第三百十五話 逃げない、はればれと立ち向かう -【大阪篇】芸術家 岡本太郎-

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yes!~明日への便り~presented by ホクトプレミアム 霜降りひらたけ

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第三百十五話逃げない、はればれと立ち向かう

1970年の大阪万博で、べらぼうな建造物を造り、世の中を驚かせた芸術家がいます。
岡本太郎(おかもと・たろう)。
万博から51年が経った今、オブジェを押し込めようとした屋根は取り除かれ、多くのバッシングを受けた『太陽の塔』だけが、千里の丘にそびえています。
今年、生誕110年を迎えた岡本太郎。
再び、ブームが来ています。
特に、このコロナ禍、新しい生活様式にいまだ慣れず戸惑う若者たちが、彼の本を読み、彼の画集を買い求め、勇気やエネルギーをもらっているのです。
岡本のエッセイ集『自分の中に毒を持て』に、こんな一節があります。
「今、この瞬間。まったく無目的で、無償で、生命力と情熱のありったけ、全存在で爆発する。それがすべてだ。そうふっきれたとき、ぼくは意外にも自由になり、自分自身に手ごたえを覚えた」。
大阪万博で、彼は揶揄(やゆ)の集中砲火を浴びました。
「前衛芸術家が国のいいなりになって尻尾を振っていいのか?」
岡本は、そんな非難にはいっさい耳をかさず、己の全存在を賭けて、唯一無二のアートをこの世に送り出したのです。
そのスケールは、破格。
屋根の下におさまるどころか、突き破る。
しかも、最先端のテクノロジー、日本の技術の粋を結集させる博覧会に、縄文時代を想起させるようなオブジェ。
『太陽の塔』の「胎内」には、まさしく、日本古来の祝祭や伝統の痕跡が息づいています。
新しいものと古き良きもの。
社会と個人。
文明と祭り。
相反するもの、とうてい共存などできないと思える二つのものを融合などさせないで、そのまま、同時にとどめるということ。
彼は、若者に言い続けました。
「孤独から逃げるな。誰かに好かれようなんて思うな。自分が自分であるためには、ひとに嫌われることを嫌がってはいけない」
生涯、挑戦を続けた稀代のアーティスト・岡本太郎が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

岡本太郎は、1911年、神奈川県川崎市に生まれた。
父は漫画家の岡本一平、母は歌人で作家の岡本かの子。
幼い頃から、家族というより同志。
親戚や近隣の者たちは、両親と対等に議論する太郎の姿を目撃して驚いた。
ついたあだなは、「モチロンちゃん」。
幼い彼が、父や母が言うことに「モチロン、モチロンそうだよ」と答えるところから、そう呼ばれるようになった。
両親は、甘える対象ではない。
議論をする。
うまく相手に伝わらないと、癇癪(かんしゃく)を起こす。
母も、容赦はしない。
性格が似ていた母と子は、激しくぶつかった。
体が弱い母は、衰弱しながらも、息子に真っ向から挑む。
このままでは、二人とも体によくないと父が判断し、太郎を留学させることにする。
意気揚々と乗り込んだわけではない。
余計者が、放り出されるように、パリの地を踏んだ。

岡本太郎は、中学生時代に思い知った。
「結局、誰かに自分を理解してもらうなんて、無理だ、幻想だ」
クラスでは、わざとおどけて、自分という人間をわからなくした。
誰にも理解されないことで、自分を守る。
孤独になるのは仕方がなかった。
18歳で、パリに留学。
他の日本人は、美術大学を出たお金持ちのエリートたち。
日本人だけのコミュニティをつくっていた。
岡本は、日本人だけでつるむことをいっさいしなかった。
フランス語を徹底的にマスターし、日本人が寄り付かない地区で下宿した。
25歳で画いた『傷ましき腕』が絶賛される。
人物の顔は見えない。右腕に黒い紐が巻かれ、痛々しい。
人物は、胸に大きな真っ赤なリボンをつけている。
「孤独」「哀しみ」「絶望」の右腕と、圧倒的な生命力を示すリボン。
死と生の共存こそ、のちの彼のテーマになった。
やがて、アンドレ・ブルトンに認められ、第一回 国際シュールレアリスト・パリ展に招待される。
前衛芸術家たちと議論し、お互いの絵を高め合う日々。
モンパルナスでアトリエを構え、ピカソとも交友を続け、パリの誰もが認める存在になった。
でも、岡本は、いつも苦悶していた。
「これでいいのか、これがボクが本当にやりたかったことなのか」

