Yuming Chord
松任谷由実
2015.07.31.O.A
先週に引き続き､ｺｰﾄﾞは｢色気あるひと｣｡
日本の音楽ｼｰﾝで声に最も色気がある･･･､と誰もが認める大人の男､井上陽水さんとともに､色気とはどういうものなのか･･･､を考えていきます｡
■今週のChordは“色気あるひと”
TRANSIT
小林麻美
ﾕｰﾐﾝ：今日は女性の色気についても触れたいんですけど｡麻美ちゃんも色気があるなと､｢TRANSIT｣を聴いて改めて思いました｡ﾐｽﾃﾘｱｽですよね｡
井上：そういう部分も欲しいですよね､ちょっと謎めいた所がないと｡
ﾕｰﾐﾝ：ｽｸﾘｰﾝ上の女性で､色気を感じる方はいますか？
井上：ｼｬｰﾛｯﾄ･ﾗﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞ｡ああいう人は時々“う〜ん”と､思いますね（笑）｡
ﾕｰﾐﾝ：決して明るくないですよね｡ﾒﾗﾝｺﾘｰというか･･･｡長生きしていると､三つや四つ､傷を持つじゃないですか｡ふとした時に遠い目をしたりね｡
井上：そういう感じをされると､男は敵わないですよね｡取りつく島がなさそうなことを女性は時々しますよね｡
ﾕｰﾐﾝ：豆知識なんですけど､｢色｣という漢字は｢ひざまずいた人の上に､人が重なっているところから来ている､象形文字だそうですよ｡
井上：ひざまずくなんていうと､感じますね｡
ﾕｰﾐﾝ：祈りを捧げたりする時も､ひざまずくじゃないですか｡聖なるものと聖なるものは､とても近い所にあるんですよね｡陽水さんの場合の配合はどうですか？
井上：僕はどちらかというと､最近は『ﾏﾘｱ様､助けて』という感じですかね（笑）｡“神々しい､この方は素晴らしいんだな”という所に､心が動きますかね｡
ﾕｰﾐﾝ：最新ｶﾊﾞｰｱﾙﾊﾞﾑ『UNITED COVER 2』では､私の曲も選んで歌ってくださっているんですよね｡
井上：ﾕｰﾐﾝの曲が素晴らしかったですね｡ﾕｰﾐﾝが人気がある理由が分かりました｡遠目でぼんやり見てたんですけど､歌ってみて､YouTubeで観て､はっきり分かりました｡
ﾕｰﾐﾝ：数多ある中から､｢ﾘﾌﾚｲﾝが叫んでる｣を選んでいただきました｡『UNITED COVER 2』は､どういう風に選曲されたんですか？
井上：何となく思い起こしたり､僕の家にはｶﾗｵｹの本があって､めくりながら『これ､歌えるかな〜』って･･･｡
ﾕｰﾐﾝ：ｶﾗｵｹの本が家にあるの！？歌が好きだな〜（笑）｡
井上：ｶﾗｵｹをやるというわけではなくて､前にもｶｳﾞｧｰｱﾙﾊﾞﾑを作った時に､“どんな曲があったっけ？”ということで購入したものなんですよ｡
ﾕｰﾐﾝ：実に､今の陽水さんの声のﾃｸｽﾁｬとか､解釈とか恐れ入っちゃいますという曲の数々です｡
井上：ﾕｰﾐﾝの｢ﾘﾌﾚｲﾝが叫んでる｣のﾗｲﾌﾞ版をYouTubeで改めて観て｡ｷｬﾌﾟﾃﾝｸｯｸみたいな帽子を被って､『私についておいで！』的な感じで､多くの女性達が､それについていく｡
大きな日本の変革をもたらしたというのが素晴らしくて｡特に日本は､もう少し女性にやっていただかないといけない局面が､現状ありますので､『ﾕｰﾐﾝ､素晴らしいのはよく分かった！』という感じで､心して歌わせていただきました｡
ﾘﾌﾚｲﾝが叫んでる
井上 陽水
ﾕｰﾐﾝ：ｾﾙﾌﾗｲﾅｰﾐｭｰｼﾞｯｸﾋﾞﾃﾞｵでは､｢この曲はｱﾚﾝｼﾞが､自分にとって大事な曲だった･･･｣ということと､｢なんて言うんだろう､ﾕｰﾐﾝは｡仲間だけに｣と､仰っていましたが､仲間という表現は？
井上：つい､出たんですけど｡長い間ね､こうやって､芸能界の真ん中ではないところでやってきたのでね｡
ﾕｰﾐﾝ：｢ﾘﾌﾚｲﾝが叫んでる｣これは男性の視点と､女性の視点と､両方が交錯する詞になっていますけど｡女言葉を｢〜だわ｣､これが男で歌えるのは､大人でないと無理ですね｡女の痛みまで想像出来るという･･･､大人ですな〜｡
井上：積み上げてきたものがあるんですよね（笑）｡
ﾕｰﾐﾝ：男性ｱｰﾃｨｽﾄで､青春っぽい､青い良さも素晴らしいんだけど､やっぱり､陽水みたいなのじゃないと生き残れないかなとも思いましたね｡
井上陽水さんがｾﾚｸﾄした洋･邦の名曲をｶｳﾞｧｰしたｱﾙﾊﾞﾑ『UNITED COVER 2』は､絶賛発売中です｡
また､ｱﾅﾛｸﾞ盤ﾘﾘｰｽとﾊｲﾚｿﾞ配信が､9月16日に予定されているそうなので､そちらもどうぞお楽しみに｡
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