレイヤーが育ちません。結果として市場がしぼんでしまうわけですね。だからこそ、健全な発展のためのルールづくりが必要になっているということだと思います。


ユージ:たまに「転売禁止にしちゃいましょう」というような意見を見かけますが、そのあたりはどうですか?


神庭さん:そこまでこの議員連盟でやるかというと、おそらくそれはないかなと思っています。なぜかというと、資本主義社会で所有権や中古市場に対して強い制限をかけるのは難しいですね。なぜ自動車やブランドバッグや腕時計は転売できるのに、トレカはダメなのか?という部分で整合性が取れなくなってしまうわけです。JNNによれば、議連会長の木原誠二衆院議員は、日本が暗号資産で海外に先んじていたのに規制強化でアメリカに市場を取られた「苦い経験がある」として、「規制を強化して市場をつぶすということがあってはならない」と話しているということです。転売禁止ではなくて、過度な投機を抑えることで日本発のコンテンツを守って、健全に育てていくことを考えているのかなと思います。


吉田:では、具体的にどんな対策が求められているのでしょうか?


神庭さん:一番効果が大きいのは供給を増やすことだと思います。カードの再販売があるとわかれば「今すぐ買わなくちゃ」という心理が薄れて、相場も下がります。ほしい人が必ず買えるような受注生産も有効かと思いますね。あとは、大会参加者や公式アプリ登録者、プレイ歴のある人など「遊ぶ人」を優先する販売方式を取るのも選択肢です。ここまでは民間の取り組みですけれども、偽物対策は政治側でも後押ししやすいです。鑑定制度を標準化する、偽物を売る輩への罰則を厳格化する、といったやり方が考えられます。トレカの高額転売で稼ぎながら税務申告を怠っているようなケースに関しては、税務調査を強化することも一定の抑止力になるかなと思います。


吉田:他にはどんな対策が必要でしょうか?


神庭さん:カードメーカー公式ではなく、カードショップや個人が独自にカードを封入して販売するオリジナルパック(オリパ)の中には、1回10万円で高額カードが当たると銘打っているようなものもあるんですよね。


ユージ:たまに動画で見かけますね。メーカーから買ったものを勝手にバラして中身を入れ替えて、くじ引きのようにしていて、当たりも入っているけれど、やっぱり外れも多い、みたいな。


神庭さん:ギャンブル性の高いオリパについては規制も検討すべきかと思いますね。


ユージ:トレカ問題について、神庭さんはどう考えますか?


神庭さん:メーカーは単にカードゲームを売っているわけではなく、「何が出るかわからないドキドキ感」「ワクワクしながらパックを開封する体験」をセットで提供しているわけです。YouTubeでトレカの開封動画が人気なのもそういう理由で、ある意味ソシャゲ(ソーシャルゲーム)のガチャに近い構造があります。仮の話、1,000枚に1枚しかレアカードが出ないと、「次こそは当たるかも」と飢餓感を煽ることになって、結果として転売価格の高騰や投機を招くことになります。だからといって通常カードとレアカードの排出確率を全部一緒にしちゃったら盛り上がらないですし、一気に人気がなくなるのでやめた方がいいと思いますが、例えば「1,000枚に1枚」を「100枚に1枚」に調整するくらいのことはやってもいいのかもしれないなと思います。プレイ用とコレクション用でレアリティを変えるのも選択肢です。対戦で使うカードは大量生産しつつ、性能は同じだけど別イラストのレアバージョンを作れば、「遊びたい子ども」と「集めたい大人」の両方のニーズに応えられるのではと思います。


ユージ:このトレーディングカードの問題、最近よく耳にするので、これからどうなっていくのか気になるところです。

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