パリで、前衛芸術家としての地位をきづいた岡本太郎は、パリ大学で哲学を学ぶ。
カントの純粋理性批判に傾倒。
しかし、正しい「正」、それに反する「反」がやがて合わさり「合」となる、『正反合』の考え方には、納得がいかない。
「正と反は、決して交わること、合わさることなく、同時にそこに存在してもいいんじゃないだろうか」
簡単に「合」に至らないところにこそ人間の本質があり、芸術の根幹があるのではないか。
パリでの生活を終えた岡本に待っていたのは、戦時体制下の日本。
軍国主義に飲み込まれ、空襲を受け、アトリエもパリ時代の作品も全てを失った。
ゼロからの出発。そこでも、岡本は逃げない。
芸術とは何か、自分とは何かを問い続けた。
ひとと慣れ合うのは、簡単だ。
ひとつのコミュニティの中に交ざってしまえば、楽に生きられる。
でも、と岡本太郎は言う。
「誰とも交わらない、モチロン、それは孤独だ。
でも、そんな孤独から逃げずに、はればれと立ち向かう、生きるとは、そういうことじゃないだろうか」

【ON AIR LIST】
大阪LOVER / Dreams Come True
空 / 市原ひかり(トランペット)
Picasso's Holiday / 土岐英史(アルト・サックス)
今日の芸術 / あいみょん

★今回の撮影は万博記念公園マネジメント・パートナーズ様にご協力いただきました。ありがとうございました。
「太陽の塔」内部の観覧について、詳しくはオフィシャルサイトからご確認ください。

太陽の塔オフィシャルサイト
https://taiyounotou-expo70.jp/

音声を聴く

今週のレシピ

RECIPE開閉

霜降りひらたけのガレット

今回は、フランスの郷土料理をアレンジした、こちらの料理をご紹介します。

霜降りひらたけのガレット
カロリー
348kcal (1人分)
調理時間
30分
使用したきのこ
霜降りひらたけ
材料
【2人分】
  • 霜降りひらたけ
  • 1パック
  • 【A】薄力粉
  • 大さじ4
  • 【A】塩
  • 1g
  • 【A】砂糖
  • 小さじ1
  • 【A】牛乳
  • 180ml
  • 【A】全卵
  • 1個
  • 【A】バター
  • 10g
  • ベーコン
  • 3枚
  • うずらの卵
    (普通の卵でも可)
  • 4個
  • 塩、こしょう
  • 適量
  • パルメザンチーズ
  • 適量
  • パセリ
  • 適量
作り方
  • 1.
  • 霜降りひらたけは小房にほぐし、ベーコンは千切りにする。【A】は混ぜ合わせ、フライパンに薄く流して焼き色がつくまで焼き、ひっくり返して軽く焼いて一度取り出す。
  • 2.
  • ベーコンをフライパンで炒め、脂が出てきたら、霜降りひらたけを入れ、塩、こしょうをしてソテーする。
  • 3.
  • うずらの卵は目玉焼きにする。
  • 4.
  • (2)(3)を(1)にのせ、生地の周囲を折り曲げて四角形にする。パルメザンチーズを振ってトースターで焼き、香りを出す。
  • 5.
  • 皿に盛り、お好みでパルメザンチーズとパセリを振る。

RECIPE LIST

yesとは?開閉

『自分にyes!と言えるのは、自分だけです』
今週あなたは、自分を褒めてあげましたか?
古今東西の先人が「明日へのyes!」を勝ち取った 命の闘いを知る事で、週末のひとときを プレミアムな時間に変えてください。
あなたの「yes!」のために。

―放送時間―
TOKYO FM…SAT 18:00-18:30
FM OH!…SAT 18:30-19:00
FM長野…SAT 18:30-19:00
FM軽井沢…SAT 18:00-18:29

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